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思いがけない出会い
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思わず、目を輝かせて言った。
『別にたいしたことない。あと、その総支配人って連呼するの、やめてくれ』
『え?』
『俺は…深月 絢斗って言うんだ』
知ってるよ…もちろん。
3ヶ月前に総支配人としてホテルに来た時に自己紹介してて、それからずっと頭の中にあった名前。
『絢斗でいい。ホテル以外では、絢斗』
『あ、あ、あや…?そ、そんなそんな。名前で呼ぶなんて無理です!絶対に出来ません』
私は慌てて両手を振って、それに反抗した。
『面倒なやり取りは無駄なだけだ。絢斗でいい』
『そんな、強引ですよ。総支配人のことをジェネラルマネージャーかGMか…それ以外で呼ぶなんて…』
『それは役職だ。仕事上の呼び方はどれでもいい。でも、プライベートは絢斗だ。この一択。他に選択肢は一切無い』
選択肢はひとつって…
私は、本当に総支配人を絢斗って呼ばなきゃいけないの?
でも、もしかして、プライベートは他の誰でもそう呼んでるのかな?
海外では、きっとみんなに絢斗って呼ばれてたんだ。
慣れた呼び方をして欲しいって、ただそれだけなんだよね。
変に考えるからダメなんだよ。
うん、ここはせっかくだからフレンドリーに…
『じゃあ、失礼します。あ、絢斗…さん』
言っちゃった…
やっぱり、恥ずかしい。
『さんって…絢斗の一択だって言ったはずだ』
嘘、呼び捨て…?
でも…
ここまで頑張ったんだ、うん、あともう少し頑張ってみよう。
好きな人を名前で呼び捨てにする、こんな経験初めて…
『…絢斗…』
顔から火が吹き出しそうだった。
でも、そのあとすぐに、
『一花』
総支配人が、私を見てそう言ったんだ。
い、い、一花って!
私の下の名前知ってたの?
それにいきなり呼び捨てだし。
『別にたいしたことない。あと、その総支配人って連呼するの、やめてくれ』
『え?』
『俺は…深月 絢斗って言うんだ』
知ってるよ…もちろん。
3ヶ月前に総支配人としてホテルに来た時に自己紹介してて、それからずっと頭の中にあった名前。
『絢斗でいい。ホテル以外では、絢斗』
『あ、あ、あや…?そ、そんなそんな。名前で呼ぶなんて無理です!絶対に出来ません』
私は慌てて両手を振って、それに反抗した。
『面倒なやり取りは無駄なだけだ。絢斗でいい』
『そんな、強引ですよ。総支配人のことをジェネラルマネージャーかGMか…それ以外で呼ぶなんて…』
『それは役職だ。仕事上の呼び方はどれでもいい。でも、プライベートは絢斗だ。この一択。他に選択肢は一切無い』
選択肢はひとつって…
私は、本当に総支配人を絢斗って呼ばなきゃいけないの?
でも、もしかして、プライベートは他の誰でもそう呼んでるのかな?
海外では、きっとみんなに絢斗って呼ばれてたんだ。
慣れた呼び方をして欲しいって、ただそれだけなんだよね。
変に考えるからダメなんだよ。
うん、ここはせっかくだからフレンドリーに…
『じゃあ、失礼します。あ、絢斗…さん』
言っちゃった…
やっぱり、恥ずかしい。
『さんって…絢斗の一択だって言ったはずだ』
嘘、呼び捨て…?
でも…
ここまで頑張ったんだ、うん、あともう少し頑張ってみよう。
好きな人を名前で呼び捨てにする、こんな経験初めて…
『…絢斗…』
顔から火が吹き出しそうだった。
でも、そのあとすぐに、
『一花』
総支配人が、私を見てそう言ったんだ。
い、い、一花って!
私の下の名前知ってたの?
それにいきなり呼び捨てだし。
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