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5章 洗礼
62話 2、3歩後ろ
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鶴ケ崎組と明楼会の冷戦の蓋が切って落とされようとしているある日、鶴ケ崎組が遂に尻尾を出した。どうやら今夜、明楼会のシマの1つであるクラブで大規模な薬物取引が行われるらしい。
薬物というのは人を狂わし、それが一度蔓延すればその地域は破滅の一歩を辿るものである。鶴ケ崎組は粗悪品とも呼べる質の悪い薬物を明楼会の管轄下で取引し商売させることで、じわじわと内部から攪乱する算段であろう。
深夜0時。琳太郎含む幹部数人は例のクラブへと赴いた。そしてVIPルームの更に奥、限られた人物しか出入りすることのできない部屋へと突入すれば、そこにはやはり鶴ケ崎組の手先と思わしき人物と売人達が蔓延っていた。そこからはほぼ怪我人を出すことなくあっさりも身柄拘束と薬物回収が進み、事態は無事収束した。
その後、部下の調べによれば捉えた鶴ケ崎組の手先と思われた人物はどうやら末端の末端であった。若狭の油断なのだろうか。あまりにもお粗末な手口である。
しかし、今回の件にも奴が一枚嚙んでいたに違いない。実際、この件で大分明楼会は情報収集に随分手を焼いていた。あの姑息かつ丁寧なやり口は嫌でも奴の存在をちらつかせてくるのだった。
「でも、無事抑えられて良かったっすね~。」
「押収したヤクも、随分タチの悪い物っぽいですよ。今詳しく調べさせてますが。」
移動する車の中で遊馬と榊が話している。琳太郎は久々に落ち着いて晴柊に会えると心待ちにしているのか最早上の空だった。ここ最近は随分この件に入れ込んでいたおかげで、ゆっくり晴柊と過ごすことができないでいたのだった。
マンションにつくなり足早に晴柊の待つ部屋へと向かう琳太郎。日下部は後ろを付いていきながら、しばらくゆっくりしてもらおうとスケジュールの組み直しを検討していた。
「ただいま。」
「おかえり、琳太郎!なんか大変だったやつ、落ち着いたんだって?」
リビングでシルバと戯れながらテレビを見ていた晴柊が、琳太郎に気付き駆け寄った。天童がお疲れさまでしたと日下部と交代する。琳太郎の顔色がずっと悪かったので、晴柊は心配していたのだった。
「あ、ご飯は食べたのか?今日は生姜焼きにしたんだ、今温めて――」
「後で食べる。先にお前だ。」
琳太郎は晴柊をいつものようにひょいと抱き上げると、そのまま寝室へと連れ去っていた。シルバが晴柊に付いていくように足元をウロウロしていたが、日下部がすかさずキャッチする。
「お前はこっちだ。組長の久々の栄養補給だからな。」
日下部はシルバを抱き上げたまま、別室へと入っていったのだった。
琳太郎は晴柊を抱きしめたまま、充電が切れたようにベッドに寝転がった。こんなに時間がゆっくり感じるのもいつぶりだろうか。晴柊はここ数日顔色の悪い琳太郎のことを心配していたので、今日天童から無事大きな仕事が終わったと連絡があったときは心底ホッとしていた。
「無事で良かった。」
「…当たり前だ。俺はお前の傍からいなくならない。ここ最近はゆっくり話もできなかったな。何か変わったことは?困ったことは無かったか?」
「はは、俺は大丈夫だよ。シルバも、散歩デビューしたんだ。俺も早く連れていけるようになりたいな。」
晴柊は琳太郎を抱きしめ返しながら最近の話を始めた。こんなにゆっくりと話すことも久々な気がした。シルバは最近散歩デビューを果たしていたが、情勢から晴柊は外に出ず付き人達が代わりに言ってくれていた。大型犬で十分な散歩が必要なので、晴柊も早く付いていきたいなと思うのだった。
「ああ、そうだな。…明後日にでも、一緒に行こう。」
「明日じゃなくて?」
「明日は無理だ。これからお前のこと、足腰が立たなくなるまで抱くからな。」
