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第2章
王族の身分剥奪
しおりを挟むそして何事もなく3日が過ぎ、また放送魔法によってライアン陛下の声がイヴァンカ国に響き渡る。
「イヴァンカ国の民よ、我はカリシャール国の国王のライアン・ナルニエである。
先日の放送から今日で3日。約束の日は明日であったが、各領主のとりまとめや、地域でのとりまとめを確認したところ、国民の過半数を大きく越えた結果となったため、期日を待たずしてここに結果を報告する。
結果、戦争は行わず、イヴァンカ国は今日、この時を持ってカリシャール国の属国とすることとする!
これはすでに国際会議でも正式に承認された。
それに伴い、現王族は全員身分を剥奪。王であったタリジャンに関してはもちろん、第3王子のグラード、そして第4王女に関してはこれまでの行いを重く見て、3か月間の下働きの後、斬首刑とする。
また第4王子のジャガルタに関しては、自分の武功を立てるが為に他国に攻め入り、挙句情勢が悪いと知るや、兵士を残して自分だけ我先にと逃げ出していた。そのような事を許可し、容認していた王とともに、第4王子も3か月間の下働きの後、斬首刑とする」
その声が国中に響くと同時に、王都の中央広場を中心に各地で歓声が上がったそうだ。
中央広場の歓声は王宮にまで響いてきた。多くの民がそれを望んだ。そして行動した。そうしてもぎ取った結果。
その日、イヴァンカ国の王族は正式に捕らえられ、斬首刑と決められた者以外はとりあえず妃の生家へ戻された。
その上で、王族と共に汚い金を享受していた貴族は爵位を返上し、当主は王族とともに斬首刑に、他の家族は平民に落とされることが決まった。
王族には全員斬首刑をと求める声も少なくなかった。それはどうしても血筋を重んじてきたこの国において、王族の血筋が残っていれば、いつか反逆を企てる者が現われるのではないかという懸念からだ。本人がそのような企みを起さずとも、まわりの者が担ぎ上げる可能性もあるのだ。
その可能性が残っていても、目に余る行動をしていたもの以外の斬首刑は行わないと決定した。
それは命とは無駄に奪っていい物ではないという事に重きを置いたからだ。
また、反逆が起こるという事は、少なからず民の不満があるということ。そうならない為に、そのような危険性があると忘れることなく、奢らずに民の為の政治を行う為にも、生かすことにしたのだ。
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