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4 あまい苺のショートケーキ
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――――翌日、土曜の昼。
学校は休みで、俺は制服じゃなく私服の格好で昨日約束をした時間に京助さんの家の前にいた。
……そろそろ時間だけど、鳴らしていいかな?
そう思いつつ、昨日と同じように勇気を出してインターホンを鳴らす。すると、昨日とは違ってすぐに京助さんが出て来た。
「よ、昨日ぶりだな」
京助さんは昨日とは打って変わって、初めて会った時と同じように小ざっぱりとしていた。髪は整えられ、不精髭はなくなり、顔色は良くなっている。目の下のクマもないから、しっかりと眠れたんだろう。
「こんにちは、京助さん」
俺がぺこりと頭を下げて挨拶をすれば、京助さんはふっと笑った。
「ああ、こんにちは。今日はわざわざ来てくれて、ありがとうな。本当なら俺の方が家に伺って、持って行くべきだったんだが」
「あ、気にしないでください。取りに来たって言っても、二軒隣ですぐですから」
「だからだよ。……ところで、昼飯は食ったか?」
「え? 食べましたけど」
「じゃあ、この後何か予定は?」
「え、予定ですか? 特にありません」
一体何の質問だろう? と俺は内心首を傾げる。でもなぜ問いかけたのか、その理由はすぐに分かった。
「そうか。実は昨日の礼といってはなんだが、ケーキがあるんだ。食べていかないか?」
「え、ケーキですか?」
思わぬ申し出に俺は驚いてしまう。だって今日はただ昨日渡したお皿とトレーを回収しに来ただけだったから。だから、まさかケーキを用意してくれてるなんて夢にも思っていなかった。
「甘いものは嫌いだったか?」
「いえ、好きです!」
俺が馬鹿正直に言うと、京助さんはくすっと笑って玄関ドアを大きく開けた。
「じゃあ、中へどうぞ」
京助さんに促されて俺は素直に玄関の中に入る。でも京助さんはドアをパタンっと閉めた後、少し険しい顔で俺を見た。
「どうしたんですか?」
「いや、あんまりにもすんなり入るものだから。誘った俺が言うのもなんだが、見知らぬ男の部屋にこうも簡単に入るのは危険だぞ」
京助さんは自分で誘っておきながら、そう俺に忠告した。
「見知ってるから大丈夫ですよ。それに俺、男ですよ?」
「いや、顔見知りの方が危ない時もあるんだ。それに男だからって何かされない保証もないし」
「何かするんですか?」
俺がそう尋ねれば、京助さんは「いや、何もしないけど」と答えた。
「じゃあ、大丈夫じゃないですか」
「いや、そういう事じゃなくて。少しは警戒しろって話だ」
「だってケーキ食べさせてくれるって言うから」
「いや、そうだけど……最近の子ってのはこんなに無防備なのか?」
京助さんはぶつくさ言いながら、玄関から上がって廊下の先を歩いた。でも、俺は京助さんの言いたい事がわからなくて首を傾げるばかり。
……ケーキ食べるか? って聞いたから中に入ったのに。警戒しろって変なの。
俺はそう思いながら京助さんの後をついて歩き、リビングに入った。
すると、こちらも昨日とは違って綺麗に整頓されていた。床に落ちていたタオルは消え、隅には埃もなく。ローテーブルの上に散らかっていた本や資料はきちんと重ねられ、一角のスペースに置かれていた。
「どこでも好きなところに座ってくれ。飲み物は……コーヒーしかないんだが、それでもいいか? ミルクと砂糖が必要ならあるけど」
「あ、ミルクとお砂糖、必要です。俺、カフェオレは好きだけど、ブラックコーヒーは苦手で」
ちょっと子供っぽいかな、と思いつつも正直に答えると京助さんは「わかった」とだけ答えた。そして飲み物の用意をしてくれる音が響く。
でも俺は手持無沙汰で。だから、躊躇いつつもラグが敷かれている床の上に正座した。側には二人掛けのソファがあるけど、なんだか座りがたい。
……それにしても親戚や友達以外のお家にお邪魔するなんて、初めてでなんだか緊張してきた。
俺は今更ながらに借りてきた猫のように少し身を固くする。でもそんな俺に京助さんはカウンターキッチンから声をかけてきた。
「そんなに畏まらなくたっていいぞ。足、のばしていいからな」
京助さんに言われて、俺は正座を崩して足を伸ばしてみる。でも、まだちょっと緊張気味。なので、気を紛らわす為に目の前のローテーブルの上に置かれている本の山を見た。
……うーん、しかし本当に色んな本があるな。小説も紛れてるし。
そう思いつつ眺めていると、本と本の間に挟まれている一冊に気づく。
『津山警部シリーズ⑦、紅の別邸殺人事件 ―春野秋雪―』
そこには俺の好きな作家の推理小説が置いてあった。
……新しい本、発売されてたんだ! 今度本屋に行って買いに行かなきゃ。
俺はそう思うけど不意に発売日を思い出して、あれ? と思う。
……けど、発売日ってまだ先じゃなかったっけ? 勘違いしてた?