琳太郎はそう言うと起き上がり晴柊の上に覆いかぶさるとゆっくりキスをした。ここ数日の疲労が一瞬で昇華され、晴柊への色欲へと変化していった。
♦
「ま、まじで…立てない…」
晴柊はうつ伏せになりベッドの上でぐったりとしていた。琳太郎はその横でタバコを吸っている。一度寝て昼過ぎに起きた晴柊は、琳太郎の宣言通り腰が痛み身体の倦怠感で起き上ることすらままならないでいた。対照的に、琳太郎は寧ろすっきりした様子である。昨晩は久しぶりによく眠れたようで、それは晴柊にとっても嬉しいことであった。
「大丈夫だ。今日明日は俺がずっと傍にいてやれるからな。手厚い看病受けられるぞ。」
琳太郎がちゅっちゅっと晴柊の後頭部にキスを落とす。手厚い看病以外の何かも受けそうだなと晴柊ははは、と苦笑いした。しかし、そんなに長く2人で過ごすことができるなんて、初めてのことだった。
「へへ。何か食べたいものあるか?何でも作ってやるぞ。」
「そうだな。お前の得意料理が食べたい。」
穏やかな時間が2人に流れる。その日一日、晴柊と琳太郎はまた少し大きくなったシルバと共に誰にも邪魔されないまま過ごしたのだった。
♦
次の日、無事体調が回復した晴柊は琳太郎と篠ケ谷と共にシルバの散歩に出かけた。外は見事に快晴だったが、季節は冬。琳太郎は晴柊にこれでもかというほど厚着させていた。まるで孫を可愛がりすぎる祖父さながらである。シルバのリードを手に取り、晴柊は散歩コースをゆっくりと歩いた。こうして外を歩くのも久しぶりだし、琳太郎となんて初めてである。
「リード離すんじゃねえぞ。」
「うん!あ、シルバ、走らないで。」
晴柊は幸せだった。恋人と、友人のように思っている人と、愛犬の散歩をしているのだ。まるでセレブにでもなった気分である。まさかこんな日常が自分に訪れるとは、数ヶ月前の自分は想像もしていなかっただろう。
マンション周辺から場所は近くの大きな公園へ移る。どうやらこれがシルバの散歩コースという決まりらしい。散歩道には枯れ葉が散っており、シルバがそれを時折嗅ぎながら晴柊と琳太郎の1歩先を歩いている。
小さな川や大きな木々が多い茂った、都会とは思えないほど自然溢れる公園であった。時折ジョギングする人とすれ違う。整備された歩道は、散歩コースには確かにピッタリである。
「最近はな、待てもお手も、伏せだってできるんだぞ!シルバは賢いんだ。」
「そうか。でも、遊馬とは仲が悪いんだって?」
「そうなんだよ。俺と琉生君が一緒に喋ってたら、琉生君にだけ唸る。」
「はは、きっと同族嫌悪だろうな。」
晴柊が楽しそうに琳太郎と喋っている。今の2人は誰が見ても幸せそうなカップルである。裏社会に通じているとはまるで思えないほどに。篠ケ谷は、それを羨ましいと思っていた。晴柊のことが?――いや、篠ケ谷が羨んでいるのは琳太郎の方である。琳太郎のその場所に、自分がいれたら。あの晴柊の眩しい程に綺麗で温かい眼差しを自分に向けてくれたら。
「シノちゃん?置いてっちゃうぞ!」
1歩後ろを歩き、気付くと歩みを止めていた篠ケ谷に気付いた晴柊が、太陽のような笑顔を篠ケ谷に向けた。今さっき琳太郎に向けていた、羨やましいと思っていたその視線が自分に向けられる。自分なんかに向けるには惜しいとさえ感じた。篠ケ谷は下を見て自分に自分で小さく笑った後、顔を上げ晴柊を見た。
「うるせえな。ちゃんと付いてってるから、前見て歩け。」
篠ケ谷は今までで一番自然な笑顔を晴柊に見せた。いつもと違う雰囲気に晴柊は首を傾げたが、先を急ごうとするシルバに手を引かれ前へとまた歩き始める。琳太郎は、その横で晴柊についていった。篠ケ谷は、2人の2歩、3歩後ろを歩きながら付いていった。これでいいのだ。俺の今の居場所はここである。あの間に入ることも横に立つこともない。けれど、自分が尊敬する琳太郎の隣にいることで一層光を放つ晴柊をこうして後ろから眺めるのが、今の自分の性に合っていると思うのだった。
