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十一章 蓖麻子《ひまし》
4、蓖麻子油《ひましゆ》
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去年、菜種の産地での天候不良が続いたせいで、菜種油の高騰が続いている。身分の低い宮女や雑役の宦官は熱源として石炭を用い、灯籠や宮灯には桐油を用いていたが。
菜種油が出回るまでは蓖麻子油も扱うこととなった。
蓖麻は唐胡麻とも呼ばれている。蓖麻の種子で「蓖麻子」だ。
「じゃあ、説明を聞いてくるわ」
翠鈴は、宮灯の掃除をしている由由に声をかけた。
司燈はそれぞれの宮にいるが、大元の管轄は尚寝局だ。庭の手入れをする司苑や司燈など、尚寝局は居住空間に携わる女官や宮女が所属する部署である。
今日は、それぞれの宮から司燈が尚寝局に赴かねばならない。油を管理する女官から蓖麻子油の取り扱いの注意を聞くためだ。
「ごめんね、翠鈴。あたしじゃ、女官の説明を聞いてもよく分からなくて」
「うーん。大丈夫だと思うよ。桐油だって毒があるけど、これまでも使っていたし。蓖麻子油も危険なのは種子であって、搾った油は飲めば下剤になる程度だからね」
「下剤っ? 油を飲むの?」
由由の声は裏返った。
「そうよ。蓖麻子油は下剤や点眼薬、化粧にも使われるわね。でも、油をとった後の圧搾残渣には、きわめて強い毒性があるの」
ひぃっと由由は顔をひきつらせたが。そもそも蓖麻子油に加工されたものを購入しているわけだから。危険な搾りかすがあるわけでもない。
(まぁ。唐胡麻も後宮内にちらほら生えているけど。唐胡麻に限らず、毒のある植物は多いから)
無毒な植物だけを植えるように、という基準ができれば。どの庭にもほとんどの草花は存在しなくなる。
子供の頃に好んで吸っていた躑躅の蜜にも、微量ではあるが毒はある。
(躑躅に毒があるなんて知らずに、胡玲と一緒に蜜を吸っていたっけ)
「ふたりともほどほどにしなさいよ」と、姉の明玉に窘められたのも、懐かしい思い出だ。
尚寝局にある司燈の棟には、数十人が集まっていた。
ここのところの睡眠不足もあって、翠鈴はあくびを噛み殺した。蓖麻子の毒性ならば、翠鈴は詳しい。さっき由由に話して聞かせたところだ。
(ちょっとくらいうたた寝しても平気かな)
目を閉じているとばれないように軽くうつむいて、座っていればいいだろう。
軽い倦怠感が、翠鈴を眠りに誘う。
「ああ、陸翠鈴。ちょっと前に出てちょうだい」
「え?」
せっかく寝ようと思っていたのに。とはさすがに言えない。
女官に呼ばれた翠鈴は訝しむながらも、集団から抜け出した。
「この陸翠鈴に、蓖麻子油の説明をしてもらいます」
「え? どうしてですか」
思わず声が出てしまった。そもそも翠鈴は宮女なのだ。現場で働く宮女を管理し教育するのは女官の勤め。それは翠鈴の役目ではない。
「だって、私は蓖麻子油なんて扱ったことないもの」
ひそひそと耳打ちしてくる女官の顔をよく見れば。夜更けの薬売りのお客さまだ。翠鈴が薬にも毒にも詳しいことを、よく知っているのだろう。