俺は不思議に思うけど、そこへコーヒーの香りと共に京助さんがトレーを持ってやって来た。
「おまちどう」
そう言って京助さんは俺の前に氷が入ったアイスカフェオレと、フォークと取り皿を置いてくれた。そしてケーキ屋さんの名前が入った白い箱を置き、封を開ける。
「好きなのを選んでいいぞ。全部夏生のだ」
そう言って見せてくれた中には、定番の苺のショートケーキ、オペラとモンブラン、スフレチーズケーキが入っていた。どれもおいしそうだ。
でも京助さんは聞き逃せない事を言った。
「全部、俺の?」
「ああ、余ったらそのまま持って帰っていい」
「京助さんは食べないんですか?」
「俺は甘いのはそこまで好きじゃなくな。それにこれはお礼だから。まあ、何が好きかわからなくて定番のケーキを色々と買ったんだが」
「……それにしてもこれは貰い過ぎな気がします」
俺はケーキを見つめながら呟く。でもそんな俺を見て、京助さんは笑った。
「なんか、夏生って真面目だな。こういう時は『ありがとうございます』だけでいいんだよ。いや、お礼を言うのは俺の方なんだがな」
「別に俺は真面目ってわけじゃ」
「俺から見れば、十分真面目だよ。それよりとりあえず選んで、後はまた冷蔵庫に入れておくから」
京助さんに急かされ、俺は苺のショートケーキをお皿に取る。やっぱりケーキと言えばショートケーキだ。艶々としている苺がおいしそう。
「一つでいいのか?」
問いかけられて俺は頷く。すると京助さんは箱に仕舞い、キッチンへ持って行った。その様子を目で追った後、俺はケーキに視線を戻した。
……ケーキなんて久しぶりに食べるなぁ。誕生日ぐらいにしか食べないし。
久しぶりに食べるケーキに俺はちょっとテンションが上がる。でも、そんな面持ちでいると京助さんは戻ってきてソファに座った。
「遠慮せずに、どうぞ」
京助さんに言われて、俺は手を合わせ「じゃあ、いただきます」とフォークを手に取った。そして、ショートケーキについているセロファンを剥がし、フォークで一口分カットして口に運ぶ。
そうすれば甘すぎない上品な生クリームとふわふわのスポンジ、そして甘酸っぱいイチゴが口の中で調和してとってもおいしい!
「おいしいか?」
温かいコーヒーなのか、マグカップを片手に京助さんは俺に尋ねた。でも俺ままだもぐもぐしている最中なので、無言でこくこくっと頷く。
そうすれば京助さんは「そうか」と和んだ笑みを見せた。そして京助さんはコーヒーをこくりと飲む。それを見て、俺も用意してくれたアイスカフェオレを一口飲んでみた。するとコーヒーは微かに、ミルクたっぷりの甘いカフェオレもおいしい。
……このカフェオレもおいしいなぁ。ケーキもあってカフェオレもおいしくて、なんだかちょっといい喫茶店みたいだ。
そう思いながら俺は二口目のショートケーキを口に運ぶ。けれどもぐもぐと食べていると、京助さんの物言いたげな視線を感じた。
……なんだろう? 何か、言いたげなフンイキ?
