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23話 南国気分でレッツラゴー

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移動で2日。
キヌアもどき購入に1日。
宿代の貨幣が使えたのは幸いだったが、今度からは商業ギルドで両替してくれと言われた。
金や銀の含有量の違いがあるらしく、少し多めに取られたよ。
手数料が有るからね。

そういえばルナシャが胡椒を買うとき金貨の質量を測ってたな。
魔法を掛けてたから何してるのってキャサリンさんに聞いたら、含有量確かめる為に、体積と重さを調べてるって答えてくれたのを思い出した。

当日はその後直ぐに取ってた宿で僕は爆睡したけど、他の人は食事と南国の酒を堪能したみたいだ。
7時間も飛行したのに元気だな。
流石は馬車で何日も移動する世界だけの事は有る。
慣れだな。


翌日はオーシャンビューのテラスで清々しい朝日を浴びて精気を養う。
顔を荒い朝御飯を食べて用を足して服装を整え街に出る。

朝御飯は果汁とパンそれにハムエッグだったが、割りと美味しく頂いた。
この国は食材が豊かだな。
それが故にキヌアはいまいちな扱いだね。
そりゃあ米や麦と比べたら、味や脱穀等問題が有るから仕方ない。
何しろ選別が大変らしい。
2ミリ位の丸い粒なので砂等と取り分けるのに苦労する。
だから貧しい地方か好きな人しか食べないのだとか。
それでも売っているのは有り難い。


穀物を扱う店に来た。
ルナシャとマリーは途中で寄った商業ギルドの両替金で、またもや胡椒の買付をしていた。

僕は種籾用のキヌアと食用のキヌアを相当量買い、穀物全般の栽培方法の小冊子も買った。
最初お店の人に栽培方法聞いたら、文字が読めるならと、本を勧められてね。
神様スキル(文字や言語理解)は有り難い。
勿論胡椒や他の香辛料もいっぱい買ったよ。
カレーの為に。
ゆ~ちゃんのレトルトだと沢山振る舞えないから。


午前中で済んでしまったので、午後は宿の前のビーチで遊んだ。
浜辺で波と戯れ、海の家みたいなのでお昼を食べる。

そしてそして何より、マリーとキャサリンさんのビキニがたまらん。
そう!、水着が有ったのだよ、水着が。
沖は魔物がいるが、遠浅の浜辺にはいないとの事。
だから普通に皆泳いでる。
砂漠にはサンドワームがいるけど、浜辺にはいないみたい。
ゴカイや本虫それにフナムシなんかは魔物には進化していなかった。
良かったよ本虫の魔物とか勘弁して欲しい。
フナムシはもっと嫌だ。
どちらも高級な魚の餌だけどね。

いやあ~、それよりビキニだよ。

キャサリンさんのビキニ姿に見惚れていたらマリーに叩かれた。
うんマリーも素敵だよ。
鼻血ブ~だよ。

マリーと宿の部屋が別で良かった。
ホントに···良かった。


帰りの飛行艇は夜明けと共に出発。
到着は昼ちょい過ぎ。
朝早かった為か皆爆睡だった。
例の如く降機する時に板チョコ3箱とブランデー1瓶、ユンカル1ダースお持ち帰りされた。
マリーはカレーとご飯のレトルトを数個持ってた。
数量が降ろせないのが残念ではある。


胡椒は船積みの卸値で売れて皆ホクホクだ。
どうだろう買値の6倍かな。

キヌアは全てアイテムボックスに保管していざという時に出す。

帰って次の日に海難信号の魔法が上がったので出動だ。


「転覆してるね」
「これは無理だわよ」
マリーが言うが、僕としては結界が有るので。
「船底に穴を開けてみるよ」
「気を付けてね」
流石のキャサリンさん達でも、僕のような結界が無ければ難しい。

「命綱は」
「僕の場合逆に引っ掛かるかもしれないから要らないし、いざとなったら結界延伸で船底を破って出るよ」
「···」
「大丈夫だよマリー、結界を延伸したら空気も吸えるから」
「···うん」
マリーの頭をポンポンと撫でて降機した。


ゆ~ちゃんの電動工具で何とか船底を切り結界延伸を掛けて、船の内部に空気を送り込む。
そんなに大きくない船室には2名の意識のない人しか見当たらず、そのまま搭乗で収納したが、既に息も脈も無かった。
ゆ~ちゃんが生命反応が無い事を確認したので、辺りの海上の生命反応を確認してもらう。
僕も鑑定を広範囲に掛けて魔力を探すが、人の魔力反応は無かった。

「ありがとうな」
「いえお力に成れずすいません」
「いやいや謝るなよ、こっちは助けてもらうほうなんだから」
海運ギルドのマスターから言葉を貰うが、今回は気が重かった。
どうしようも無い事は有ると、割り切る事にした。
数日後に2名の遺体が打ち上がったが、4名死亡、行方不明2名の報告で纏まる。


パキッ!。
「ねえゆ~ちゃん」
『何でしょうご主人様』
「板チョコやブランデーそれにユンカルって大量には入手出来ないよね」
『そうですねえ~、ご主人様を鑑定してもよろしゅうございますか』
「えっ!、別にいいけど」
『それでは鑑定致します』
「······僕の鑑定と装備品って関係有るの?」
『はい、ご主人様の経験値が上がると、魔力総量も増えますので、装備品の量を増やせますよ』
「え~、うそっ」
『本当ですよ。ヒルコ様からご説明は』
「ない」
『ああ、神は大雑把ですからねえ。
ステータスオープンと唱えてくださいまし。
ご自身のレベルとか見れます』
「はっ、なにそのゲームみたいなの?」
『ヒルコ様はご主人様の世界のゲームに似せて創造されましたから』
「•••••••••」
ドン引きです。


ゆ~ちゃん曰く。
かなりレベルが上がっているので、それぞれ十倍は装備品が増やせるとの事だった。
それでも流石に商売は出来ない。
おそらく百倍でも無理だろう。
万倍で何とか小売業が出来るかな。


ある時、諸用で領主屋敷にお邪魔した処、例の公爵様にブランデーは一月に一瓶なら売れますと言ったら、キャサリンさんと領主様にズイ!、と寄られてお二人にも一月一瓶銀貨2枚でお譲りする羽目に。
尚キャサリンさんには板チョコ一箱おまけ付きだ。(公爵様や領主様には内緒である)。

いいんだよ貴族には砂糖なんて安いもんだろ。
そんな呟きも災いしてか、砂糖1キロまでおまけにされた。
いやあキャサリンさんやり手だね。
塩コショウも付けてあげよう。
水着のサービスショットもあったし。


大丈夫、大丈夫、だって元手はタダだもん。
僕は意外とチャラ男だ。

····························

大阪杯惨敗···。
桜花賞は流石に堅いかな。
皐月賞は意外な落とし穴が有るかもね。逃げ馬を軽んじると痛い目に合いそうだ。
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