(だからって司燈の仕事とは分けてほしいんだけど)
とにかく目立つのはごめんだ。皆が憧れる光柳と親しくしているし、陛下から佩玉を賜ったり、皇后陛下にも目をかけていただいている。
一介の宮女としてはありえないほど厚遇されているのだ。
「お願い、ね」と女官は手を合わせてにっこりと微笑んだ。押しが強い。翠鈴は仕方なく、由由に話したのと同じ内容を説明した。
油そのものではなく、圧搾残渣が危険であること。後宮内で蓖麻の種子を搾っているわけでもないので、油自体を恐れることはない。
だが、蓖麻は後宮内にも生えているので触れない方がいい。
「草丈もまちまちで、人の背を越える者もあれば、草としか見えないものもあります。実が棘に覆われているのと、葉の形がてのひらを広げたような形は共通しています」
翠鈴は分かりやすく話したが。宮女たちは「自分たちには別に関係ないか」という風に反応が鈍い。
あくびをしたり、退屈そうに首を掻いたりしている宮女たちの中。ただひとり、前に立つ翠鈴をじっと見据える宮女がいた。痩せぎすで、髪を結っていても毛がぱさついているのが分かった。
「蓖麻の実に触れることはないと思いますが。食べると猛毒、口にせずとも傷口から毒に侵されることがあります。油は大丈夫なので、心配しなくてもいいですよ。ただし生えている蓖麻……唐胡麻の実には気をつけてください」
痩せた宮女は顔を強ばらせていたが。他の宮女たちは「なんだ、平気なんだ」と呑気に言葉を交わした。
尚寝局を出ると、風が湿り気を帯びていた。見上げる空は、鈍色の雲が垂れこめている。
「雨になる前に帰れたらいいんだけど」
翠鈴は、蓖麻子油の入った壺を載せた台車を押した。籠に入った壺は倒れることはないが。それでも敷石の継ぎ目ごとに壺同士がぶつかって音を立てるのが気になる。
「翠鈴さんじゃないですか」
声をかけてきたのは、新たに蘭淑妃の侍女となった南蕾だ。螺鈿細工が施されている、漆塗りの箱を抱えている。
「珍しいですね、南蕾さん。こんなところで」
「近くの尚功局に文箱を取りに行っていたんです。螺鈿が剥がれそうで、淑妃さまが修復を依頼なさっていたの」
ふふ、と南蕾は表情を和らげた。偶然翠鈴に会えたのが嬉しい、とでもいう風に。呂充儀の侍女であった頃の南蕾は、表情も硬く脅えた様子だったのに。
「不真面目って思われたらいけないんですけど。こうやってお話をしながら未央宮に戻るのって楽しいですね」
なんでもない当たり前のことが、普通の日常を送れることが、南蕾にとっては特別なのだろう。彼女の明るい顔を見ると、翠鈴も和んでしまう。
その時だった。翠鈴は背中に衝撃を受けた。
「うわっ」と声を上げてふり返ると、壺を抱えた宮女が顔をしかめていた。見覚えがある。さっき、蓖麻子油の説明を聞いていた宮女だ。十代半ばの痩せぎすで、たったひとり翠鈴をじっと見据えていた。
「ごめん。あ、油、こぼれたかも」
「軟木で栓がしてあるから、大丈夫だと思うけど」
「でもこれ、蓖麻子油だから。どうしよう、危ないんよね?」
宮女はおろおろと袖や手を確認している。
(いや、だから油は危険じゃないって説明したのに。あなた、集中してるように見えたのに。聞いてなかったの?)
ほとんどの司燈は蓖麻子油の説明を適当に聞き流していた。だとしたら、油の移し替えで混乱が起きるかもしれない。
(うーん。油自体は危なくないってそれぞれの宮に張り紙をしても、読めない宮女が多いし。しかもそれはわたしの仕事の範疇を越えてるしなぁ)
翠鈴が女官であれば責任も伴うだろうが。その女官からして、蓖麻子油の説明を宮女である翠鈴に任せるのだから。
「あ、あの。うち、卓鳩児といいます。最近、後宮に入ったばかりで。その、唐胡麻って後宮のどの辺りに生えてるん?」
「どこって。鳥が種を運んだなら、草の生えている場所にもあるけど。栽培種なら花瓶に挿して飾ったりするから、その場合は司苑にどの宮の庭に植えてあるのか聞いた方がいいかも」
一応、唐胡麻の種子が蓖麻子であるという説明は聞いていたんだ。でも大事なのはそこじゃないな。翠鈴は思案した。
頰を撫でる風が、ひんやりとした。土っぽい匂いが強くなる。今にも雨が降りそうだ。
「南蕾さん、急ぎましょう。濡れてしまいます」
鳩児との話を切りあげた翠鈴は、南蕾を促した。
菜種油が出回るまでは蓖麻子油も扱うこととなった。
蓖麻は唐胡麻とも呼ばれている。蓖麻の種子で「蓖麻子」だ。
「じゃあ、説明を聞いてくるわ」
翠鈴は、宮灯の掃除をしている由由に声をかけた。
司燈はそれぞれの宮にいるが、大元の管轄は尚寝局だ。庭の手入れをする司苑や司燈など、尚寝局は居住空間に携わる女官や宮女が所属する部署である。
今日は、それぞれの宮から司燈が尚寝局に赴かねばならない。油を管理する女官から蓖麻子油の取り扱いの注意を聞くためだ。
「ごめんね、翠鈴。あたしじゃ、女官の説明を聞いてもよく分からなくて」
「うーん。大丈夫だと思うよ。桐油だって毒があるけど、これまでも使っていたし。蓖麻子油も危険なのは種子であって、搾った油は飲めば下剤になる程度だからね」
「下剤っ? 油を飲むの?」
由由の声は裏返った。
「そうよ。蓖麻子油は下剤や点眼薬、化粧にも使われるわね。でも、油をとった後の圧搾残渣には、きわめて強い毒性があるの」
ひぃっと由由は顔をひきつらせたが。そもそも蓖麻子油に加工されたものを購入しているわけだから。危険な搾りかすがあるわけでもない。
(まぁ。唐胡麻も後宮内にちらほら生えているけど。唐胡麻に限らず、毒のある植物は多いから)
無毒な植物だけを植えるように、という基準ができれば。どの庭にもほとんどの草花は存在しなくなる。
子供の頃に好んで吸っていた躑躅の蜜にも、微量ではあるが毒はある。
(躑躅に毒があるなんて知らずに、胡玲と一緒に蜜を吸っていたっけ)
「ふたりともほどほどにしなさいよ」と、姉の明玉に窘められたのも、懐かしい思い出だ。
尚寝局にある司燈の棟には、数十人が集まっていた。
ここのところの睡眠不足もあって、翠鈴はあくびを噛み殺した。蓖麻子の毒性ならば、翠鈴は詳しい。さっき由由に話して聞かせたところだ。
(ちょっとくらいうたた寝しても平気かな)
目を閉じているとばれないように軽くうつむいて、座っていればいいだろう。
軽い倦怠感が、翠鈴を眠りに誘う。
「ああ、陸翠鈴。ちょっと前に出てちょうだい」
「え?」
せっかく寝ようと思っていたのに。とはさすがに言えない。
女官に呼ばれた翠鈴は訝しむながらも、集団から抜け出した。
「この陸翠鈴に、蓖麻子油の説明をしてもらいます」
「え? どうしてですか」
思わず声が出てしまった。そもそも翠鈴は宮女なのだ。現場で働く宮女を管理し教育するのは女官の勤め。それは翠鈴の役目ではない。
「だって、私は蓖麻子油なんて扱ったことないもの」
ひそひそと耳打ちしてくる女官の顔をよく見れば。夜更けの薬売りのお客さまだ。翠鈴が薬にも毒にも詳しいことを、よく知っているのだろう。
(だからって司燈の仕事とは分けてほしいんだけど)
とにかく目立つのはごめんだ。皆が憧れる光柳と親しくしているし、陛下から佩玉を賜ったり、皇后陛下にも目をかけていただいている。
一介の宮女としてはありえないほど厚遇されているのだ。
