異世界転生~筋肉フェチの元女子高生がやらかす物話

アカヤシ

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19歳~ 令嬢体験編

第4話 ガリバー迷走する

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「くそ!何だよ!くそ!くそ!くそ!くそ!くそ!」

俺は騎士学校の男子寮の自分の部屋で謹慎させられている。先日女生徒を婦女暴行の主犯格という不名誉な罪を『擦り付け』られた挙げ句の無期限の謹慎だと!ふざけるな!俺を誰だと思っていやがる!
俺は謹慎中ではあるが、実家に帰り公爵家の私兵を使い俺にあらぬ罪を着せた忌々しいあの女を痛め付け俺に服従させて体で償わせてやろうと思っていたのだがその事を父にバレてしまった。

「で?お前は自宅謹慎じゃなく寮での謹慎って聞いたのに何で屋敷に帰ってきてやがる」

「ッ!ですから!公爵家の名誉の為にもあの女に思い知らせてやる必要があり公爵の兵士を、」

「はあ?何言ってやがる?お前のやらかした事のせいで俺が城でなんて言われたかわかってんのか?俺の顔に泥を塗りやがって息子じゃなけりゃ俺の手でくびり殺してやるところだよ!ミッドナイトの奴には謝らないとなあ~、こんな馬鹿を押し付ける所だったよ」

「父上!あれは!違うのです!私は、」

「ああん?何が違うんだ?女を無理矢理犯したり、同級生やらに己の地位を利用して陰湿な虐めをしたりしてたんだろ?かなりの数の請求書が届いてんだよ!今までの被害者の親達からな!」

「ッ!どうせ公爵家より下の位階の連中でしょ?黙らせてやればいいじゃないですか?」

「陛下に被害者に慰謝料を払えと言われたのだ!勿論言われずとも支払いはしたがな」

「陛下が!何故?」

「陛下、というより殿下達が『気にかけている令嬢』が絡んでいたという噂もあるが真意はわからん。とにかくお前は大人しく騎士学校の寮に帰って謹慎してろ!いいな!はあ~、ミッドナイトの長女との婚約破棄の話も進めないとな~」

父上との話の後、兄の二人にも散々文句を言われてしまった。

全部あの女のせいだ!あの女が仕組んだに違いない!俺を貶め、更にはテンカル公爵家を陥れようとしてるに違いない!くっ!奴の策略にまんまと引っ掛かってしまっている。父上も兄上達も気付いていないようだ。唯一気付く事が出来た優秀な俺が何とかするしかあるまい!

さっそく俺は仲間の中でも信頼できる四人を俺の部屋に集めた。

「お久しぶりですガリバー様!元気そうで何よりです!」

「挨拶はいい、あの女について何かわかったか?」

「レティ=ローゼンハートは最近ミッドナイト男爵家の長女のメアリー=ミッドナイトと組んで貴族宅を訪ねて『化粧品』の宣伝や販売を行っているようです」

「化粧品を?何の為にだ?何か意味があるのか?」

「意味があるかは知りませんが相当の稼ぎのようです。今や化粧品はローゼンハート商会の独壇場ですね。他の追随を許さないほどに。偽物が一時出回るほどですけど中身どころか化粧品が入った瓶の精巧さですぐにバレてしまうほど。美しくあまりの精巧さに瓶その物をコレクションとして集めている貴族もいるそうで液が入ってない空の瓶すら高い値段が付いてましたよ」

メアリー、あの女!俺の婚約者でありながら俺の疑いを晴らそうともせず敵と一緒に行動しているだと!いや、まさかメアリーが黒幕か?公爵家を手に入れる為の策か?くくく、なるほどだから俺に体を許さなかったのか!

だんだん迷走していくガリバー。

ン?ローゼンハート商会?

「あ、はい。レティ=ローゼンハートは調べたんですけどどうやら平民のようです。ローゼンハートなんて貴族はエルドラド王国内にはいませんでした」

はあ?侯爵の婚約者が平民!!馬鹿か!何故今まで気づかなかった!

「いや、そもそもあの女はペルディーダの奴の婚約者ではないですよ。あくまであの二人が勝手に将来を誓いあったと言っただけですよね?つまりは子供の口約束程度のものです。貴族間でもペルディーダ侯爵周辺の人間に聞き込みましたが、そんな話は聞いたことがないそうです。ローゼンハートが初めて会ったあのパーティーの招待状だって彼女同伴としか書いてなくて位階の制限を書いてなかったから連れてきたんじゃないかな?」

そういえば招待状に書かせた覚えがないな・・・だからといって公爵家のパーティーに平民なんかを連れて来るかふつう!

「あとローゼンハート商会の化粧品は高位鑑定師にも見てもらったんだが作り方どころか何を材料にしてるのかさえわからないんだ・・・この化粧品を製作したのは少なくとも格(ランク)6以上の生産者だって言ってた」

格(ランク)6以上だと!チッ!となると国のお抱えの生産者か?そんな高位頃の生産者がいるなんて聞いたことがない。

「・・・いや、別の可能性が出てきたよ。もしかしたら他国の人間かも」

「何だと!」

「あのレティ=ローゼンハート・・・気付いた?」

気付いた?何にだ?

「耳だよ耳!尖った耳!」

あっ、そういえば尖っていたような気がする。それが何だというんだ?

「いやいやいやいや、いるでしょ!有名でしょ!エルフですよ!」

は?エルフ?いやエルフの肌は色白だと聞いたことがあるぞ?あいつらは高い樹木に囲まれた森を好んで住むと聞いた気がする。

「エルフは植物に詳しく魔法適正も人間より高く、高位調合師が多くいるらしい。つまり、」

・・・ッ!わかった!わかったぞ!なんという事だ!今すぐ動かなくては!父上は衰え、兄上二人はこの非常事態に気付かぬ間抜け!なら、俺が動くしかあるまい!

「行くぞ!サット、テナン、マージン、ロッソ!」

「へ?行くってどこに!」

「メアリーとレティはどこにいる!俺の手で斬り汚名を晴らしてやる!」

「二人は今日は騎士学校には来てないし居場所はわからないよ!」

「チッ!ならアルマーニ、アルマーニだ!アイツはどこにいる!」

「え?アイツなら鍛練場で自主鍛練をしてたはずだけど、まさか!」

「人数を集めろ!なんとしてでもだ!公爵家の名前を使っても構わん無理矢理にでも連れてこい!」

そういうとガリバーは寮の部屋から出て鍛練場に向かう。

「邪魔だどけ!」

途中、寮の廊下で大量の本を抱えた生徒を突き飛ばしたり、脅迫して無理矢理引き入れ従えていく。

「ああ、本が痛んじゃうよ!あれは、確かテンカル公爵家の?アイツ謹慎中じゃなかったっけ?おっと早く本を拾って、あれ?こんな本借りたっけ?」

ガリバーに突き飛ばされた男子生徒は学校の図書館で有名な騎士の自伝や戦術書を借りたはずが見覚えがない本が混じっていた。

「題名は、『⬛⬛少年と長耳少女⬛⬛⬛⬛物語』?薄れて読めないや」

男子生徒はめくって読んでみた。

昔むかし、好奇心旺盛な少年がいました。ある日少年は従魔のフェンリル(毛色が白色のペットの犬)をつれ、近くの森にパンと水袋と聖剣(棒切れ)を持って冒険(散歩)に行きました。

ー文字が薄れて読めないページを飛ばすー

森を探索していると女の子の悲鳴が聞こえたので少年は声がする方へ走っていくとそこに武装した鬼(ゴブリン)に襲われている少女を見つけ、少年は聖剣を振るい(棒切れを勢いよく振り回し)、フェンリルとともに倒しました(少年の勢いに驚いて逃げて行った)。

ー文字が薄れて読めないページを飛ばすー

少年は気を失っていたのか目を覚ますと膝枕をされ涙を流しながら謝っている少女が見えた。

『怪我はない?』

少年は自身より少女の身を案じて問いかけました。自身のお腹に鬼の武器(ナイフ)が刺さっているのにも関わらず。

ー文字が薄れて読めないページを飛ばすー

少女が奇跡を起こし、少年のお腹の傷が治ったのです。しかし従魔のフェンリルは命の灯火が消えていたため奇跡を用いても生き返らせることは出来ませんでした。

少年は従魔のお墓を作って上げました。

ー文字が薄れて読めないページを飛ばすー

少し離れた場所から少女の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。どうやら迷子になった少女を探して少女の両親がやって来たようだ

『じゃあ、僕も行くね』

少年も自分の親が心配しているだろうと思い帰ろうとするが少女が少年の服を掴み離そうとしない。

『また会える?』

少女の問いかけに少年は、

『うん、またお話ししよう!』

少年の言葉を聞いてやっと服を離した。そして少女はポケットから小瓶を取り出し少年に渡した。

『この瓶キラキラしていて綺麗でしょ、宝物なのだからあげる』

少年も何かをあげようとポケットを探るが持って来たのはパンと水袋と聖剣(木の棒切れ)だけ。そしてその全てを失っているため渡せるものがない。少年は辺りを見渡すと見たことがない青いお花が咲いていたのでその花を摘み少女に渡した。

『今はこれしかないけど、今度会うときはこの綺麗な瓶に負けないくらいの物をプレゼントするよ』

こうして二人はそれぞれの場所に帰っていきました。

ー文字が薄れて読めないページを飛ばすー

あれから10年の月日がたった。

少年は立派に成長して騎士となりました。
忙しい日々を送りながらも毎年、また会おうと約束した場所に通っていました。懐に少女へのプレゼントを用意して。

そこに鬼(ゴブリン)が現れました。その鬼(ゴブリン)だけなら成長した少年であれば問題なかったがその鬼達は大鬼(オーガ)に率いられた集団でした。

大鬼(オーガ)はとても強く少年は歯が立ちませんでした。しかし何度倒されても立ち上がり大鬼(オーガ)に挑み続ける少年。

ーページが最後まで抜けているため終わりー

「はあああああ!破れてる!何でこんなゴソッと持ってかれてんだよ!」

少し読むだけと思っていたら、いつの間にか最後(ページ完)まで読んでしまったが、ここまできてのまさかの結末が分からずで終わってしまった。
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その頃レティことテティ=ペルディーダは、メアリー=ミッドナイトともう一人少女と三人で馬車の中でおしゃべりをしていた。

「もうすぐ『愛しの騎士様』に会えますね?」

「ううん、けど急いだ方がいいかもしれないわよ。やっぱり瞬間移動しちゃう?あら、そう?いいけど私の上腕二頭筋が『やな予感がするよ!』って教えてくれてるわよ?」

「まだ心の準備が出来ていないのです。あのお方に会った途端気絶なんてみっともない姿を見せたくないのです!」
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