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ダンジョン攻略
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四階層へと続く坂を下っていくとマルズ指揮官を捕食したデビルトロールが青ざめた顔で直立不動していた。
目の前にいる俺くらいの背丈の魔獣に怯えているようだ。
そこからは一瞬の出来事だった。あれだけ強かったデビルトロールが俺くらいの背丈の魔獣に軽く撫でられただけで葬られた。
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【サーベルオーク】 魔獣等級:SSS 種族値:測定不能 個体値:2
――最強種族の遺伝子を引き継ぐオーク。筋骨隆々で漆黒のボディ、フルフェイスヘルメットみたいな頭部に紅い縦縞が入ってるのが特徴的。
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俺は生まれて初めて圧倒的強者と対峙して武者震いをした。その時、サーベルオークは俺達の方を一瞥した。
戦慄が走り死を覚悟したが、どうやら俺達の存在には気づかなかったみたいで、その場から瞬間移動して消え去った。
「あの魔獣は次元が違う。正直、終わったと思ったよ」
「私もそう思ったけどレオ君のスキルのおかげで助かった、ありがとう」
四階層に降りると大きな一本道となっており、強そうな魔獣が行く先に何体も見えたがサーベルオークを見た後だと全く恐れは感じない。
だが残りMPを考えるとボス戦まで戦闘は避けておきたい。俺達は〈学級閉鎖〉の効果で全く気づかれないで通り抜けることに成功した。
とうとう最奥へと辿り着くと大きな門があった。この先にA等級ダンジョンを支配する魔獣が待ち構えているはずだ。
俺とソラが門に近づくと自動で開きだした。
門が開かれると無数の鍾乳石が天井から垂れていた。その狭間に一体の魔獣が逆さまの状態でぶら下がっていた。
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グレンバーン 等級:A 種族値:250 個体値:90
HP:800/800 MP:940/940
――コウモリの魔獣。ドラゴンのような顔つきで濃紺の鱗と翼が特徴的。
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俺が〈学級閉鎖〉を発動したまま近づくと、魔獣は大きな翼を広げて飛び立ち猛スピードで突進してきた。
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土魔法・砂塵壁 消費MP:20 残MP:475/725
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砂の壁がなんとか魔獣の突進を食い止めた。だが、どうして〈学級閉鎖〉を発動しているのに俺たちに気づけたのか。
この魔獣はコウモリ……そうか!
「ソラ、たぶん敵は超音波の反響で俺たちの位置を探っている。俺のスキルは存在感を消すことができるけど実体を消すことはできない。だからこの魔獣には無効みたいだ」
魔獣は口から青色のドロドロとした液体を放ってきた。俺とソラはそれを回避すると魔法を発動した。
「ソラ、粉雪を頼む」
「わかった!」
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水魔法・粉雪 消費MP:10 残MP:120/140
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土魔法・砂塵暴風 消費MP:20 残MP:455/725
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ソラが粉雪を放ち、その直後に俺が砂塵暴風を発動させた。
粉雪の回避により反応が遅れたグレンバーンを砂塵暴風が直撃して大ダメージを与えた。
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グレンバーン HP:410/800 MP:850/940
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グレンバーンは怒りに打ち震えると全身に黒い水玉模様が浮き出た。
その時、俺の〈白昼正夢〉のスキルが自動で発動した。
----------------------------------- 〈白昼正夢〉 消費MP:180 残MP:275/725
効果:数秒後に現実としておこる悪夢を疑似体験できる。
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俺の中だけの淡い世界で時が流れた。三秒後に敵の口から放たれた回避不能な紅い光線にソラが撃ち抜かれて絶命していた。
意識が現実世界に戻ると俺はすぐさま対抗策を打った。
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土魔法・二重砂塵壁 消費MP:20×2 残MP:235/725
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ソラの眼前に砂塵壁を二つ設置して防御態勢に入った。するとグレンバーンは予知通り紅い光線をソラめがけて放ってきた。砂塵壁が一つ破壊されたが二つ目で食い止めた。
大技の反動だろうか、グレンバーンは地上で翼を休めて動きを止めている。ここは一気に畳み掛けるチャンスだから上級魔法を発動しよう。
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土魔法・砂漠津波 消費MP:75 残MP:160/725
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砂の津波が猛スピードで魔獣に直撃すると呻き声をあげて地面に倒れ込んだ。
グレンバーンが静かに消え去ると紺色の魔石だけが残された。俺がそれを拾うとダンジョンが崩壊していった。
数秒するとダンジョンが消滅して洞窟前の草原へと戻ったが、すぐに周囲を5人の軍服を着た人達に囲まれた。
皆一様に俺とソラを不思議そうな眼差しで見つめていた。
すると、軍隊長らしき男が俺達に話しかけてきた。
「ま、まさか君たち二人で構造変化したダンジョンを攻略したのかい?」
「そうですが、あなた方はどなたですか?」
俺は質問を返した。
「私たちは国王軍の者だ。マルズからの緊急援軍要請を受けてここへ来た」
「あの、マルズさんはもう……」
ソラが言いにくそうに答えた。
「そうか、しかし冒険者二人で攻略したとは信じられないよ。構造変化したダンジョンには桁外れに強い魔獣が出現するはずなんだが」
「あの、僕達は運が良かったみたいで強い魔獣に遭遇しなかったんです」
「その幸運を含めて実力だよ。是非、君たち二人を国王軍にスカウトしたい」
「ありがたいお話ですが――」
俺が遠回しに断ろうとすると話を遮られた。
「そうだよな、せめて名を聞かせてくれないか?」
「僕はレオです」
「私はソラです」
「覚えておく、君達とはまた会うことになるだろう」
そう言うと国王軍の人達は走り去っていった。
俺はソラに今の思いを単刀直入に伝えることにした。
「ソラ、できれば仲間になってくれないか?一緒に世界中を旅しよう」
「私でよければよろこんで!レオ、これからもよろしくね」
俺はA等級ダンジョンを攻略してソラを仲間にすることに成功した!
目の前にいる俺くらいの背丈の魔獣に怯えているようだ。
そこからは一瞬の出来事だった。あれだけ強かったデビルトロールが俺くらいの背丈の魔獣に軽く撫でられただけで葬られた。
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【サーベルオーク】 魔獣等級:SSS 種族値:測定不能 個体値:2
――最強種族の遺伝子を引き継ぐオーク。筋骨隆々で漆黒のボディ、フルフェイスヘルメットみたいな頭部に紅い縦縞が入ってるのが特徴的。
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俺は生まれて初めて圧倒的強者と対峙して武者震いをした。その時、サーベルオークは俺達の方を一瞥した。
戦慄が走り死を覚悟したが、どうやら俺達の存在には気づかなかったみたいで、その場から瞬間移動して消え去った。
「あの魔獣は次元が違う。正直、終わったと思ったよ」
「私もそう思ったけどレオ君のスキルのおかげで助かった、ありがとう」
四階層に降りると大きな一本道となっており、強そうな魔獣が行く先に何体も見えたがサーベルオークを見た後だと全く恐れは感じない。
だが残りMPを考えるとボス戦まで戦闘は避けておきたい。俺達は〈学級閉鎖〉の効果で全く気づかれないで通り抜けることに成功した。
とうとう最奥へと辿り着くと大きな門があった。この先にA等級ダンジョンを支配する魔獣が待ち構えているはずだ。
俺とソラが門に近づくと自動で開きだした。
門が開かれると無数の鍾乳石が天井から垂れていた。その狭間に一体の魔獣が逆さまの状態でぶら下がっていた。
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グレンバーン 等級:A 種族値:250 個体値:90
HP:800/800 MP:940/940
――コウモリの魔獣。ドラゴンのような顔つきで濃紺の鱗と翼が特徴的。
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俺が〈学級閉鎖〉を発動したまま近づくと、魔獣は大きな翼を広げて飛び立ち猛スピードで突進してきた。
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土魔法・砂塵壁 消費MP:20 残MP:475/725
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砂の壁がなんとか魔獣の突進を食い止めた。だが、どうして〈学級閉鎖〉を発動しているのに俺たちに気づけたのか。
この魔獣はコウモリ……そうか!
