チェイン・ペタル

 異常気象によって吹雪に閉ざされた雪山。逃げ遅れた六人の登山客が、偶然見つけた小さな塔。食料も火も、人間が生きるのに必要なものは最低限揃っていた、はずだった。
 淳史という人狼である夜の人格を持つ稲谷海翔。三日間人を食わないと餓死する淳史は、異様に長く続く吹雪に閉じ込められた人間たちを一人、また一人と食っていく。自分の肉体が人の命の上に成り立っていることに苦しみながらも生きることを選択する海翔と、それを支える妻、咲楽。
 ーー吹雪の後の春の風に、君の名前の花が舞う。
 守り抜け。あの日の記憶を、己自身から。
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