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2. やっちまった感がある
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目の前の少女が、顔を顰めて?だが呆けている?
は?あの表情?って言うか、仕草か?
何処かで見た?
いや、彼女は意に沿わぬとは言え、王太子たる私の婚約者だ。
我がクレイン王家が治めるウェルバーム王国の筆頭公爵バルター家令嬢。確かに教養溢れ見目麗しく健康的な女性だ。それは私も認めるところだ。
優秀過ぎるのだ。
学業に於いても私の上をいく彼女は、目の上のコブと言っても過言では無く、私の言動にしばしば提言苦言を入れてくる。
だからだろうか。
控え目でたおやかなボルト男爵令嬢ミリアに出会い、私は惹かれていった。ミリアは常に私を立ててくれるし、そもそも苦言などあり得ないと言ってくれた。
彼女といる方が落ち着く。
彼女は何処にでも居る金髪碧眼だ。私の母と同じく。
段々とミリアと過ごす時間が増える。それもまたマーガレットからの苦言の1つになった。
やがてマーガレットが取り巻きの令嬢と共にミリアを虐めているという噂が流れ始めた。
筆頭公爵家の誇りは何処へ消えたと言うのだ?
「虐められたと聞くが」
「いえ、その様な事は…、殿下。マーガレット様は殿下のお側にいる事の心得を私に教えて下さっているだけです」
側にいる心得ね。
は、モノはいい様だな。
「遠慮は要らぬ。有り体に話すがいい、ミリア」
私が促しても、ミリアはマーガレットの事を悪く言う事は無かった。
その奥ゆかしさ。
益々愛おしさが募ると言うモノ。
ならばこそ、マーガレットが徒党を組んでミリアを虐めている事は看過出来ない。
マーガレットといる事に苦痛を感じ始めてきた。それはマーガレットも感じてはいる様だ。
「殿下はお変わりになられました」
私が?私の何が変わったと言うのだ⁉︎
私に言わせれば、嫉妬に狂い、か弱き男爵令嬢を家格権力にモノを言わせて虐め抜いてる其方こそが!
それとなく婚約の条件や様々な事を父王陛下に聞いてみる。
何故だ?
マーガレットとの結婚が後継の絶対条件だと?
彼女の補佐がないと、私1人では国を治めきれないと言うのか?
そして、その様な事を繰り返しつつマーガレットとの婚約破棄を如何にして進めるか。
もうすぐ王家主催の夜会。
王妃の体調が思わしくないようだが、建国祭も兼ねた夜会。王家の都合だけで取りやめるわけにもゆかぬ。だが…。
「母上の容体が?」
「うむ。アルフォート、余や母の代わりに夜会を主宰せよ」
「分かりました、父上」
父王も母も不参加ならば丁度いい。
マーガレットに最後通告をしよう。そしてミリアと。
夜会にて。
ついに、ついに言ってやったぞ!
マーガレットめ。余程ショックらしい。
呆けて…、うん?聞いてないのか?
いや、何か、違う事を考えている?
違う…、違う事を?
私を、私の言葉を聞いていないと言うのか?
私を無視していると言うのか?
気がつけば、私はマーガレットを突き飛ばしていた。
突き飛ばして?
いくら、意に沿わぬとは言え、令嬢に暴力を振るった?この私が?
それに、今マーガレットに触れた時に感じたコレは?
ピリッとした感覚。
それに、何かモヤが晴れた様な…。
ズキッ!
何だ?頭が?
黒目黒髪の少年?
誰だ、コイツは?それに、少年と一緒にいる少女は?真里?コイツ等は恋人同士か?
体調不良?いや、病弱だったのか?
何だ?寝ているコイツに何やら管や何やがいっぱい?
は?彼女が事故?
この世を悲観して…?
夜中、管を外したのか?
自分で生命を絶ったのか?
この少年は誰だ?誰だ?誰…、私か!
そうだ!
私は!アルフォート=クレインとは彼女が死ぬ間際までやっていたゲームの!
ヒロインの王道ルートの相手王子?
何故?
ゲーム世界へ転生したと言うのか?
目の前の、私が婚約破棄したのがヒロインを虐めていた悪役令嬢だよな。
そして、私に寄り添っているのがヒロイン…。
ズキッ?
この頭痛は?
『殿下、私はマーガレット様に虐められています』
何だ?ヒロインの…、ミリアの青い瞳が妖しく輝いて…。何かモヤがかかった感じで?
コレは一体?
…夢か?
何気に、今倒れてる少女を見る。起き上がり様に髪をかき上げて軽く首を振って…。
今、マーガレットがやった仕草!
