捨てられたはずが、ハイスぺ幼馴染CEOの執着愛に囚われ逃げられない

sae

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番外編

その後の話・5

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 バタバタと一日は慌ただしく過ぎていった。習うより慣れろ、それでも慣れないことが多くて初日からいい意味で疲労している。

 ーー覚えることいっぱいだったな。頑張らないと。

 期限付きでもその期間はきちんと仕事をこなしたい。自分のできることをひとつでも増やしてオフィスに……一哉に貢献できれば……そう思いつつ凪沙は今日習ったことを復習しつつ時計を見上げた。

 ーーいっくん、遅いなぁ。もう21時回っちゃった。

 早く帰ってきてね、そんな風に囁いた日中。あの時を思い出して凪沙はひとり頬を染める。一哉は早く帰ってくるのだと自惚れていた自分に余計に恥ずかしさが増した。待っているのは自分ばかり……結局、今も凪沙の方が一哉を追いかけている。
 でもそれでいいと思った。自分が一哉を追いかけること、それはもう当たり前でそれが全てだったからこそ、今もそれを許されるのなら全力で追いかける。そしてもう一哉はそんな自分を両手で受け止めてくれるから。

 ――ガチャ、と音が鳴って身体を跳ねさせてしまう自分は飼い犬のようだと思う。さすがに扉を開けて駆け出していくことは……もうしない。

「おかえり、なさい」

 言い淀んだのは扉を開けて入ってきた一哉がひどく疲れていたからだ。

「……はぁー、ただいま」

 髪をゆるくかきあげながら、ネクタイを緩めつつ重いため息をこぼす一哉。疲労感滲む姿だが色気がダダ漏れなだけで凪沙は無駄にときめいている。

「遅かったね……なんかあったの?」
「んー……まぁちょっと」

 話す気がない、より話すのが面倒、そんなニュアンスを感じ取りそれ以上追求するのはやめた。明日また来栖に聞けばわかるかもしれない、そう思いつつ一哉がソファに投げ捨てたスーツを手に取ったらいきなり身体が後ろに引き寄せられる。
 
「う、わ!」

 腕を引かれたと思ったら腰に巻きつく腕が抱えるように凪沙を抱きしめてくる。背後を見上げようとしたところを待ち構えていたかのように一哉の顔とぶつかってそのまま口づけられた。

「ぅんん!」

 いきなりの激しいキスに凪沙も一瞬面食らう。なにか言おうとしたくてもとてもじゃないが言葉を発する隙もない。ただ鼻から漏れる甘い声が落ちるのみ。なんなら息をするので精一杯なほどだ。

「ん、あ……」
「帰るの遅くなっちゃった」

 チュッと可愛いキスを落として一哉が困ったように微笑む。

「ん……お疲れさま。ご飯食べた? お腹空いてない? 欲しいものあったら準備するよ?」
「じゃあしてもらおう」

 一哉がニコリと微笑むので小首を傾げたとこだった。一哉の手が徐に伸びてきて凪沙の羽織るパーカのチャックに手がかかり……。

 ーーん?

 そう思った瞬間のことだった。

 グッと引っ張られたと思ったらそのまま一気にチャックを引き下げられた。

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