「ところで……あれから調子はどうだ?」
問いかける前に京助さんに尋ねられ、俺は首を傾げた。
……何の事だろう??
学校は休みで、俺は制服じゃなく私服の格好で昨日約束をした時間に京助さんの家の前にいた。
……そろそろ時間だけど、鳴らしていいかな?
そう思いつつ、昨日と同じように勇気を出してインターホンを鳴らす。すると、昨日とは違ってすぐに京助さんが出て来た。
「よ、昨日ぶりだな」
京助さんは昨日とは打って変わって、初めて会った時と同じように小ざっぱりとしていた。髪は整えられ、不精髭はなくなり、顔色は良くなっている。目の下のクマもないから、しっかりと眠れたんだろう。
「こんにちは、京助さん」
俺がぺこりと頭を下げて挨拶をすれば、京助さんはふっと笑った。
「ああ、こんにちは。今日はわざわざ来てくれて、ありがとうな。本当なら俺の方が家に伺って、持って行くべきだったんだが」
「あ、気にしないでください。取りに来たって言っても、二軒隣ですぐですから」
「だからだよ。……ところで、昼飯は食ったか?」
「え? 食べましたけど」
「じゃあ、この後何か予定は?」
「え、予定ですか? 特にありません」
一体何の質問だろう? と俺は内心首を傾げる。でもなぜ問いかけたのか、その理由はすぐに分かった。
「そうか。実は昨日の礼といってはなんだが、ケーキがあるんだ。食べていかないか?」
「え、ケーキですか?」
思わぬ申し出に俺は驚いてしまう。だって今日はただ昨日渡したお皿とトレーを回収しに来ただけだったから。だから、まさかケーキを用意してくれてるなんて夢にも思っていなかった。
「甘いものは嫌いだったか?」
「いえ、好きです!」
俺が馬鹿正直に言うと、京助さんはくすっと笑って玄関ドアを大きく開けた。
「じゃあ、中へどうぞ」
京助さんに促されて俺は素直に玄関の中に入る。でも京助さんはドアをパタンっと閉めた後、少し険しい顔で俺を見た。
「どうしたんですか?」
「いや、あんまりにもすんなり入るものだから。誘った俺が言うのもなんだが、見知らぬ男の部屋にこうも簡単に入るのは危険だぞ」
京助さんは自分で誘っておきながら、そう俺に忠告した。
「見知ってるから大丈夫ですよ。それに俺、男ですよ?」
「いや、顔見知りの方が危ない時もあるんだ。それに男だからって何かされない保証もないし」
「何かするんですか?」
俺がそう尋ねれば、京助さんは「いや、何もしないけど」と答えた。
「じゃあ、大丈夫じゃないですか」
「いや、そういう事じゃなくて。少しは警戒しろって話だ」
「だってケーキ食べさせてくれるって言うから」
「いや、そうだけど……最近の子ってのはこんなに無防備なのか?」
京助さんはぶつくさ言いながら、玄関から上がって廊下の先を歩いた。でも、俺は京助さんの言いたい事がわからなくて首を傾げるばかり。
……ケーキ食べるか? って聞いたから中に入ったのに。警戒しろって変なの。
俺はそう思いながら京助さんの後をついて歩き、リビングに入った。
すると、こちらも昨日とは違って綺麗に整頓されていた。床に落ちていたタオルは消え、隅には埃もなく。ローテーブルの上に散らかっていた本や資料はきちんと重ねられ、一角のスペースに置かれていた。
「どこでも好きなところに座ってくれ。飲み物は……コーヒーしかないんだが、それでもいいか? ミルクと砂糖が必要ならあるけど」
「あ、ミルクとお砂糖、必要です。俺、カフェオレは好きだけど、ブラックコーヒーは苦手で」
ちょっと子供っぽいかな、と思いつつも正直に答えると京助さんは「わかった」とだけ答えた。そして飲み物の用意をしてくれる音が響く。
でも俺は手持無沙汰で。だから、躊躇いつつもラグが敷かれている床の上に正座した。側には二人掛けのソファがあるけど、なんだか座りがたい。
……それにしても親戚や友達以外のお家にお邪魔するなんて、初めてでなんだか緊張してきた。
俺は今更ながらに借りてきた猫のように少し身を固くする。でもそんな俺に京助さんはカウンターキッチンから声をかけてきた。
「そんなに畏まらなくたっていいぞ。足、のばしていいからな」
京助さんに言われて、俺は正座を崩して足を伸ばしてみる。でも、まだちょっと緊張気味。なので、気を紛らわす為に目の前のローテーブルの上に置かれている本の山を見た。
……うーん、しかし本当に色んな本があるな。小説も紛れてるし。
そう思いつつ眺めていると、本と本の間に挟まれている一冊に気づく。
『津山警部シリーズ⑦、紅の別邸殺人事件 ―春野秋雪―』
そこには俺の好きな作家の推理小説が置いてあった。
……新しい本、発売されてたんだ! 今度本屋に行って買いに行かなきゃ。
俺はそう思うけど不意に発売日を思い出して、あれ? と思う。
……けど、発売日ってまだ先じゃなかったっけ? 勘違いしてた?
