情熱的なあなたに抱かれ私は甘い夢を見る～新人看護師は無敵な外科医にしつけられてます～

君の切ない告白と、とても悲しい言葉

2

『て、手の届かない人なんて、そんなこと全然ないよ』


首を横に振る。


『藍花さんは高嶺の花ですよ。みんなの憧れだし。男女問わず、誰からも好かれてます』


『や、やめて。そんなんじゃないから』


嘘みたいに大げさな言葉、ものすごく恥ずかしくて顔から火が出そうだった。


『藍花さんは本当に素敵な人です。側にいるだけで幸せになれる。だから…このままで十分です。ただこのまま…あなたを好きでいさせてください』


直立不動で顔も強ばってて…


それでも、瞳を潤ませて心から言葉にしてくれた。


こんな私に「ただこのまま好きでいさせて」なんて…


何だか胸がキュッとなった。


でも、私の気持ちに揺らぎはない。


どんなことがあっても蒼真さんが好き。


歩夢君の気持ち、すごく嬉しいけど…ちゃんと言わなきゃいけない。


そう思うと本当に…心が痛くなった。


『そんなこと言わないで。歩夢君のこれからの人生だよ。1度しかない大切な人生なんだから、もっとちゃんと考えて欲しい。私のことを想い続けるなんて…ダメだよ、そんなこと』


『すみません、迷惑ですよね。やっぱりそうですよね』


下を向く歩夢君。


『迷惑なんかじゃないよ。歩夢君がもし本当に私を好きになってくれたなら嬉しいし、有難いって思うよ。だけど…』


『藍花さんには、誰か他に好きな人がいるんですよね。わかってます…藍花さんみたいな素敵な人なら絶対彼氏がいますよね』


また…悲しい顔をした。


歩夢君らしくなくて、すごく切ない。


『ごめん…でも、言わなきゃダメって思うから言うね。私、好きな人がいるよ。だから…』


『だ、大丈夫です！わかってます、わかってますから…本当に大丈夫です』


私の言葉を遮って、それ以上続けさせてくれなかった。


歩夢君…ごめん。


だけど、あやふやなことを言って惑わせてしまうのはよくないと思うから。