未来の貴方にさよならの花束を

まったりさん

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【悲報】 クラスメイト死す

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「……眠いなぁ」
 彼方と別れた僕は階段を上って大部屋に戻っていた。集団練習のせいで体の疲れが酷く、眠気も酷かった。
 にしても覗きに行った男子はどうなったのだろう。無事に覗きをすることができたのだろうか。
 ……まぁ、僕が気にするようなことでもないか。
 などと心の中でぼやきながら歩いていると、いつしか大部屋に戻っていた。
「あれ……」
 男子たちはまだ帰って来てないようだった。
 どれだけ覗きに時間がかかってるのやら、と思いつつ息を吐いていると、
「なにしてんの誠」
「ひっ!?」
 背後から突然声がして変な声が出てしまった。
「人の声聞いた瞬間馬鹿みたいな声を上げてどうしたの?」
「……誰だって突然背後から声かけられたらびっくりするっての」
 ほんと心臓に悪いからやめて欲しい。
「というかなんでお前ここにいるの? ここの大部屋は男子の部屋だぞ、お前男だったのか?」
「馬鹿言わないでよ、私が男だったら天変地異だよ」
 意味を分かって言ってるのだろうか。
「ただ残ってる男子たちに報告があっただけだよ。って、このクラスの残ってる男子誠だけ?」
「そうだけど?」
「じゃあ伝えるけど、男子たち全員覗きが発覚して反省文指導されてるから今日は多分この部屋に戻れそうにないよ」
「……は? あいつらあれだけ計画してたのにバレたの?」
 心の底から馬鹿なのかと思った。
「普通にバレてたバレてた。今日は床で寝させられるらしいよ、覗かれた女子たちの提案によってそう決まったらしい」
「いや女子の恨み怖すぎかよ」
「私はそこまでしなくてもって思ったんだけどね。それにしても誠しなかったんだね、覗き」
「まぁな、興味ないし」
 単純に誘われなかっただけだが。
「どうせ誘われなかっただけだろうけど」
 なぜわかったし。
「あ、図星って顔してる。まぁ誠はなんやかんやでむっつりスケベだしね、誘われてたなら絶対に行くに決まってる」
「なんだその信用の無さ」
「誠めちゃくちゃ嘘吐くし」
「時には人間嘘は必要だよ、誰だって嘘を吐く、お前も誰しも嘘を吐く。僕はほんの少し嘘を吐く回数が多いだけだよ」
「ほんの少し……ねぇ」
「な、なんだよ」
「ほんの少しどころじゃないと私は思うんだけどねぇ」
 ジト目でそんなことを言う小夜曲。
「まぁ、んなことはいいんだよ」
「あ、逃げた」
 逃げたのではない。戦略的撤退である。
「んで、これって連帯責任だったりするのか? 僕に罰とかあったり……」
「別にそういうのはないらしいよ。残ってる男子はなにも罰はないらしいけど……まさか誠だけとは……」
「僕って優秀だな」
「どの口が言ってるんだかねぇ」
 小夜曲はやれやれと首を横に振った。
「まぁ誠は後少しして、この部屋でスケジュール通り寝ればいいと思うよ。……もしかして、寂しかったりする?」
「逆に人がいなくなってせいせいしたくらいだよ」
「寂しくなったらいつでも私を呼んでね!」
「話聞いてる?」
 耳の機能がぶっ壊れてるんじゃないかと思うくらいには難聴だ。
「んじゃ、私戻るね」
「おう、二度と来るな」
「流石に辛辣すぎないかなぁ……」
 とぼとぼと帰っていく小夜曲。こんだけ辛辣に言っても普通に来そうだけどな、こいつの場合。
「……ふぁぁ、どうせ他の男子もいないしパパっと寝るかなぁ」
 ゴロリと敷布団の上に横になったが、ベッドとはまた違う気持ちよさがそこにはあった。
 僕は目を閉じる。すると疲れが溜まっていたからか段々と意識が落ちて行って、僕はぐっすりと寝てしまうのだった。
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