「ソラ、たぶん敵は超音波の反響で俺たちの位置を探っている。俺のスキルは存在感を消すことができるけど実体を消すことはできない。だからこの魔獣には無効みたいだ」
魔獣は口から青色のドロドロとした液体を放ってきた。俺とソラはそれを回避すると魔法を発動した。
「ソラ、粉雪を頼む」
「わかった!」
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水魔法・粉雪 消費MP:10 残MP:120/140
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土魔法・砂塵暴風 消費MP:20 残MP:455/725
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ソラが粉雪を放ち、その直後に俺が砂塵暴風を発動させた。
粉雪の回避により反応が遅れたグレンバーンを砂塵暴風が直撃して大ダメージを与えた。
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グレンバーン HP:410/800 MP:850/940
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グレンバーンは怒りに打ち震えると全身に黒い水玉模様が浮き出た。
その時、俺の〈白昼正夢〉のスキルが自動で発動した。
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効果:数秒後に現実としておこる悪夢を疑似体験できる。
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俺の中だけの淡い世界で時が流れた。三秒後に敵の口から放たれた回避不能な紅い光線にソラが撃ち抜かれて絶命していた。
意識が現実世界に戻ると俺はすぐさま対抗策を打った。
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土魔法・二重砂塵壁 消費MP:20×2 残MP:235/725
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ソラの眼前に砂塵壁を二つ設置して防御態勢に入った。するとグレンバーンは予知通り紅い光線をソラめがけて放ってきた。砂塵壁が一つ破壊されたが二つ目で食い止めた。
大技の反動だろうか、グレンバーンは地上で翼を休めて動きを止めている。ここは一気に畳み掛けるチャンスだから上級魔法を発動しよう。
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土魔法・砂漠津波 消費MP:75 残MP:160/725
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砂の津波が猛スピードで魔獣に直撃すると呻き声をあげて地面に倒れ込んだ。
グレンバーンが静かに消え去ると紺色の魔石だけが残された。俺がそれを拾うとダンジョンが崩壊していった。
数秒するとダンジョンが消滅して洞窟前の草原へと戻ったが、すぐに周囲を5人の軍服を着た人達に囲まれた。
皆一様に俺とソラを不思議そうな眼差しで見つめていた。
すると、軍隊長らしき男が俺達に話しかけてきた。
「ま、まさか君たち二人で構造変化したダンジョンを攻略したのかい?」
「そうですが、あなた方はどなたですか?」
俺は質問を返した。
「私たちは国王軍の者だ。マルズからの緊急援軍要請を受けてここへ来た」
「あの、マルズさんはもう……」
ソラが言いにくそうに答えた。
「そうか、しかし冒険者二人で攻略したとは信じられないよ。構造変化したダンジョンには桁外れに強い魔獣が出現するはずなんだが」
「あの、僕達は運が良かったみたいで強い魔獣に遭遇しなかったんです」
「その幸運を含めて実力だよ。是非、君たち二人を国王軍にスカウトしたい」
「ありがたいお話ですが――」
俺が遠回しに断ろうとすると話を遮られた。
「そうだよな、せめて名を聞かせてくれないか?」
「僕はレオです」
「私はソラです」
「覚えておく、君達とはまた会うことになるだろう」
そう言うと国王軍の人達は走り去っていった。
俺はソラに今の思いを単刀直入に伝えることにした。
「ソラ、できれば仲間になってくれないか?一緒に世界中を旅しよう」
「私でよければよろこんで!レオ、これからもよろしくね」
俺はA等級ダンジョンを攻略してソラを仲間にすることに成功した!
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