京助さんと夏生

神谷レイン

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3 一週間後の夕方

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 ―――――一週間後。

 俺はいつものように学校が終わって、うだるような暑さの中、蝉の音を聞きながら自宅マンションに辿り着いていた。

 ……はぁ、毎日毎日暑いったらないな。

 俺は額から流れる汗を肩で拭いつつ、いつものようにエントランスにあるポストボックスを開けた。するとそこには何通かの封筒が入っていて、俺はそれらを取り出して宛名を確認する。

 ……どれも父さんのばっかりだな。……ん、あれ? これって。

 俺は一通の宛名を見て首を傾げた。宛名には父さんの名前ではなく『大嶋京助様』と書かれていたからだ。

 ……大嶋京助。あて先はうちの二軒隣の部屋だ。もしかして間違えて配達しちゃったのかな? 

 俺はそう思いつつ、二個隣のポストボックスに目を向ける。本当ならそこに入れればいいだけだろう。でも俺はなんとなく『大嶋京助』と言う人が、一週間前に会ったあの人だと思った。確証なんかないのに、直感がそう囁く。
 だから、またちょっと会いたくなって。俺は手紙を抱えたままエレベーターに乗り、家の前を通り過ぎて二軒隣の玄関前に立った。

 ……もしかしたら違うかもしれないけど。

 俺はそう思いつつも、会いたいという気持ちから、躊躇う指を動かしてインターホンを鳴らした。すると部屋の奥からチャイムの音が響く。
 俺はドキドキしながら玄関先で待ち、ドアが開くのを期待した。でも誰かが出てくる気配がない。

 ……あれ? いない、のかな。もしかして出かけてるのかも。

 俺はちょっと残念な気持ちになるけれど、誰もいない家の前で待っていても仕方ないと肩を落として踵を返した。

 ……この手紙はやっぱりポストに入れておこう。

 俺は封筒の『大嶋京助様』と書かれた宛名を見ながら、玄関前から離れた。でも二、三歩離れた離れた時だった。突然、ガチャッとドアが開いた。

「……誰もいない?」

 開いたドアから声が聞こえ、俺は慌てて走り寄った。

「あ、すみません! 俺が鳴らしました!!」
「お前、この前の」

 京助さんは俺を見てすぐに誰だかわかったようだった。でも俺の方と言えば、京助さんの姿を見てちょっと驚いた。
 だってそこに現れたのは一週間前に会った時よりもずっとくたびれて、いや、疲れ切っている京助さんがいたからだ。髪はぼさぼさで、無精髭はのびっぱなし、目の下にはくっきりとクマができていた。けど不思議な事に、そんな姿だというのに色っぽさは消えてなくて。むしろ、もっと色っぽくなっているというか。

「何か用だったか?」

 京助さんに尋ねられ、見とれていた俺はハッとして目的を思い出した。

「あの、これ。うちの郵便ポストに紛れてて」

 俺は封筒を差し出して言い、京助さんはそれを受け取って宛名を確認した。

「ああ、俺のだ。わざわざすまなかったな。ありがとう」
「あ、いえ。持ってきただけだから」

 京助さんにお礼を言われ、俺はなんとなく目を逸らしながら答える。だって全くの善意で持ってきたわけじゃなく、会いたいって下心があったから。

 ……でも、やっぱり大嶋京助って名前なんだ。なんだか名前もカッコいいな。

 俺はそんな事を京助さんを見ながら思う。でも、見ていると京助さんの具合が悪そうだと気がつく。顔に血の気がない。

「あの、大丈夫ですか?」
「え? あ、ああ。大丈夫だ、小汚い格好で悪いな」

 京助さんは身だしなみを整えずに出て来た事を、俺が尋ねたように思ったみたいだ。本当はそうじゃないんだけど。

 ……でもこれ以上、ここにいたらお邪魔だよね。具合悪そうだし。

 封筒を渡す為とは言え、もう一度会ってみたいという下心で具合が悪い人を呼び出したことに俺は少しの罪悪感が心に過る。だから早々に帰ろうとした。

「あの。じゃあ、俺はこれで。その手紙を渡しに来ただけなので」

 俺はぺこっと頭を下げて言った。すると京助さんは「ああ、ありがとう」ともう一度お礼を俺に言ってくれた。でも、だからこそ気まずくって。
「じゃあ」と俺は挨拶も早々に、家へと向かって歩いた。とはいっても二軒隣なので、目と鼻の先にあるんだけど。

 そして、数歩歩いたところで京助さんの家のドアはゆっくりと閉められて、パタンっと閉じた音が背後に聞こえた。その音に俺は思わず足を止める。

 ……会えたのは良かったけど、もう少し話してみたかったな。でも、本当に具合悪そうにしていたけど大丈夫なのかな? まぁ、家族の人がいるかもしれないし。

 そう思った。だがその矢先、ドタッと倒れる音が微かに聞こえた。

「え!?」

 俺はまさか!? と思って、咄嗟に閉じられたばかりのドアに駆け寄り、遠慮もなしにドアノブを引いた。そうすればドアを開けた先にいたのは、廊下の壁に寄りかかり、座り込んでいる京助さん。

「だ、大丈夫ですか!?」

 俺が思わず駆け寄って尋ねれば、項垂れていた京助さんは顔を上げた。

「お前、帰ったんじゃなかったのか?」
「そうですけど。部屋から音がしたから、もしかしてって。あの、どこか具合が悪いんですか?」

 俺は京助さんをじっと見て尋ねる。すると京助さんは気まずそうな顔をした。

「いや、具合は悪くない……ただ」
「ただ?」

 俺が問い返せば、京助さんが言うよりも先に京助さんの体の方が返事をした。


 ―――――――ぐぅっ。


「へ?」

 ……今、ものすごく大きな腹の虫の音が聞こえたようなぁ。

 俺は京助さんのお腹に視線を向け、それから京助さんを見ると少し恥ずかしそうな顔をしていた。

「その。ここ数日、仕事が忙しくて寝てなくて。ついでにまともな飯も食ってなくてだな」
「……つまり睡眠不足と栄養不足ってことですか?」

 俺が尋ねると京助さんは頭をがしがしっと掻いて、恥ずかし気に「ああ、そうだ」と答えた。でも、俺はホッと息を吐いた。

「なんだ、よかった。てっきり病気かなにかと」

 俺は肩を撫でおろして思わず呟いた。でも、すぐにちょっと意外さを感じる。
 こんなに大人なのに、睡眠不足と空腹で倒れてしまうなんて少し子供っぽくて。

「まあ、そういう訳だから大丈夫だ」

 京助さんはそう俺に言った。けれど倒れるぐらい疲弊している人を放って帰ることなんて俺にはできなかった。だって、もしここで帰ってしまっても『あの後、大丈夫だったかな?』ってきっと気になるから。

「全然大丈夫じゃないと思います。とりあえず、こんなところじゃなくて中で横になりましょう?」

 俺は手を差し伸べて言った。すると京助さんは少し考えた後、おずおずと俺の手を取った。重なった手が自分より大きくて、なぜだか少しドキリとする。他の誰に握られたってこんな風に思わないのに。

 ……なんでだろう?

 そう思ったのもつかの間、京助さんは俺の手を掴んで「すまない」と言いながら立ち上がった。けれど体がよろめいている。なので俺は京助さんの体を片手で支えつつ廊下を歩いた。

 まっすぐの廊下を数歩歩けば、すぐにリビングのドアだ。そのドアを開いて中へと入れば、クーラーがきいている部屋は涼しくて、俺の熱い体も冷やしてくれる。
 でも涼しさよりも、自宅と全く同じ間取りでありながら全然雰囲気の違う綺麗な部屋に目がいった。

 ……家具や配置でこんなに部屋の雰囲気って変わるものなんだな。うちの生活感がある家とは違うなぁ。いや……生活感はあるか。

 俺は部屋を見渡して、考えを改める。
 窓辺に置かれた観葉植物や家具はお洒落だけど、リビングの隅には少し埃が溜まっているし、ソファの近くには使った後のタオルが置き忘れられている。

 そして中央に置かれたローテーブルの上には、大量の本と資料と思われる紙の束が散乱していた。なので綺麗、とは言い難い。
 だけど、俺がそんな事を考えている内に京助さんは俺から離れて二人掛けのソファに腰を下ろし、寝転んだ。足が長くてソファからはみ出してる。

「仕事が忙しくて片付けに手が回らなくてな」

 京助さんはちょっと言い訳っぽく俺に言った。

 ……部屋を見られたの、恥ずかしかったのかな? でも片付ける暇がないって……やっぱり一人暮らしなのかな? それにしても一体何の仕事をしているんだろう?

 俺は不思議に思って、ローテーブルに置かれている本や資料の紙に視線を向けた。そこには地図や花の図鑑、有名絵画の美術本、医学書や物理学の本、その中には料理本や漫画まで混じっている。資料の紙に関しては、海外の民族話が書かれているようだった。

 ……本当、この人は一体、何の仕事をしているんだろう。

 俺は本日二回目の疑問を心の中で呟く。けれど、何も言わない俺に京助さんは「どうかしたか?」と声をかけた。なので俺はハッと我に返った。

「あ、すみません。色んな本がたくさんあるな、って思って」
「ああ、仕事でちょっとな。それよりもう大丈夫だから帰っていいぞ」

 京助さんは未だ具合の悪い顔色で俺にそう告げた。でも、やっぱり俺はこのまま放ってはおけない。

「あのっ、ちょっと待っててください! 寝ててもいいんで、すぐに戻ります!」
「え、おい」

 京助さんは俺を呼び止めたけれど、俺は早々に家を飛び出した。



 ◇◇



 ――――それから四十分後、俺は再び京助さんの家に来ていた。
 勝手にドアを開け、俺は置いてきた学生鞄の代わりに皿が乗ったトレーを持っていた。

「ん?」

 俺がリビングのドアを開けて近寄ると、京助さんは気配で目を覚ます。

「あ、起こしてすみません」

 俺が謝ると京助さんは気だるげな様子で体を起こした。

「いや。……それより、それは?」

 京助さんは俺が持っているトレーを見て尋ねる。

「あの……余計なお世話かと思ったけど。何か食べないと元気でないと思って。冷やし中華を作ってきました。夏だし、さっぱりしたものがいいかなって。……もしよかったら、どうぞ。その、人の作った物は食べられないとか嫌いだったら、俺、持って帰りますので」

 ……やっぱりこんな事、押しつけがましかったかなぁ。

 俺は不安に思いながらも捲し立てて言った。でも京助さんは嫌な顔を見せず、むしろ少し驚いた顔を見せた。

「わざわざ作ってきてくれたのか?」
「えっと……はい。その、今日の夕飯で元々作る予定だったから材料はあったし。冷やし中華ならあんまり嫌いな人はいないかなって。……それに、作ったと言っても麺を湯がいて、上は切っただけだし、タレはついてたやつなんで、……あ、もしかしてアレルギーとかありました?!」

 俺が尋ねれば京助さんはふっと笑った。

「いや、ないよ。ありがとう、わざわざ作ってきてくれて。でも、本当に貰っていいのか?」
「俺が作ったのでよければ」

 俺はそう言いつつローテーブルの、京助さんの前にトレーを置いた。
 キュウリにトマト、卵とハム、もやしとわかめ。そして真ん中には梅干しが乗っている、なんて事のない普通の冷やし中華だ。

「梅干しがのっているのは初めて見るな」
「あ、うちでは梅干しをのせるからつい。いらなかったら、外してください」

 ……そうだった。梅干しは普通つけなかったな。うちではいつも付けるから、普通だと思ってた。

 俺はしまった、と思ったけれど京助さんは「いや、いただくよ」と答えてくれた。そして、お皿にかけていたラップを外す。
 でも俺は何もすることもなく、手持ち無沙汰で。

 ……このままここにいても俺って邪魔だよな。食べてるの、ずっと見られるのも嫌だろうし。

「あの、じゃあ、俺は行きますので、ゆっくり食べてください。お皿とかトレーとかは明日のお昼過ぎ、一時ぐらいに取りに来ますから」

 そう言えば京助さんは俺に視線を向けた。

「ああ、わかった。ゆっくりいただくよ。本当にありがとな」

 京助さんにお礼を言われ、俺はぶんぶんと首を振って「いいえ、俺が勝手にした事なので」と、いつの日か京助さんが俺に言った言葉と同じことを言っていた。
 だからか、京助さんもその事に気がつき、くすっとまた笑った。

「俺が言った事と同じ事いってるな……。ところで、そういえば名前はなんていうんだ?」
「え?」
「名前だよ。俺は大嶋京助」
「あ、名前。俺はヨシザワナツオと言います」

 京助さんがフルネームで答えたので、俺もフルネームで名乗る。

「ナツオ君ね、字はどう書くんだ?」
「夏に生まれるで、夏生ですけど」
「じゃあ、夏生まれなのか」
「あ、はい。安直すぎる名前ですけど」

 安直すぎて俺はあんまり自分の名前が好きじゃなかった。せめて、もうちょっと凝った名前にしてくれたらよかったのに、と自分の名前を見ていつも思ってしまう。でも京助さんは違った。

「どうして? いい名前じゃないか。分かり易いし、夏生まれなんだと人の印象に残る。人の印章に残る名前はいい名前だと思うぞ」
「そう、ですか?」
「俺、個人の意見としてな」

 京助さんの話を聞いて、そんな考えもあるんだ、と俺はちょっとだけ自分の名前が好きになる。そして、その名前を京助さんは呼んだ。

「じゃあ夏生君、また明日」
「あ、夏生でいいです」

 君を付けられて呼ばれると、なんだか変な気がして俺は咄嗟にそう言っていた。だって京助さんは学校の先生でも、親戚のおじさんでもないから。
 でも、俺がそう言えば京助さんは。

「じゃあ、俺も京助で」
「えッ?!」
「俺だけ呼び捨てはフェアじゃないだろ?」
「そうかもしれないけど、呼び捨てはできないです。なので、京助さんで」

 さすがに年上の人を呼び捨てにできなくて、俺がさん付けで呼ぶと京助さんは「ああ」と答えた。なんとか及第点のようだ。
 でも、名前を呼んで返事を貰えたことがなんだか嬉しい。

「じゃあ京助さん、また明日来ます。今日はゆっくり休んでくださいね」
「ああ、ありがとう」

 京助さんは俺に何度目かのお礼を言い、何も特別な事をしていない俺はただただ気恥ずかしくって無言でぺこりと頭を下げる。そして、そのまま家を出た。
 玄関のドアの外に出ると蝉の音と、蒸し暑い熱気に体を包まれて不快指数が急上昇する。けれど、俺の心の中にあった想いはひとつだけ。



 ……明日も京助さんに会うんだ。



 ―――――その事だけだった。 



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