12 / 13
【悲報】 クラスメイト死す
しおりを挟む
「……眠いなぁ」
彼方と別れた僕は階段を上って大部屋に戻っていた。集団練習のせいで体の疲れが酷く、眠気も酷かった。
にしても覗きに行った男子はどうなったのだろう。無事に覗きをすることができたのだろうか。
……まぁ、僕が気にするようなことでもないか。
などと心の中でぼやきながら歩いていると、いつしか大部屋に戻っていた。
「あれ……」
男子たちはまだ帰って来てないようだった。
どれだけ覗きに時間がかかってるのやら、と思いつつ息を吐いていると、
「なにしてんの誠」
「ひっ!?」
背後から突然声がして変な声が出てしまった。
「人の声聞いた瞬間馬鹿みたいな声を上げてどうしたの?」
「……誰だって突然背後から声かけられたらびっくりするっての」
ほんと心臓に悪いからやめて欲しい。
「というかなんでお前ここにいるの? ここの大部屋は男子の部屋だぞ、お前男だったのか?」
「馬鹿言わないでよ、私が男だったら天変地異だよ」
意味を分かって言ってるのだろうか。
「ただ残ってる男子たちに報告があっただけだよ。って、このクラスの残ってる男子誠だけ?」
「そうだけど?」
「じゃあ伝えるけど、男子たち全員覗きが発覚して反省文指導されてるから今日は多分この部屋に戻れそうにないよ」
「……は? あいつらあれだけ計画してたのにバレたの?」
心の底から馬鹿なのかと思った。
「普通にバレてたバレてた。今日は床で寝させられるらしいよ、覗かれた女子たちの提案によってそう決まったらしい」
「いや女子の恨み怖すぎかよ」
「私はそこまでしなくてもって思ったんだけどね。それにしても誠しなかったんだね、覗き」
「まぁな、興味ないし」
単純に誘われなかっただけだが。
「どうせ誘われなかっただけだろうけど」
なぜわかったし。
「あ、図星って顔してる。まぁ誠はなんやかんやでむっつりスケベだしね、誘われてたなら絶対に行くに決まってる」
「なんだその信用の無さ」
「誠めちゃくちゃ嘘吐くし」
「時には人間嘘は必要だよ、誰だって嘘を吐く、お前も誰しも嘘を吐く。僕はほんの少し嘘を吐く回数が多いだけだよ」
「ほんの少し……ねぇ」
「な、なんだよ」
「ほんの少しどころじゃないと私は思うんだけどねぇ」
ジト目でそんなことを言う小夜曲。
「まぁ、んなことはいいんだよ」
「あ、逃げた」
逃げたのではない。戦略的撤退である。
「んで、これって連帯責任だったりするのか? 僕に罰とかあったり……」
「別にそういうのはないらしいよ。残ってる男子はなにも罰はないらしいけど……まさか誠だけとは……」
「僕って優秀だな」
「どの口が言ってるんだかねぇ」
小夜曲はやれやれと首を横に振った。
「まぁ誠は後少しして、この部屋でスケジュール通り寝ればいいと思うよ。……もしかして、寂しかったりする?」
「逆に人がいなくなってせいせいしたくらいだよ」
「寂しくなったらいつでも私を呼んでね!」
「話聞いてる?」
耳の機能がぶっ壊れてるんじゃないかと思うくらいには難聴だ。
「んじゃ、私戻るね」
「おう、二度と来るな」
「流石に辛辣すぎないかなぁ……」
とぼとぼと帰っていく小夜曲。こんだけ辛辣に言っても普通に来そうだけどな、こいつの場合。
「……ふぁぁ、どうせ他の男子もいないしパパっと寝るかなぁ」
ゴロリと敷布団の上に横になったが、ベッドとはまた違う気持ちよさがそこにはあった。
僕は目を閉じる。すると疲れが溜まっていたからか段々と意識が落ちて行って、僕はぐっすりと寝てしまうのだった。
彼方と別れた僕は階段を上って大部屋に戻っていた。集団練習のせいで体の疲れが酷く、眠気も酷かった。
にしても覗きに行った男子はどうなったのだろう。無事に覗きをすることができたのだろうか。
……まぁ、僕が気にするようなことでもないか。
などと心の中でぼやきながら歩いていると、いつしか大部屋に戻っていた。
「あれ……」
男子たちはまだ帰って来てないようだった。
どれだけ覗きに時間がかかってるのやら、と思いつつ息を吐いていると、
「なにしてんの誠」
「ひっ!?」
背後から突然声がして変な声が出てしまった。
「人の声聞いた瞬間馬鹿みたいな声を上げてどうしたの?」
「……誰だって突然背後から声かけられたらびっくりするっての」
ほんと心臓に悪いからやめて欲しい。
「というかなんでお前ここにいるの? ここの大部屋は男子の部屋だぞ、お前男だったのか?」