覚えが、そう!見覚えがある‼︎
あれは、真里の⁉︎
は?あの表情?って言うか、仕草か?
何処かで見た?
いや、彼女は意に沿わぬとは言え、王太子たる私の婚約者だ。
我がクレイン王家が治めるウェルバーム王国の筆頭公爵バルター家令嬢。確かに教養溢れ見目麗しく健康的な女性だ。それは私も認めるところだ。
優秀過ぎるのだ。
学業に於いても私の上をいく彼女は、目の上のコブと言っても過言では無く、私の言動にしばしば提言苦言を入れてくる。
だからだろうか。
控え目でたおやかなボルト男爵令嬢ミリアに出会い、私は惹かれていった。ミリアは常に私を立ててくれるし、そもそも苦言などあり得ないと言ってくれた。
彼女といる方が落ち着く。
彼女は何処にでも居る金髪碧眼だ。私の母と同じく。
段々とミリアと過ごす時間が増える。それもまたマーガレットからの苦言の1つになった。
やがてマーガレットが取り巻きの令嬢と共にミリアを虐めているという噂が流れ始めた。
筆頭公爵家の誇りは何処へ消えたと言うのだ?
「虐められたと聞くが」
「いえ、その様な事は…、殿下。マーガレット様は殿下のお側にいる事の心得を私に教えて下さっているだけです」
側にいる心得ね。
は、モノはいい様だな。
「遠慮は要らぬ。有り体に話すがいい、ミリア」
私が促しても、ミリアはマーガレットの事を悪く言う事は無かった。
その奥ゆかしさ。
益々愛おしさが募ると言うモノ。
ならばこそ、マーガレットが徒党を組んでミリアを虐めている事は看過出来ない。
マーガレットといる事に苦痛を感じ始めてきた。それはマーガレットも感じてはいる様だ。
「殿下はお変わりになられました」
私が?私の何が変わったと言うのだ⁉︎
私に言わせれば、嫉妬に狂い、か弱き男爵令嬢を家格権力にモノを言わせて虐め抜いてる其方こそが!
それとなく婚約の条件や様々な事を父王陛下に聞いてみる。
何故だ?
マーガレットとの結婚が後継の絶対条件だと?
彼女の補佐がないと、私1人では国を治めきれないと言うのか?
そして、その様な事を繰り返しつつマーガレットとの婚約破棄を如何にして進めるか。
もうすぐ王家主催の夜会。
王妃の体調が思わしくないようだが、建国祭も兼ねた夜会。王家の都合だけで取りやめるわけにもゆかぬ。だが…。
「母上の容体が?」
「うむ。アルフォート、余や母の代わりに夜会を主宰せよ」
「分かりました、父上」
父王も母も不参加ならば丁度いい。
マーガレットに最後通告をしよう。そしてミリアと。
夜会にて。
ついに、ついに言ってやったぞ!
マーガレットめ。余程ショックらしい。
呆けて…、うん?聞いてないのか?
いや、何か、違う事を考えている?
違う…、違う事を?
私を、私の言葉を聞いていないと言うのか?
私を無視していると言うのか?
気がつけば、私はマーガレットを突き飛ばしていた。
突き飛ばして?
いくら、意に沿わぬとは言え、令嬢に暴力を振るった?この私が?
それに、今マーガレットに触れた時に感じたコレは?
ピリッとした感覚。
それに、何かモヤが晴れた様な…。
ズキッ!
何だ?頭が?
黒目黒髪の少年?
誰だ、コイツは?それに、少年と一緒にいる少女は?真里?コイツ等は恋人同士か?
体調不良?いや、病弱だったのか?
何だ?寝ているコイツに何やら管や何やがいっぱい?
は?彼女が事故?
この世を悲観して…?
夜中、管を外したのか?
自分で生命を絶ったのか?
この少年は誰だ?誰だ?誰…、私か!
そうだ!
私は!アルフォート=クレインとは彼女が死ぬ間際までやっていたゲームの!
ヒロインの王道ルートの相手王子?
何故?
ゲーム世界へ転生したと言うのか?
目の前の、私が婚約破棄したのがヒロインを虐めていた悪役令嬢だよな。
そして、私に寄り添っているのがヒロイン…。
ズキッ?
この頭痛は?
『殿下、私はマーガレット様に虐められています』
何だ?ヒロインの…、ミリアの青い瞳が妖しく輝いて…。何かモヤがかかった感じで?
コレは一体?
…夢か?
何気に、今倒れてる少女を見る。起き上がり様に髪をかき上げて軽く首を振って…。
今、マーガレットがやった仕草!
覚えが、そう!見覚えがある‼︎
あれは、真里の⁉︎
応援ありがとうございます!
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