婚約破棄に全力感謝

あーもんど

文字の大きさ
26 / 50
第二章

平民 2

 国外追放となれば、ルーナ様はもうフェガロフォス国のために魔法を使う義理はない。聖母みたいに優しいルーナ様でも、国外追放されても尚この国のために魔法を使い続けることはしないだろう。
 俺達四人は衛兵に追加で幾つか質問させてもらった後、急いで皆の元へ戻り、衛兵から聞いた真実を語った。

「なっ....!?ルーナ様が国外追放だと!?」

「あんの...!馬鹿殿下!愚王の息子だから、何かやらかすとは思っていたが....!!」

「ルーナ様を国外追放だなんて.....!」

「馬鹿は死ななきゃ直らないと言うけど、あの殿下の場合死んでも直らなさそうね」

 などと皆、言いたい放題だ。
 ルーナ様が居なければ、この国は終わったも同然。  
 国外へ逃亡したいところだが....俺達のような薄汚い平民を受け入れてくれる国はあるのだろうか?
 服はボロボロ。髪も体も土と汗の臭いで鼻が慣れてなければ顔を背けたくなるほどの臭さだ。体はガリガリだし、魔法だって大したものは使えない。
 そんな俺達を受け入れてくれる国はあるのか?
 ............ない、だろうな。

「これから、私達はどうすれば良いのっ...!」

「この国から逃げて、他国へ受け入れて貰うしか.....」

「でも、私達を受け入れてくれる国なんて....」

「だよな......いや、待てよ!?ルーナ様なら....ルーナ様が居るというソル国なら!」

「本当にルーナ様が居るなら、あの方にソル国の皆さんへ口添えしてもらえれば、なんとか助かるかもしれんが....その情報が嘘だったらどうする?」

「そのときはそのときだ!今はこれしかない!」

 結局、フェガロフォス国の平民の俺達もルーナ様をに頼って、甘えて、縋っている。貴族や王族だけじゃない。俺達もルーナ様に依存している害虫だ。
 だけど.....本当にもうこれしかない。
 ルーナ様には迷惑を掛けっぱなしで申し訳ないが...。
 ルーナ様、どうかお願いです。頼るのも甘えるのも縋るのもこれで最後にします。だから、どうか最後の願いを叶えてください。
 俺達をどうか....救ってください。
 俺達は『思い立ったが吉日』という言葉に従って、今日中に準備を整えて夜遅くにこの国を出ることにした。
 幸い、俺達平民を監視する者は居ない。
 門番を倒すのに少々時間は掛かったが、俺達は無事フェガロフォス国から出ることが出来た。
 俺達のこの行動が吉と出るか、凶と出るかは分からない。
 だけど、何もせずあの国に残り、共に滅びるのだけは絶対御免だ。
 俺達はただその想いだけを胸に馬を走らせるのだった。
感想 51

あなたにおすすめの小説

姉の所為で全てを失いそうです。だから、その前に全て終わらせようと思います。もちろん断罪ショーで。

しげむろ ゆうき
恋愛
 姉の策略により、なんでも私の所為にされてしまう。そしてみんなからどんどんと信用を失っていくが、唯一、私が得意としてるもので信じてくれなかった人達と姉を断罪する話。 全12話

(完)婚約破棄ですか? なぜ関係のない貴女がそれを言うのですか? それからそこの貴方は私の婚約者ではありません。

青空一夏
恋愛
グレイスは大商人リッチモンド家の娘である。アシュリー・バラノ侯爵はグレイスよりずっと年上で熊のように大きな体に顎髭が風格を添える騎士団長様。ベースはこの二人の恋物語です。 アシュリー・バラノ侯爵領は3年前から作物の不作続きで農民はすっかり疲弊していた。領民思いのアシュリー・バラノ侯爵の為にお金を融通したのがグレイスの父親である。ところがお金の返済日にアシュリー・バラノ侯爵は満額返せなかった。そこで娘の好みのタイプを知っていた父親はアシュリー・バラノ侯爵にある提案をするのだった。それはグレイスを妻に迎えることだった。 年上のアシュリー・バラノ侯爵のようなタイプが大好きなグレイスはこの婚約話をとても喜んだ。ところがその三日後のこと、一人の若い女性が怒鳴り込んできたのだ。 「あなたね? 私の愛おしい殿方を横からさらっていったのは・・・・・・婚約破棄です!」 そうしてさらには見知らぬ若者までやって来てグレイスに婚約破棄を告げるのだった。 ざまぁするつもりもないのにざまぁになってしまうコメディー。中世ヨーロッパ風異世界。ゆるふわ設定ご都合主義。途中からざまぁというより更生物語になってしまいました。 異なった登場人物視点から物語が展開していくスタイルです。

婚約破棄が国を亡ぼす~愚かな王太子たちはそれに気づかなかったようで~

みやび
恋愛
冤罪で婚約破棄などする国の先などたかが知れている。 全くの無実で婚約を破棄された公爵令嬢。 それをあざ笑う人々。 そんな国が亡びるまでほとんど時間は要らなかった。

【完結】無能と称され婚約破棄された精霊の愛し子は国を見切ります

ルー
恋愛
学園の卒業パーティーで突然婚約破棄を告げられたユリア・シェーラ。 ユリアに非があったのならば仕方がなかっただろう。 しかしあろうことかユリアの婚約者であったサイラス・ヴィ―ルヘミア第二王子はユリアに冤罪を着せ国外追放にしようとしたのだ。 もしユリアがただの侯爵令嬢であったならまだ何とかなっただろう。 だが、ユリアは精霊に愛される精霊の愛し子だったのだ。 精霊に愛されたユリアがいたからこそ、精霊の加護によってこの国は栄えたのであって、ユリアがいなくなれば必然的にその加護は消えてしまう。 その事実は貴族ならば誰でも知っている話だ。 しかしどこまでも馬鹿な王子サイラスは知らなかったのだ。 国外追放に処されたユリアはどこまでも馬鹿なサイラスと精霊の愛し子である自分を無能と称した国を見切った。 手始めにどうしようかと考えたユリアは死の森で隣国の皇太子に会う。

【完結】女王と婚約破棄して義妹を選んだ公爵には、痛い目を見てもらいます。女王の私は田舎でのんびりするので、よろしくお願いしますね。

五月ふう
恋愛
「シアラ。お前とは婚約破棄させてもらう。」 オークリィ公爵がシアラ女王に婚約破棄を要求したのは、結婚式の一週間前のことだった。 シアラからオークリィを奪ったのは、妹のボニー。彼女はシアラが苦しんでいる姿を見て、楽しそうに笑う。 ここは南の小国ルカドル国。シアラは御年25歳。 彼女には前世の記憶があった。 (どうなってるのよ?!)   ルカドル国は現在、崩壊の危機にある。女王にも関わらず、彼女に使える使用人は二人だけ。賃金が払えないからと、他のものは皆解雇されていた。 (貧乏女王に転生するなんて、、、。) 婚約破棄された女王シアラは、頭を抱えた。前世で散々な目にあった彼女は、今回こそは幸せになりたいと強く望んでいる。 (ひどすぎるよ、、、神様。金髪碧眼の、誰からも愛されるお姫様に転生させてって言ったじゃないですか、、、。) 幸せになれなかった前世の分を取り返すため、女王シアラは全力でのんびりしようと心に決めた。 最低な元婚約者も、継妹も知ったこっちゃない。 (もう婚約破棄なんてされずに、幸せに過ごすんだーー。)

愚かな者たちは国を滅ぼす【完結】

春の小径
ファンタジー
婚約破棄から始まる国の崩壊 『知らなかったから許される』なんて思わないでください。 それ自体、罪ですよ。 ⭐︎他社でも公開します

婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。

三葉 空
恋愛
 ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……

【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ

リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。 先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。 エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹? 「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」 はて、そこでヤスミーンは思案する。 何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。 また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。 最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。 するとある変化が……。 ゆるふわ設定ざまああり?です。