「馬鹿言わないでよ、私が男だったら天変地異だよ」
意味を分かって言ってるのだろうか。
「ただ残ってる男子たちに報告があっただけだよ。って、このクラスの残ってる男子誠だけ?」
「そうだけど?」
「じゃあ伝えるけど、男子たち全員覗きが発覚して反省文指導されてるから今日は多分この部屋に戻れそうにないよ」
「……は? あいつらあれだけ計画してたのにバレたの?」
心の底から馬鹿なのかと思った。
「普通にバレてたバレてた。今日は床で寝させられるらしいよ、覗かれた女子たちの提案によってそう決まったらしい」
「いや女子の恨み怖すぎかよ」
「私はそこまでしなくてもって思ったんだけどね。それにしても誠しなかったんだね、覗き」
「まぁな、興味ないし」
単純に誘われなかっただけだが。
「どうせ誘われなかっただけだろうけど」
なぜわかったし。
「あ、図星って顔してる。まぁ誠はなんやかんやでむっつりスケベだしね、誘われてたなら絶対に行くに決まってる」
「なんだその信用の無さ」
「誠めちゃくちゃ嘘吐くし」
「時には人間嘘は必要だよ、誰だって嘘を吐く、お前も誰しも嘘を吐く。僕はほんの少し嘘を吐く回数が多いだけだよ」
「ほんの少し……ねぇ」
「な、なんだよ」
「ほんの少しどころじゃないと私は思うんだけどねぇ」
ジト目でそんなことを言う小夜曲。
「まぁ、んなことはいいんだよ」
「あ、逃げた」
逃げたのではない。戦略的撤退である。
「んで、これって連帯責任だったりするのか? 僕に罰とかあったり……」
「別にそういうのはないらしいよ。残ってる男子はなにも罰はないらしいけど……まさか誠だけとは……」
「僕って優秀だな」
「どの口が言ってるんだかねぇ」
小夜曲はやれやれと首を横に振った。
「まぁ誠は後少しして、この部屋でスケジュール通り寝ればいいと思うよ。……もしかして、寂しかったりする?」
「逆に人がいなくなってせいせいしたくらいだよ」
「寂しくなったらいつでも私を呼んでね!」
「話聞いてる?」
耳の機能がぶっ壊れてるんじゃないかと思うくらいには難聴だ。
「んじゃ、私戻るね」
「おう、二度と来るな」
「流石に辛辣すぎないかなぁ……」
とぼとぼと帰っていく小夜曲。こんだけ辛辣に言っても普通に来そうだけどな、こいつの場合。
「……ふぁぁ、どうせ他の男子もいないしパパっと寝るかなぁ」
ゴロリと敷布団の上に横になったが、ベッドとはまた違う気持ちよさがそこにはあった。
僕は目を閉じる。すると疲れが溜まっていたからか段々と意識が落ちて行って、僕はぐっすりと寝てしまうのだった。
22
あなたにおすすめの小説
高校生なのに娘ができちゃった!?
まったりさん
キャラ文芸
不思議な桜が咲く島に住む主人公のもとに、主人公の娘と名乗る妙な女が現われた。その女のせいで主人公の生活はめちゃくちゃ、最初は最悪だったが、段々と主人公の気持ちが変わっていって…!?
そうして、紅葉が桜に変わる頃、物語の幕は閉じる。
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる
釧路太郎
キャラ文芸
僕には露出狂のいとこが三人いる。
他の人にはわからないように僕だけに下着をチラ見せしてくるのだが、他の人はその秘密を誰も知らない。
そんな三人のいとこたちとの共同生活が始まるのだが、僕は何事もなく生活していくことが出来るのか。
三姉妹の長女前田沙緒莉は大学一年生。次女の前田陽香は高校一年生。三女の前田真弓は中学一年生。
新生活に向けたスタートは始まったばかりなのだ。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」にも投稿しています。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
先輩から恋人のふりをして欲しいと頼まれた件 ~明らかにふりではないけど毎日が最高に楽しい~
桜井正宗
青春
“恋人のふり”をして欲しい。
高校二年の愁(しゅう)は、先輩の『柚』からそう頼まれた。
見知らずの後輩である自分になぜと思った。
でも、ふりならいいかと快諾する。
すると、明らかに恋人のような毎日が始まっていった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる