【第一部完結】精霊のこたえ ~カタコト精霊と問いかけの冒険譚~

精霊は命じて使うもの。この世界の誰もがそう信じている。

ノエルだけが違った。聞き方を変え、手順を分けて、丁寧に伝える。それだけで、手のひらサイズの白狐——ディアは、大きな精霊にも負けない働きを見せた。

「……しめってる」「……がんばる」

片言で関係なさそうなことを呟いたり、聞いてもいないのに答えたり。小さくて、ふわふわで、尻尾を手首に巻きつけてくる。

ただ、この子には秘密がある。契約の瞬間、片言とはまるで違う声が聞こえた。

「——私を、本来の姿に戻して」

あの声が何だったのか、この子が何を忘れているのか。いつか見つけたい。ディアと一緒に。

※毎日18時更新
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