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本編
アップと戦技
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熱い…!
実際に火に炙られているわけでもないのに、それと同等、もしくはそれ以上の熱が、俺の身体の内側から焼いてくる。
おかしい…。最初はユーリアも一緒だった。
なのに今、その姿はどこにもない。
アーネは初めから上手いこと言い、この拷問のような所業から逃げ切った。
頬を伝い、一筋汗が顎から床に落ち、地面で跳ねる。
腕、そして肩のあたりを中心に、俺の身体を焼く、その正体は…!
「レィア、流石に遅すぎはしないか…?」
「話しっ……!かけるなっ………!」
腕立て伏せだ。
ちなみにノルマは五十回。ユーリアはとっくの昔に終わっていて、追加で逆立ち片腕腕立て伏せという曲芸じみた技を披露していた。
そして魔法使いのアーネは腕の筋肉なんか必要ないという理由で逃げた。
「いやしかしな?流石にそろそろ次のメニューに差し支えるんだが…」
「アーネッ……!今何回だっ……?」
「二十回終わったところですのよ」
クソッ…!終わらねぇ…っ!
「わかったわかった!レィアは毎日二十回の腕立て伏せを習慣づけろ!な?それでいいだろ?」
「ゲハッ…!ハァっ、ハァっ、ハァっ…そうするわ…」
堪らず仰向けになり、空気を貪るように吸う。
しっかし…。
「訓練って……毎回、こんな……拷問みたいな……ことしてるのか……?」
呼吸を整えつつ、ユーリアに聞いてみる。
「拷問というか…これはアップなんだがな…。むしろレィアはどんな訓練をしてきてたんだ?」
あぁん…?そう言えば…。
「そういや、訓練なんかしたことねぇかもな…」
「はっはっはー…レィア、君ってば冗談が上手だねぇ。…で?どんな訓練したら私に勝てるようになれるんだ?」
ユーリア、目が血走ってるから。
怖ぇから。
「そんな事言われたってなぁ…強いて言うなら、戦技をひたすら作って習得したってことか?あとは魔獣とひたすら戦い続けたぐらいだな」
「うははっ…舐めてんのかテメェ?」
ちょ!キャラ変わってるから!
「戦技を作って習得したぁ…?まったまたぁ…戦技って言うのはね?その動きに一切の無駄が完全に無くなった上で最高の威力を常に出せるようになった時に、神の加護として戦技が出るんだよ?そんなのをせいぜい十代半ばの見目麗しい少女が作ったぁ…?さて、本当のところは?」
「ホントだってば!事実、お前に撃った《影縫い》とか、《煌覇》は完全にオリジナルだ!教わったのは、《破断》と《剛砕》っていう大剣の戦技だけだってば!」
「…まさか、他に戦技を持ってたりしないよね?」
「あぁん?えーっと、戦技の数は…」
ひーふーみーよー…。
「戦技は二十七…いや、二十八だったか…?まぁ、三十はまだ行っていなかったはずだが」
言った途端、ユーリアが全力で仰け反り、一言叫んだ。
「有り得ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
キャラ、完全に崩壊してんぞ。
実際に火に炙られているわけでもないのに、それと同等、もしくはそれ以上の熱が、俺の身体の内側から焼いてくる。
おかしい…。最初はユーリアも一緒だった。
なのに今、その姿はどこにもない。
アーネは初めから上手いこと言い、この拷問のような所業から逃げ切った。
頬を伝い、一筋汗が顎から床に落ち、地面で跳ねる。
腕、そして肩のあたりを中心に、俺の身体を焼く、その正体は…!
「レィア、流石に遅すぎはしないか…?」
「話しっ……!かけるなっ………!」
腕立て伏せだ。
ちなみにノルマは五十回。ユーリアはとっくの昔に終わっていて、追加で逆立ち片腕腕立て伏せという曲芸じみた技を披露していた。
そして魔法使いのアーネは腕の筋肉なんか必要ないという理由で逃げた。
「いやしかしな?流石にそろそろ次のメニューに差し支えるんだが…」
「アーネッ……!今何回だっ……?」
「二十回終わったところですのよ」
クソッ…!終わらねぇ…っ!
「わかったわかった!レィアは毎日二十回の腕立て伏せを習慣づけろ!な?それでいいだろ?」
「ゲハッ…!ハァっ、ハァっ、ハァっ…そうするわ…」
堪らず仰向けになり、空気を貪るように吸う。
しっかし…。
「訓練って……毎回、こんな……拷問みたいな……ことしてるのか……?」
呼吸を整えつつ、ユーリアに聞いてみる。
「拷問というか…これはアップなんだがな…。むしろレィアはどんな訓練をしてきてたんだ?」
あぁん…?そう言えば…。
「そういや、訓練なんかしたことねぇかもな…」
「はっはっはー…レィア、君ってば冗談が上手だねぇ。…で?どんな訓練したら私に勝てるようになれるんだ?」
ユーリア、目が血走ってるから。
怖ぇから。
「そんな事言われたってなぁ…強いて言うなら、戦技をひたすら作って習得したってことか?あとは魔獣とひたすら戦い続けたぐらいだな」
「うははっ…舐めてんのかテメェ?」
ちょ!キャラ変わってるから!
「戦技を作って習得したぁ…?まったまたぁ…戦技って言うのはね?その動きに一切の無駄が完全に無くなった上で最高の威力を常に出せるようになった時に、神の加護として戦技が出るんだよ?そんなのをせいぜい十代半ばの見目麗しい少女が作ったぁ…?さて、本当のところは?」
「ホントだってば!事実、お前に撃った《影縫い》とか、《煌覇》は完全にオリジナルだ!教わったのは、《破断》と《剛砕》っていう大剣の戦技だけだってば!」
「…まさか、他に戦技を持ってたりしないよね?」
「あぁん?えーっと、戦技の数は…」
ひーふーみーよー…。
「戦技は二十七…いや、二十八だったか…?まぁ、三十はまだ行っていなかったはずだが」
言った途端、ユーリアが全力で仰け反り、一言叫んだ。
「有り得ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
キャラ、完全に崩壊してんぞ。
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