ヴェクセルバルクの子 ―― 取り替えられた令嬢は怯まず ――
エルデ=ニルール=リッチェルは、リッチェル侯爵家の中で強い疎外感を常に抱いていた。 その理由は自分の容姿が一族の者達とかけ離れている『色』をしている事から。 確かに侯爵夫人が産んだと、そう皆は云うが、見た目が『それは違う』と、云っている様な物だった。
家族の者達は腫れ物に触るようにしか関わっては来ず、女児を望んだはずの侯爵は、娘との関りを絶つ始末。 侯爵家に於いて居場所の無かったエルデ。
そんなエルデの前に「妖精」が顕現する。
妖精の悪戯により、他家の令嬢と入れ替えられたとの言葉。 自身が感じていた強い違和感の元が白日の下に晒される。
混乱する侯爵家の面々。 沈黙を守るエルデ。 しかし、エルデが黙っていたのは、彼女の脳裏に浮かぶ 「記憶の泡沫」が、蘇って来たからだった。 この世界の真実を物語る、「記憶の泡沫」。
そして、彼女は決断する。
『柵』と『義務』と『黙示』に、縛り付けられた、一人の女の子が何を厭い、想い、感じ、そして、何を為したか。
この決断が、世界の『意思』が望んだ世界に何をもたらすのか。
エルデの望んだ、『たった一つの事』が、叶うのか?
世界の『意思』と妖精達は、エルデの決断に至る理由を知らない。 だからこそ、予定調和が変質してゆく。 世界の『意思』が、予測すら付かぬ未来へと、世界は押し流されて行く。
家族の者達は腫れ物に触るようにしか関わっては来ず、女児を望んだはずの侯爵は、娘との関りを絶つ始末。 侯爵家に於いて居場所の無かったエルデ。
そんなエルデの前に「妖精」が顕現する。
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混乱する侯爵家の面々。 沈黙を守るエルデ。 しかし、エルデが黙っていたのは、彼女の脳裏に浮かぶ 「記憶の泡沫」が、蘇って来たからだった。 この世界の真実を物語る、「記憶の泡沫」。
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