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第9章…海でデート

泳ぎを教える

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 「わあ、竜先輩! けっこう深いところまで来ちゃいましたよ!」

「そうだな」

水深1メートルくらいか。そこまで危険ではないが転んだら危ないな、油断はできないなというくらいの深さではあるな。
美希が嬉しそうにはしゃいでてオレも心がほんわかとしてくる。

海面がちょうどオレのヘソのあたりまで来ている。つまりオレの下半身は海で隠れている。
これなら勃ってもバレないかな……今は勃ってないけど別にマスターベーションをする必要はなかったかもしれない。


目の前にいる美希を見る。

「ッ……」

そしてオレはガッツリ反応する。

海面がちょうど美希の乳房の下にある。下乳の部分が海水に浸かっている。つまり、美希の乳が海に乗ってるみたいになっている。
美希のデカパイが海に乗ってプカプカ浮いてて、これ以上ないくらいデカ乳が強調されていて、オレの下心丸出しな視線を美希の乳から外すことなど不可能だった。

ヌいた直後でおとなしくなっていたはずだったオレのアレがもうすでに元気に膨らむのだった。さっきマスターベーションしたのはほとんど無意味に終わった。もうすでに脳内と股間の状態がシコる前と同じになっていた。
下半身が海で隠れてて本当によかった。


「竜先輩? おーい」

ハッ!

美希がオレの顔の前で手のひらをヒラヒラさせてきて、オレはハッと自我を取り戻した。
危ない危ない、美希の乳の引力に吸い込まれるところだった。破壊力ヤバすぎる。
胸ばっかりジロジロ見てたら美希に嫌がられるだろ。ちゃんと目を見て話そう。いくら彼女になってくれたからってあまり調子に乗ってるとすぐに嫌われちまうぞ。油断すんなオレ。


「さあ竜先輩、さっそく泳ぎましょう!」

「お、おお!」

「―――と、言いたいところですが」

「ん?」

美希はすごく恥ずかしそうな仕草をした。可愛い。


「ものすごく今さらなんですが、恥ずかしながら私……
実はカナヅチなんです」


「そ、そうなのか?」

「はい、全然泳げないです。プールの授業も苦手でした」


知らなかった。まだまだ美希のこと何も知らないんだなぁって思った。知れてよかった。もっともっと美希のことを知りたい。


「すいません竜先輩、もっと早く言うべきだったんですけど。竜先輩と海に来れてすごく嬉しくて楽しくて、テンション上がりすぎて言うの忘れてました」

「ッ!!」

本当は泳ぐの苦手なのに、オレと一緒だからというだけで大切なこと言い忘れるほど楽しんでくれてるのか。
なんなんだよ美希。お前はオレの心臓を握り潰す気か? オレだって美希と一緒に海に来れたの幸せの極限すぎて心臓に負担かかりまくっているんだぞ。もう人生に未練はないくらい幸せだ。


「というわけで竜先輩、もしよかったら私に泳ぎ方を教えていただけますでしょうか……」

「もちろんだよ! オレでよければ」

「本当ですか!? ありがとうございます」

美希はパアァと輝く笑顔を見せた。可愛い。
なんで申し訳なさそうにお願いしたんだよ。教えるに決まってるだろ。喜んで教えるよ。美希がオレを頼ってくれてるのが本当に嬉しいんだよ。何時間でも何日でも教えるよ。


「それでは竜先輩、泳ぎの指導よろしくお願いいたします」

美希は礼儀正しく頭を下げた。
そこまで丁寧にしなくてもいいのに。でも可愛いからやめろとは言えない。

さて、美希がここまでオレを頼ってくれたんだから死ぬ気で応えないといけないぞ。
さっきから水着の美希にデレデレしまくり勃ってばかりでふざけまくりなオレだけどここからはガチの大真面目にやらないといけない。教えるっていうのは責任重大なのだ。
オレも一応泳げるけどものすごく上手いってほどでもないし水泳を教えた経験もないからめちゃくちゃ緊張するな。


「じゃあまずは水に慣れるところからだな。ちょっと潜ってみようか」

「はい!」

「せーの、で一緒に潜ろう」

「はいっ!」

「「せーのっ」」

チャプンッ


オレと美希は同時に海に潜った。
オレは目を開けて海中の美希を見る。

美希は固く目を瞑っていた。水中じゃなかなか目を開けられないよな、オレも小学生の頃なかなか目を開けられなかったからよくわかる。
目を開けられない美希も可愛い……と思いながら視線はつい下へ。


「ッ!!!!!!」

いいかげんしつこいとは思うけどオレはまたしても美希のでかい乳に釘付けになった。

水中の美希の乳もヤバイ。海の流れに乗ってたゆん……たゆん……って軽く揺れてる。ビキニの紐もゆらゆらとオレを煽るように揺れ動く。浮遊感があるのに重量感もあって、陸上よりもゆっくりと揺れるのがまた扇情的で……