「お願い、ね」と女官は手を合わせてにっこりと微笑んだ。押しが強い。翠鈴は仕方なく、由由に話したのと同じ内容を説明した。
油そのものではなく、圧搾残渣が危険であること。後宮内で蓖麻の種子を搾っているわけでもないので、油自体を恐れることはない。
だが、蓖麻は後宮内にも生えているので触れない方がいい。
「草丈もまちまちで、人の背を越える者もあれば、草としか見えないものもあります。実が棘に覆われているのと、葉の形がてのひらを広げたような形は共通しています」
翠鈴は分かりやすく話したが。宮女たちは「自分たちには別に関係ないか」という風に反応が鈍い。
あくびをしたり、退屈そうに首を掻いたりしている宮女たちの中。ただひとり、前に立つ翠鈴をじっと見据える宮女がいた。痩せぎすで、髪を結っていても毛がぱさついているのが分かった。
「蓖麻の実に触れることはないと思いますが。食べると猛毒、口にせずとも傷口から毒に侵されることがあります。油は大丈夫なので、心配しなくてもいいですよ。ただし生えている蓖麻……唐胡麻の実には気をつけてください」
痩せた宮女は顔を強ばらせていたが。他の宮女たちは「なんだ、平気なんだ」と呑気に言葉を交わした。
尚寝局を出ると、風が湿り気を帯びていた。見上げる空は、鈍色の雲が垂れこめている。
「雨になる前に帰れたらいいんだけど」
翠鈴は、蓖麻子油の入った壺を載せた台車を押した。籠に入った壺は倒れることはないが。それでも敷石の継ぎ目ごとに壺同士がぶつかって音を立てるのが気になる。
「翠鈴さんじゃないですか」
声をかけてきたのは、新たに蘭淑妃の侍女となった南蕾だ。螺鈿細工が施されている、漆塗りの箱を抱えている。
「珍しいですね、南蕾さん。こんなところで」
「近くの尚功局に文箱を取りに行っていたんです。螺鈿が剥がれそうで、淑妃さまが修復を依頼なさっていたの」
ふふ、と南蕾は表情を和らげた。偶然翠鈴に会えたのが嬉しい、とでもいう風に。呂充儀の侍女であった頃の南蕾は、表情も硬く脅えた様子だったのに。
「不真面目って思われたらいけないんですけど。こうやってお話をしながら未央宮に戻るのって楽しいですね」
なんでもない当たり前のことが、普通の日常を送れることが、南蕾にとっては特別なのだろう。彼女の明るい顔を見ると、翠鈴も和んでしまう。
その時だった。翠鈴は背中に衝撃を受けた。
「うわっ」と声を上げてふり返ると、壺を抱えた宮女が顔をしかめていた。見覚えがある。さっき、蓖麻子油の説明を聞いていた宮女だ。十代半ばの痩せぎすで、たったひとり翠鈴をじっと見据えていた。
「ごめん。あ、油、こぼれたかも」
「軟木で栓がしてあるから、大丈夫だと思うけど」
「でもこれ、蓖麻子油だから。どうしよう、危ないんよね?」
宮女はおろおろと袖や手を確認している。
(いや、だから油は危険じゃないって説明したのに。あなた、集中してるように見えたのに。聞いてなかったの?)
ほとんどの司燈は蓖麻子油の説明を適当に聞き流していた。だとしたら、油の移し替えで混乱が起きるかもしれない。
(うーん。油自体は危なくないってそれぞれの宮に張り紙をしても、読めない宮女が多いし。しかもそれはわたしの仕事の範疇を越えてるしなぁ)
翠鈴が女官であれば責任も伴うだろうが。その女官からして、蓖麻子油の説明を宮女である翠鈴に任せるのだから。
「あ、あの。うち、卓鳩児といいます。最近、後宮に入ったばかりで。その、唐胡麻って後宮のどの辺りに生えてるん?」
「どこって。鳥が種を運んだなら、草の生えている場所にもあるけど。栽培種なら花瓶に挿して飾ったりするから、その場合は司苑にどの宮の庭に植えてあるのか聞いた方がいいかも」
一応、唐胡麻の種子が蓖麻子であるという説明は聞いていたんだ。でも大事なのはそこじゃないな。翠鈴は思案した。
頰を撫でる風が、ひんやりとした。土っぽい匂いが強くなる。今にも雨が降りそうだ。
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