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レリアナ・スターン視点①
しおりを挟む私にはマリアという子がいたわ。
生まれて半年もしたらくしゃみをしだして、そのたびに鼻水を出して、咳がでて、少なくとも2週間に一度は高熱が出るの。なんの病気かと思ったわ。
正直なんて面倒な子なのかと思ったわ。でもやっと伯爵家に嫁げて、伯爵夫人という身分を手に入れた。でもここの当主は試すような視線で私をずっと見ていた。だから必死にいい嫁を演じようと献身的な母親をやっていたのよ。
なのに症状はよくなくなることもなく、しばらくすると体中にぶつぶつができてきたの。気持ち悪い!!こんなのを続けていたら私にまでうつるんじゃないか。すごく心配だった。
だから病院に連れて行ったら、病院でもよくわからないという。でも病院で入院させてることになったの。嬉しかった……だってこれで四六時中見ている必要はない。
それでも病院に何度も足を運んだ。
そんなことを4年も続けていると、お腹の中に赤ちゃんがいることがわかったの。次の子はきっとあんな症状はない素晴らしい子よ!そうよ!あの子はなにかの間違いで私のお腹に来てしまったのよ!それなのに私が献身的にお世話をするなんて……
でも2人目がお腹にできるとものすごい吐き気が襲ってきた。マリアがお腹の中の時はこんなには酷くなかった。きっとマリアの世話で私が疲れているからこんなにも体調が悪いのよ!
それなのに、マリアの病院には行かないといけない空気だし、行くとマリアがくしゃみをし、鼻水をたらしているのをお世話しなければならない。病院の先生たちは「娘さんはよく頑張っていますよ」と言う。なにが頑張っているよ!頑張っているのは私よ!!
吐き気もあるのに病院にも来て、鼻水なんて拭いて。それなのに頑張っているのは娘?
なんでよ!!!
そんな事を思っているとなにかを検査する事ができるようになったとかでマリアの症状はアレルギーだということがわかった。アレルギー?それでこんなにも重症のような感じなの?
その時に私も一緒に検査され、私にもアレルギーの症状があることがわかった。
じゃあ、私もマリアと同じじゃない。それなのにマリアばかりが必死に看病されて、私は苦しいのに看病しているの?なによそれ!!!!
それからマリアは薬を飲み、様子を見ながら家に帰ることになった。
でもそこの頃には私もお腹が大きく、マリアの様子はメイドが見ることになったの。
ようやくこれでマリアのお世話から解放される。
そう思っていたのに……
ナディアが生まれてまた半年たつ頃にはくしゃみをしだして、そのたびに鼻水を出して、咳もでるの。もういや……きっとマリアが自分が苦しいからって妹も同じようになるように呪いをかけたんだわ。
また病院へ行くの?もういや……そう思っていたら、街に評判の呪術師が来ていると言うの。昔からそう言うのが好きだった私は、こっそり家を抜け出して向かったわ。
そして話を聞いてもらっていたら、ナディアには黒い影が見えると言うの。黒い影に包まれていて、まるで誰かの悪意に包まれているようだと。これで確信したわ。やっぱりマリアの仕業だったのよ!
念のため、ナディアはアレルギーなのか聞いてみたの。そしたらアレルギーではないと。でもこのまま放置したら将来アレルギーになる可能性は高いって。
だから大急ぎで先生に家に来てもらって、ナディアを見てもらったわ。よく聞けば先生には医学の知識もあるって言うの。だからトーマスにも一緒に話を聞いてもらった。
そしたらこの子は今暗い闇にいて、両親の愛を求めている。その闇から救い出すにはこの聖水で毎日清めてやり、両親が傍にいることだなにより大切だというの。だから私たちは毎日ナディアの部屋に行ったわ。聖水を飲ませたり、その水で身体を拭いてあげたり献身的にお世話をしたわ。ナディアを救うために。
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