「ッ! ゴボォッ!!」

美希の乳に見惚れてたオレは海水が鼻の変なところに入って盛大にむせた。たまらず海面から顔を出す。


「ゲホッ、ゲホゲホッ……!!」

「!? 大丈夫ですか竜先輩!」

咳き込むオレを見た美希はすぐに潜るのをやめてオレに駆け寄ってきた。
オレの背中を擦ってくれる。その時に胸がむにゅって当たってオレはまたブホッと噴き出してしまった。


「……ごめん、美希……ちょっと鼻に水が入って……もう大丈夫だから」

「無理せず休んでください。休憩所に行きましょう」

「いや大丈夫! もう平気だから」


美希に教える立場なのに美希に心配されて、気を遣われて……本当に情けない恥ずかしい。
おっぱい星人すぎて耐性がまったくない自分が恨めしい。いいかげん美希の乳に慣れろよ。いくら大好きなものでもこんだけ近くにあったら少しは慣れるはずだろ……

そう思って美希の豊満な乳房をチラッと見て、一瞬で耐えられなくなった。

大きさも形も張りも谷間も完璧で、ビキニが少し食い込んで乳肉が少しはみ出してて、さらに水が滴り流れ落ちていく姿は、男のすべてを破壊し溶かしつくす。
慣れるなんて絶対に無理。オレのすべてが沸騰して爆発する。



 場所は変えずにちょっとだけ休憩して、気を取り直して泳ぎを教える。
水に慣れてきたところで次は浮く練習。美希の手を握ってゆっくりと前進していく。

「大丈夫だよ美希、落ち着いて慌てずに」

「はい!」

美希はこんなにも真剣に練習している。それに比べてオレはエロいことばっかり考えている。そんなふざけた自分をぶん殴って、真剣に集中する。



―――



 時間が経つのも忘れて、いつの間にか夕方になっていた。
オレは必死に頑張って教えて、美希に人並みに泳げるようになってほしかったが、そこまでには至らなかった。


「そろそろ帰らなきゃですね、竜先輩」

「ああ……ごめん美希、ちゃんと教えられなくて」

美希が泳ぎをマスターできなかったのは、オレの指導力が不足していたからだ。せっかく頼ってもらったのに期待に応えられなかった……


「ちょっと竜先輩、なんで落ち込んでるんですか」

「オレがもっとちゃんとしてれば美希は泳げるようになっていたんだ。オレがふがいないから美希は泳げなかった」

「何言ってるんですか、十分いい練習になりましたよ! ずっと私の特訓に付き合ってくれて本当に感謝しています。
まだ泳げるようになってないのは私が運動神経ゼロでポンコツだからです。私の責任です。私の方こそせっかくご指導いただいたのにダメダメで申し訳ありません」

美希はまた丁寧に頭を下げた。本当にいい子だな美希は……
でもこういうのは教える側の責任が大きいんだよ。オレに教えるセンスがないのは間違いないんだ。


「竜先輩、気にしないでくださいね。私の方からお願いしといて何ですけど、ここまで全力で真剣に教えてくれるとは思ってなかったので、私すごく嬉しいんですよ。本当にありがとうございます」

「ああ、美希が真剣だったからそれに応えたかったんだ。ごめん」

「謝らないでください。もうお互いに謝るのはナシにしましょう」

楽しい楽しい海デートだったが、最後ちょっと不完全燃焼な感じになって残念だ。
オレはガックリ肩を落としながら海から上がろうとする。


「竜先輩、こっち見てください」

「え?」

「それっ!」

バシャッ

「うわっ!?」

美希がオレに水をかけてきた。オレの顔が海水でびしょびしょになる。
これは反撃するべきだよな。反撃しないとノリが悪いヤツだろこれは。


「やったな、オラッ!」

バシャッ!!

オレも負けじと美希に海水をかける。顔にかけたら悪いと思って反射的に胸にかけてしまった。
瑞々しい張りのある乳房が水を弾く。濡れた胸を見てまたドキッとさせて顔を赤くしてしまう。


「もう……どこに水かけてんですか、エッチ」

「ご、ごめ……」

「ふふっ、謝るのはもうナシって言ったはずですよ?」

「わっ!?」

バシャッ

また水をかけてきてえへへ、と笑う美希。


ドキッ

今日のオレはドキドキしすぎだ。今日だけで何日分も心臓を酷使してしまった。これだけ幸せならちっとも惜しいと思わないけど。

美希はきっと、落ち込むオレを元気づけようとしてくれたんだな。何千回感謝しても足りない。最高の想い出の締めだ。


オレたちは日が暮れているにも関わらずしばらく海で遊んだ。
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