俺は不思議に思うけど、そこへコーヒーの香りと共に京助さんがトレーを持ってやって来た。
「おまちどう」
そう言って京助さんは俺の前に氷が入ったアイスカフェオレと、フォークと取り皿を置いてくれた。そしてケーキ屋さんの名前が入った白い箱を置き、封を開ける。
「好きなのを選んでいいぞ。全部夏生のだ」
そう言って見せてくれた中には、定番の苺のショートケーキ、オペラとモンブラン、スフレチーズケーキが入っていた。どれもおいしそうだ。
でも京助さんは聞き逃せない事を言った。
「全部、俺の?」
「ああ、余ったらそのまま持って帰っていい」
「京助さんは食べないんですか?」
「俺は甘いのはそこまで好きじゃなくな。それにこれはお礼だから。まあ、何が好きかわからなくて定番のケーキを色々と買ったんだが」
「……それにしてもこれは貰い過ぎな気がします」
俺はケーキを見つめながら呟く。でもそんな俺を見て、京助さんは笑った。
「なんか、夏生って真面目だな。こういう時は『ありがとうございます』だけでいいんだよ。いや、お礼を言うのは俺の方なんだがな」
「別に俺は真面目ってわけじゃ」
「俺から見れば、十分真面目だよ。それよりとりあえず選んで、後はまた冷蔵庫に入れておくから」
京助さんに急かされ、俺は苺のショートケーキをお皿に取る。やっぱりケーキと言えばショートケーキだ。艶々としている苺がおいしそう。
「一つでいいのか?」
問いかけられて俺は頷く。すると京助さんは箱に仕舞い、キッチンへ持って行った。その様子を目で追った後、俺はケーキに視線を戻した。
……ケーキなんて久しぶりに食べるなぁ。誕生日ぐらいにしか食べないし。
久しぶりに食べるケーキに俺はちょっとテンションが上がる。でも、そんな面持ちでいると京助さんは戻ってきてソファに座った。
「遠慮せずに、どうぞ」
京助さんに言われて、俺は手を合わせ「じゃあ、いただきます」とフォークを手に取った。そして、ショートケーキについているセロファンを剥がし、フォークで一口分カットして口に運ぶ。
そうすれば甘すぎない上品な生クリームとふわふわのスポンジ、そして甘酸っぱいイチゴが口の中で調和してとってもおいしい!
「おいしいか?」
温かいコーヒーなのか、マグカップを片手に京助さんは俺に尋ねた。でも俺ままだもぐもぐしている最中なので、無言でこくこくっと頷く。
そうすれば京助さんは「そうか」と和んだ笑みを見せた。そして京助さんはコーヒーをこくりと飲む。それを見て、俺も用意してくれたアイスカフェオレを一口飲んでみた。するとコーヒーは微かに、ミルクたっぷりの甘いカフェオレもおいしい。
……このカフェオレもおいしいなぁ。ケーキもあってカフェオレもおいしくて、なんだかちょっといい喫茶店みたいだ。
そう思いながら俺は二口目のショートケーキを口に運ぶ。けれどもぐもぐと食べていると、京助さんの物言いたげな視線を感じた。
……なんだろう? 何か、言いたげなフンイキ?
「ところで……あれから調子はどうだ?」
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