えと…婚約破棄?承りました。妹とのご婚約誠におめでとうございます。お二人が幸せになられますこと、心よりお祈りいたしております

暖夢 由

文字の大きさ
26 / 46

レリアナ・スターン視点①

しおりを挟む

私にはマリアという子がいたわ。
生まれて半年もしたらくしゃみをしだして、そのたびに鼻水を出して、咳がでて、少なくとも2週間に一度は高熱が出るの。なんの病気かと思ったわ。
正直なんて面倒な子なのかと思ったわ。でもやっと伯爵家に嫁げて、伯爵夫人という身分を手に入れた。でもここの当主は試すような視線で私をずっと見ていた。だから必死にいい嫁を演じようと献身的な母親をやっていたのよ。
なのに症状はよくなくなることもなく、しばらくすると体中にぶつぶつができてきたの。気持ち悪い!!こんなのを続けていたら私にまでうつるんじゃないか。すごく心配だった。

だから病院に連れて行ったら、病院でもよくわからないという。でも病院で入院させてることになったの。嬉しかった……だってこれで四六時中見ている必要はない。
それでも病院に何度も足を運んだ。

そんなことを4年も続けていると、お腹の中に赤ちゃんがいることがわかったの。次の子はきっとあんな症状はない素晴らしい子よ!そうよ!あの子はなにかの間違いで私のお腹に来てしまったのよ!それなのに私が献身的にお世話をするなんて……

でも2人目がお腹にできるとものすごい吐き気が襲ってきた。マリアがお腹の中の時はこんなには酷くなかった。きっとマリアの世話で私が疲れているからこんなにも体調が悪いのよ!
それなのに、マリアの病院には行かないといけない空気だし、行くとマリアがくしゃみをし、鼻水をたらしているのをお世話しなければならない。病院の先生たちは「娘さんはよく頑張っていますよ」と言う。なにが頑張っているよ!頑張っているのは私よ!!
吐き気もあるのに病院にも来て、鼻水なんて拭いて。それなのに頑張っているのは娘?

なんでよ!!!

そんな事を思っているとなにかを検査する事ができるようになったとかでマリアの症状はアレルギーだということがわかった。アレルギー?それでこんなにも重症のような感じなの?

その時に私も一緒に検査され、私にもアレルギーの症状があることがわかった。
じゃあ、私もマリアと同じじゃない。それなのにマリアばかりが必死に看病されて、私は苦しいのに看病しているの?なによそれ!!!!

それからマリアは薬を飲み、様子を見ながら家に帰ることになった。

でもそこの頃には私もお腹が大きく、マリアの様子はメイドが見ることになったの。
ようやくこれでマリアのお世話から解放される。

そう思っていたのに……

ナディアが生まれてまた半年たつ頃にはくしゃみをしだして、そのたびに鼻水を出して、咳もでるの。もういや……きっとマリアが自分が苦しいからって妹も同じようになるように呪いをかけたんだわ。

また病院へ行くの?もういや……そう思っていたら、街に評判の呪術師が来ていると言うの。昔からそう言うのが好きだった私は、こっそり家を抜け出して向かったわ。

そして話を聞いてもらっていたら、ナディアには黒い影が見えると言うの。黒い影に包まれていて、まるで誰かの悪意に包まれているようだと。これで確信したわ。やっぱりマリアの仕業だったのよ!
念のため、ナディアはアレルギーなのか聞いてみたの。そしたらアレルギーではないと。でもこのまま放置したら将来アレルギーになる可能性は高いって。

だから大急ぎで先生に家に来てもらって、ナディアを見てもらったわ。よく聞けば先生には医学の知識もあるって言うの。だからトーマスにも一緒に話を聞いてもらった。

そしたらこの子は今暗い闇にいて、両親の愛を求めている。その闇から救い出すにはこの聖水で毎日清めてやり、両親が傍にいることだなにより大切だというの。だから私たちは毎日ナディアの部屋に行ったわ。聖水を飲ませたり、その水で身体を拭いてあげたり献身的にお世話をしたわ。ナディアを救うために。
しおりを挟む
感想 199

あなたにおすすめの小説

【完結】私から全てを奪った妹は、地獄を見るようです。

凛 伊緒
恋愛
「サリーエ。すまないが、君との婚約を破棄させてもらう!」 リデイトリア公爵家が開催した、パーティー。 その最中、私の婚約者ガイディアス・リデイトリア様が他の貴族の方々の前でそう宣言した。 当然、注目は私達に向く。 ガイディアス様の隣には、私の実の妹がいた── 「私はシファナと共にありたい。」 「分かりました……どうぞお幸せに。私は先に帰らせていただきますわ。…失礼致します。」 (私からどれだけ奪えば、気が済むのだろう……。) 妹に宝石類を、服を、婚約者を……全てを奪われたサリーエ。 しかし彼女は、妹を最後まで責めなかった。 そんな地獄のような日々を送ってきたサリーエは、とある人との出会いにより、運命が大きく変わっていく。 それとは逆に、妹は── ※全11話構成です。 ※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、ネタバレの嫌な方はコメント欄を見ないようにしていただければと思います……。

【完結】婚約者と養い親に不要といわれたので、幼馴染の側近と国を出ます

衿乃 光希
恋愛
卒業パーティーの最中、婚約者から突然婚約破棄を告げられたシェリーヌ。 婚約者の心を留めておけないような娘はいらないと、養父からも不要と言われる。 シェリーヌは16年過ごした国を出る。 生まれた時からの側近アランと一緒に・・・。 第18回恋愛小説大賞エントリーしましたので、第2部を執筆中です。 第2部祖国から手紙が届き、養父の体調がすぐれないことを知らされる。迷いながらも一時戻ってきたシェリーヌ。見舞った翌日、養父は天に召された。葬儀後、貴族の死去が相次いでいるという不穏な噂を耳にする。恋愛小説大賞は51位で終了しました。皆さま、投票ありがとうございました。

我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜
恋愛
とある侯爵家で催された夜会、伯爵令嬢である私ことアンリエットは、婚約者である侯爵令息のギルバートと逸れてしまい、彼の姿を探して庭園の方に足を運んでいた。 そこで目撃してしまったのだ。 婚約者が幼馴染みの男爵令嬢キャロラインと愛し合っている場面を。しかもギルバートは私の家の乗っ取りを企んでいるらしい。 よろしい! おバカな二人に鉄槌を下しましょう!  長くなって来たので長編に変更しました。

そんなに妹が好きなら死んであげます。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』 フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。 それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。 そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。 イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。 異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。 何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

良いものは全部ヒトのもの

猫枕
恋愛
会うたびにミリアム容姿のことを貶しまくる婚約者のクロード。 ある日我慢の限界に達したミリアムはクロードを顔面グーパンして婚約破棄となる。 翌日からは学園でブスゴリラと渾名されるようになる。 一人っ子のミリアムは婿養子を探さなければならない。 『またすぐ別の婚約者候補が現れて、私の顔を見た瞬間にがっかりされるんだろうな』 憂鬱な気分のミリアムに両親は無理に結婚しなくても好きに生きていい、と言う。 自分の望む人生のあり方を模索しはじめるミリアムであったが。

【完結】要らないと言っていたのに今更好きだったなんて言うんですか?

星野真弓
恋愛
 十五歳で第一王子のフロイデンと婚約した公爵令嬢のイルメラは、彼のためなら何でもするつもりで生活して来た。  だが三年が経った今では冷たい態度ばかり取るフロイデンに対する恋心はほとんど冷めてしまっていた。  そんなある日、フロイデンが「イルメラなんて要らない」と男友達と話しているところを目撃してしまい、彼女の中に残っていた恋心は消え失せ、とっとと別れることに決める。  しかし、どういうわけかフロイデンは慌てた様子で引き留め始めて――

我慢しないことにした結果

宝月 蓮
恋愛
メアリー、ワイアット、クレアは幼馴染。いつも三人で過ごすことが多い。しかしクレアがわがままを言うせいで、いつもメアリーは我慢を強いられていた。更に、メアリーはワイアットに好意を寄せていたが色々なことが重なりワイアットはわがままなクレアと婚約することになってしまう。失意の中、欲望に忠実なクレアの更なるわがままで追い詰められていくメアリー。そんなメアリーを救ったのは、兄達の友人であるアレクサンダー。アレクサンダーはメアリーに、もう我慢しなくて良い、思いの全てを吐き出してごらんと優しく包み込んでくれた。メアリーはそんなアレクサンダーに惹かれていく。 小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。

婚約者の家に行ったら幼馴染がいた。彼と親密すぎて婚約破棄したい。

佐藤 美奈
恋愛
クロエ子爵令嬢は婚約者のジャック伯爵令息の実家に食事に招かれお泊りすることになる。 彼とその妹と両親に穏やかな笑顔で迎え入れられて心の中で純粋に喜ぶクロエ。 しかし彼の妹だと思っていたエリザベスが実は家族ではなく幼馴染だった。彼の家族とエリザベスの家族は家も近所で昔から気を許した間柄だと言う。 クロエは彼とエリザベスの恋人のようなあまりの親密な態度に不安な気持ちになり婚約を思いとどまる。

処理中です...