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☆Greed in the mirror☆~物語はここから始まる~
第10話
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そしてあっという間に放課後。
授業何したっけ?
ほぼ覚えてない。
学校来て考えてたことといったら――。
ハッとする。
俺……ずっと藤條のことばっか考えてたっ?
自分で気が付いて思わず唖然としてしまった。
いや、藤條がおかしいからだ。
変なことするし……。キスとか。付き合ってるとか……笑うし。
鞄に教科書やらノートを入れていた俺ははたと手を止めて固まった。
脳裏に浮かぶのは藤條の笑った顔。
今まで見たことのない優しい顔。
そう、藤條は他の人には相変わらず冷たいし酷いことも言うくせに、俺にだけは優しいんだ。
変なことするけどさ……。
なんだかまた変な気持ちが襲ってくる。
「優希、帰ろう」
俺が固まっていると、斜め前から藤條の声が聞こえた。
「へ?」
いや、帰るって……。
顔を上げて俺はそのまま固まった。
そして考えた。
いや、帰るのはうちだ。
きっと途中まで一緒に帰ろうとかそんなことだよな? なっ?
俺は誰に話すわけでもなく、自問自答をしていた。
「帰ろう」
俺の目の前に来た藤條はもう一度俺を見下ろしながら話す。
イヤだって言ったってどうせ付いてくるんだよな。
そう思った俺は手に持っていたノートを鞄にしまって、鞄を閉じる。
ちらりと藤條を見上げると、そのまま教室のドアへと歩き出した。
藤條も俺を見て微笑すると、後ろからついてきた。
「おっ? 優希ちゃんお帰り~? また明日ねー」
声が聞こえて振り返ると、足立がニヤつきながら手を振ってきた。
「おー。また明日」
俺も手を振り返す。後ろにいた藤條は不機嫌に足立を睨み付けてたけど。
相変わらず廊下でも階段でも下駄箱でも……そして校舎を出て校門に向かう時もいろんな人の視線を感じた。
うーん……俺達ってもしかして全校生徒に知られてるとか?
えっ!? ホモだってっ!?
「……最悪……」
辿りついた考えに俺は思わず呟いていた。
「優希、どうかしたのか?」
いつの間にか隣を歩いていた藤條が心配そうに顔を覗き込んできた。
だから近いっつーのっ!
俺は嫌な顔で藤條を睨むと、そのまま前を向いて歩く。
もう、気にしない。相手にしない。さっさと帰ろう。
大股で校門へと向かう。
☆☆☆
校門を出て、少し行った所に見覚えのある車が止まっていた。
藤條の家の車だ。
歩道に橘さんが立っているのが見える。
俺の態度を気にすることなく隣を歩いていた藤條はぐいっと俺の手を掴んだ。
「ちょっ!」
離そうとブンブンと腕を振るが、やはりまったく外れない。
「お帰りなさいませ。海斗様、優希様」
ずっと抵抗してブンブンと腕を振っていた俺は、橘さんの言葉にポカンとしてまた固まった。
「ご苦労様、橘。さ、優希」
開けられた後ろのドアの中に俺を押し込む藤條。
固まっていた俺はあっさり乗せられてしまった。
あーっ! しまったぁ!
後悔先に立たず。
車は発進してしまった。
あー……俺って俺って……。
情けなくって涙が出そうだ。
ん? 待てよ。もしかしたら家に送ってくれるだけかも?
ほんのちょっぴり期待もする。
しかし、車の外の流れる景色を見ながら、明らかに藤條家へ向かっている道順に俺の期待はすぐに崩れ落ちていった。
まさか本当に一緒に暮らしているのか?
今朝感じた違和感。
綺麗に畳まれていた制服。脱ぎっぱなしのようなパジャマ。
当たり前のように挨拶をした橘さん。俺の飲み物の好みまで知っていた。
そして、いつも一緒にいるのが当然とばかりに言っていた加納の言葉。
全てが繋がる。
俺は藤條家で暮らしているのか?
