44 / 166
第1章
伯爵、理由をお伺いしても?
しおりを挟む………………お父様……
なんで?
どうしてなの?
こんなに魅力的な提案はきっとないのに、どうして?
あんな馬鹿な婚約者を婚約者にしといて、、どうして??
実は私ってお父様に嫌われているのかしら………
「ナシェルカ伯爵、なぜでしょうか。理由をお伺いしても?」
「サリーは先日婚約破棄されております。それは私が結んでしまったが為の婚約でした。娘にはなんの落ち度もないのに娘に『婚約破棄された娘』のレッテルを貼ってしまった。だから私は娘に、もうそういう婚約を望みたくないのです…」
フレッド様の問いかけに苦しそうな顔をしながらそのように答える父。
お父様…………
ほんとに空気が読めない!!!
その気遣いは今ではないでしょう!!!
あれ?でも、私が婚約破棄された事フレッド様はご存知なのかしら?
「んんっ!!!殿下、失礼いたします。私から一つよろしいでしょうか」
私がふとそんなことを思っていると、母が声を上げ、「サリーは先日婚約破棄されております。それはご存じですか?」と私の心を呼んだかのような質問をしてくれる。それに対しフレッド様は「はい。存じておりますが、サリー嬢に非はないと考えております」と応えてくれる。
やはりデイヴから聞いてますわよね。
「そうですか。なら安心いたしました。サリー、あなたはこのお話どう考えているの?」
フレッド様の答えを確認した母が私に意見を求めてくれる。
そうですね。私がここでしっかりと意思表示しなければ。
「私も先ほどこのお話を伺いました。身に余る光栄であり、ぜひ前向きに進めて頂ければいいのではないかと思っております。」
私がしっかりとお母様の目を見てそのように返せばにっこりと微笑んでくれる。
とても可愛らしい容姿の母だけど実はしっかりもの。
だから外での契約関係を結んでくるのは父だけど、家に帰ってきてその内容を母もきちんと確認していることを知っている。
だからこうして母が一緒にいてくれていることがとても心強い。
「え?サリー?別に無理に受ける必要はないんだよ。陞爵だって今までのようにどうにか逃げられるかもしれないし、サリーの身を犠牲にしたいなんて思っていないよ?」
お父様がおろおろとしながらそうおっしゃいるが、そうじゃない!
身を犠牲にしたのはロディ様との婚約であってこれではない!
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
2,608
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる