大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

承諾と用意

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文句言われるかと思ったけど、言ってみたら意外と快諾されてびっくりした。
まぁ、断られたらかなり困ってたし助かるんだが。
曰く、「魔法が使えない貴方より、使える私の方が少なくとも出来ることは多そうですし。それに、貴方から目を離すととんでもないことに巻き込まれやすいですし」とかなんとか。不意打ちで貰うより、見といてある程度身構えたいということだろう。
「そもそも、万が一あなたが怪我をした時、私以外治せる人がいないから、私が同行するしかないじゃないですの」
とも言われた。まぁその通りなんだが。
お礼に今度、何かやろうかな。と言ってもこの荒野では何も出来ないので、夏休み中に何処か行ってからプレゼントとかになるんだろうが。
それはさておき、明後日の支度だ。
とは言え、学校側が大体用意してくれるらしいのだが。多分食料や水だろう。
四日五日ももつ食料と、どういう加工がしてあるか全く不明だが腐らない水は非常にありがたい。流石魔法と言っときゃ大体当たるから、多分スゲー魔法なんだろうけど。
問題は足だな。俺達だけで三つのチーム、それも協力は禁止されているので、バラける可能性が高い。当然俺は分裂出来ないし、アーネと俺で手分けしたとしても一チームは見れない。
学校側もそれを考慮してくれているといいんだが。
一応俺もマキナを飛ばすという方法が無きにしも非ずなのだが、場所が結界の外なので、小型のマキナが魔獣に絡まれると一瞬でお陀仏する。最悪の場合、誤飲されるとマキナがそのままお持ち帰りされてしまう可能性も僅かにある。
その場合は死ぬ気でそいつを殺しにかかるが、如何せん外は広い。探しきれる自信が無い。
そういう訳で学校側に期待しとこうか。あ、先日のアゼロスの件で叩き潰されたマキナの一部はキチンと回収済みだ。
ただ、少しだけ問題というか、不安要素があるとしたら、マキナに血のストックが無いことか。
ここ最近、連続して血を使用していたために、毎日少しずつ貯めていたストックがついに枯渇した。
流石に、もうすぐ結界の外に行くと言うのに血を抜いている場合ではないので、今からストックを作るということも出来ない。量も微々たるものになるだろうし。
もちろん、すすんで血界を使う気はないが、それでも万が一の奥の手は常に十全の状態で使いたい。
血海を使うにしても、相手との相性が悪いとそこまで上手く使えない。
あとは切り札の切り札、虎の子の増幅魔法ぐらいか。
あれは本当に一瞬だけ、手加減も常識もかなぐり捨てた倍率の血界を展開出来るが、使用する事によって使われた血そのものが消滅するため、本当に必要な時にしか使えないんだよなぁ。
まぁ、使われないことが一番なんだから、そもそも心配するのがアレかもしれんが。
とか思いつつ、一日過ぎ。
俺とアーネは結界の外へと向かうことになった。
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