再び頭の中がパニックになっていた。
授業何したっけ?
ほぼ覚えてない。
学校来て考えてたことといったら――。
ハッとする。
俺……ずっと藤條のことばっか考えてたっ?
自分で気が付いて思わず唖然としてしまった。
いや、藤條がおかしいからだ。
変なことするし……。キスとか。付き合ってるとか……笑うし。
鞄に教科書やらノートを入れていた俺ははたと手を止めて固まった。
脳裏に浮かぶのは藤條の笑った顔。
今まで見たことのない優しい顔。
そう、藤條は他の人には相変わらず冷たいし酷いことも言うくせに、俺にだけは優しいんだ。
変なことするけどさ……。
なんだかまた変な気持ちが襲ってくる。
「優希、帰ろう」
俺が固まっていると、斜め前から藤條の声が聞こえた。
「へ?」
いや、帰るって……。
顔を上げて俺はそのまま固まった。
そして考えた。
いや、帰るのはうちだ。
きっと途中まで一緒に帰ろうとかそんなことだよな? なっ?
俺は誰に話すわけでもなく、自問自答をしていた。
「帰ろう」
俺の目の前に来た藤條はもう一度俺を見下ろしながら話す。
イヤだって言ったってどうせ付いてくるんだよな。
そう思った俺は手に持っていたノートを鞄にしまって、鞄を閉じる。
ちらりと藤條を見上げると、そのまま教室のドアへと歩き出した。
藤條も俺を見て微笑すると、後ろからついてきた。
「おっ? 優希ちゃんお帰り~? また明日ねー」
声が聞こえて振り返ると、足立がニヤつきながら手を振ってきた。
「おー。また明日」
俺も手を振り返す。後ろにいた藤條は不機嫌に足立を睨み付けてたけど。
相変わらず廊下でも階段でも下駄箱でも……そして校舎を出て校門に向かう時もいろんな人の視線を感じた。
うーん……俺達ってもしかして全校生徒に知られてるとか?
えっ!? ホモだってっ!?
「……最悪……」
辿りついた考えに俺は思わず呟いていた。
「優希、どうかしたのか?」
いつの間にか隣を歩いていた藤條が心配そうに顔を覗き込んできた。
だから近いっつーのっ!
俺は嫌な顔で藤條を睨むと、そのまま前を向いて歩く。
もう、気にしない。相手にしない。さっさと帰ろう。
大股で校門へと向かう。
☆☆☆
校門を出て、少し行った所に見覚えのある車が止まっていた。
藤條の家の車だ。
歩道に橘さんが立っているのが見える。
俺の態度を気にすることなく隣を歩いていた藤條はぐいっと俺の手を掴んだ。
「ちょっ!」
離そうとブンブンと腕を振るが、やはりまったく外れない。
「お帰りなさいませ。海斗様、優希様」
ずっと抵抗してブンブンと腕を振っていた俺は、橘さんの言葉にポカンとしてまた固まった。
「ご苦労様、橘。さ、優希」
開けられた後ろのドアの中に俺を押し込む藤條。
固まっていた俺はあっさり乗せられてしまった。
あーっ! しまったぁ!
後悔先に立たず。
車は発進してしまった。
あー……俺って俺って……。
情けなくって涙が出そうだ。
ん? 待てよ。もしかしたら家に送ってくれるだけかも?
ほんのちょっぴり期待もする。
しかし、車の外の流れる景色を見ながら、明らかに藤條家へ向かっている道順に俺の期待はすぐに崩れ落ちていった。
まさか本当に一緒に暮らしているのか?
今朝感じた違和感。
綺麗に畳まれていた制服。脱ぎっぱなしのようなパジャマ。
当たり前のように挨拶をした橘さん。俺の飲み物の好みまで知っていた。
そして、いつも一緒にいるのが当然とばかりに言っていた加納の言葉。
全てが繋がる。
俺は藤條家で暮らしているのか?
再び頭の中がパニックになっていた。
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