薬物というのは人を狂わし、それが一度蔓延すればその地域は破滅の一歩を辿るものである。鶴ケ崎組は粗悪品とも呼べる質の悪い薬物を明楼会の管轄下で取引し商売させることで、じわじわと内部から攪乱する算段であろう。
深夜0時。琳太郎含む幹部数人は例のクラブへと赴いた。そしてVIPルームの更に奥、限られた人物しか出入りすることのできない部屋へと突入すれば、そこにはやはり鶴ケ崎組の手先と思わしき人物と売人達が蔓延っていた。そこからはほぼ怪我人を出すことなくあっさりも身柄拘束と薬物回収が進み、事態は無事収束した。
その後、部下の調べによれば捉えた鶴ケ崎組の手先と思われた人物はどうやら末端の末端であった。若狭の油断なのだろうか。あまりにもお粗末な手口である。
しかし、今回の件にも奴が一枚嚙んでいたに違いない。実際、この件で大分明楼会は情報収集に随分手を焼いていた。あの姑息かつ丁寧なやり口は嫌でも奴の存在をちらつかせてくるのだった。
「でも、無事抑えられて良かったっすね~。」
「押収したヤクも、随分タチの悪い物っぽいですよ。今詳しく調べさせてますが。」
移動する車の中で遊馬と榊が話している。琳太郎は久々に落ち着いて晴柊に会えると心待ちにしているのか最早上の空だった。ここ最近は随分この件に入れ込んでいたおかげで、ゆっくり晴柊と過ごすことができないでいたのだった。
マンションにつくなり足早に晴柊の待つ部屋へと向かう琳太郎。日下部は後ろを付いていきながら、しばらくゆっくりしてもらおうとスケジュールの組み直しを検討していた。
「ただいま。」
「おかえり、琳太郎!なんか大変だったやつ、落ち着いたんだって?」
リビングでシルバと戯れながらテレビを見ていた晴柊が、琳太郎に気付き駆け寄った。天童がお疲れさまでしたと日下部と交代する。琳太郎の顔色がずっと悪かったので、晴柊は心配していたのだった。
「あ、ご飯は食べたのか?今日は生姜焼きにしたんだ、今温めて――」
「後で食べる。先にお前だ。」
琳太郎は晴柊をいつものようにひょいと抱き上げると、そのまま寝室へと連れ去っていた。シルバが晴柊に付いていくように足元をウロウロしていたが、日下部がすかさずキャッチする。
「お前はこっちだ。組長の久々の栄養補給だからな。」
日下部はシルバを抱き上げたまま、別室へと入っていったのだった。
琳太郎は晴柊を抱きしめたまま、充電が切れたようにベッドに寝転がった。こんなに時間がゆっくり感じるのもいつぶりだろうか。晴柊はここ数日顔色の悪い琳太郎のことを心配していたので、今日天童から無事大きな仕事が終わったと連絡があったときは心底ホッとしていた。
「無事で良かった。」
「…当たり前だ。俺はお前の傍からいなくならない。ここ最近はゆっくり話もできなかったな。何か変わったことは?困ったことは無かったか?」
「はは、俺は大丈夫だよ。シルバも、散歩デビューしたんだ。俺も早く連れていけるようになりたいな。」
晴柊は琳太郎を抱きしめ返しながら最近の話を始めた。こんなにゆっくりと話すことも久々な気がした。シルバは最近散歩デビューを果たしていたが、情勢から晴柊は外に出ず付き人達が代わりに言ってくれていた。大型犬で十分な散歩が必要なので、晴柊も早く付いていきたいなと思うのだった。
「ああ、そうだな。…明後日にでも、一緒に行こう。」
「明日じゃなくて?」
「明日は無理だ。これからお前のこと、足腰が立たなくなるまで抱くからな。」
琳太郎はそう言うと起き上がり晴柊の上に覆いかぶさるとゆっくりキスをした。ここ数日の疲労が一瞬で昇華され、晴柊への色欲へと変化していった。
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「ま、まじで…立てない…」
晴柊はうつ伏せになりベッドの上でぐったりとしていた。琳太郎はその横でタバコを吸っている。一度寝て昼過ぎに起きた晴柊は、琳太郎の宣言通り腰が痛み身体の倦怠感で起き上ることすらままならないでいた。対照的に、琳太郎は寧ろすっきりした様子である。昨晩は久しぶりによく眠れたようで、それは晴柊にとっても嬉しいことであった。
「大丈夫だ。今日明日は俺がずっと傍にいてやれるからな。手厚い看病受けられるぞ。」
琳太郎がちゅっちゅっと晴柊の後頭部にキスを落とす。手厚い看病以外の何かも受けそうだなと晴柊ははは、と苦笑いした。しかし、そんなに長く2人で過ごすことができるなんて、初めてのことだった。
「へへ。何か食べたいものあるか?何でも作ってやるぞ。」
「そうだな。お前の得意料理が食べたい。」
穏やかな時間が2人に流れる。その日一日、晴柊と琳太郎はまた少し大きくなったシルバと共に誰にも邪魔されないまま過ごしたのだった。
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次の日、無事体調が回復した晴柊は琳太郎と篠ケ谷と共にシルバの散歩に出かけた。外は見事に快晴だったが、季節は冬。琳太郎は晴柊にこれでもかというほど厚着させていた。まるで孫を可愛がりすぎる祖父さながらである。シルバのリードを手に取り、晴柊は散歩コースをゆっくりと歩いた。こうして外を歩くのも久しぶりだし、琳太郎となんて初めてである。
「リード離すんじゃねえぞ。」
「うん!あ、シルバ、走らないで。」
晴柊は幸せだった。恋人と、友人のように思っている人と、愛犬の散歩をしているのだ。まるでセレブにでもなった気分である。まさかこんな日常が自分に訪れるとは、数ヶ月前の自分は想像もしていなかっただろう。
マンション周辺から場所は近くの大きな公園へ移る。どうやらこれがシルバの散歩コースという決まりらしい。散歩道には枯れ葉が散っており、シルバがそれを時折嗅ぎながら晴柊と琳太郎の1歩先を歩いている。
小さな川や大きな木々が多い茂った、都会とは思えないほど自然溢れる公園であった。時折ジョギングする人とすれ違う。整備された歩道は、散歩コースには確かにピッタリである。
「最近はな、待てもお手も、伏せだってできるんだぞ!シルバは賢いんだ。」
「そうか。でも、遊馬とは仲が悪いんだって?」
「そうなんだよ。俺と琉生君が一緒に喋ってたら、琉生君にだけ唸る。」
「はは、きっと同族嫌悪だろうな。」
晴柊が楽しそうに琳太郎と喋っている。今の2人は誰が見ても幸せそうなカップルである。裏社会に通じているとはまるで思えないほどに。篠ケ谷は、それを羨ましいと思っていた。晴柊のことが?――いや、篠ケ谷が羨んでいるのは琳太郎の方である。琳太郎のその場所に、自分がいれたら。あの晴柊の眩しい程に綺麗で温かい眼差しを自分に向けてくれたら。
「シノちゃん?置いてっちゃうぞ!」
1歩後ろを歩き、気付くと歩みを止めていた篠ケ谷に気付いた晴柊が、太陽のような笑顔を篠ケ谷に向けた。今さっき琳太郎に向けていた、羨やましいと思っていたその視線が自分に向けられる。自分なんかに向けるには惜しいとさえ感じた。篠ケ谷は下を見て自分に自分で小さく笑った後、顔を上げ晴柊を見た。
「うるせえな。ちゃんと付いてってるから、前見て歩け。」
篠ケ谷は今までで一番自然な笑顔を晴柊に見せた。いつもと違う雰囲気に晴柊は首を傾げたが、先を急ごうとするシルバに手を引かれ前へとまた歩き始める。琳太郎は、その横で晴柊についていった。篠ケ谷は、2人の2歩、3歩後ろを歩きながら付いていった。これでいいのだ。俺の今の居場所はここである。あの間に入ることも横に立つこともない。けれど、自分が尊敬する琳太郎の隣にいることで一層光を放つ晴柊をこうして後ろから眺めるのが、今の自分の性に合っていると思うのだった。
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