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最終章
再会
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私─────ライアンが馬車の中でゆったりと寛いで過ごすこと三日。
ようやくお目当ての国────ソル国が見えてきた。
ここ三日間は地獄のような日々だった。
魔物に襲われたり、食糧が足りなくなったりと散々だ。おまけにこの私が野宿だなんて.....。
だが、その地獄のような生活がようやく終わるのかと思うと胸に達成感と解放感が沸き上がる。
ルーナを倒せば、きっとソル国の連中は私に媚びを売り始める。私をもてなしてくれることだろう。
そして、帰りはソル国の連中に転移の魔法でも何でも使わせれば良い。
ふはははっ!完璧な計画だ!さすがは私!
腰に差してある剣にそっと触れた。
エクスカリバー!これがあれば、私は無敵だ!
ルーナを倒し、フェガロフォス国を立て直したあと、この大陸の支配者になるのも良いかもしれんな!
いや、大陸と言わずこの世界の支配者に....!
世界征服か...エクスカリバーを手にする私ならば可能だろう。
頬がだらしなく緩む。
まあ、フェガロフォス国一の美形である私ならば緩みきった表情も絵になることだろう。
荷物の中から手鏡を取り出そうとしたとき、徐々に馬車が減速していき、ついに止まった。
なんだ?もう着いたのか?
あと30分は時間がかかると思っていたが...。
そのとき、コンコンと馬車の扉を控えめにノックする音が聞こえた。
「ライアン陛下、その....ルーナ様が...」
「ルーナ?」
『ソル国に到着しました』という報告をしに来るのだろうと思っていたが、どうやらそうではないらしい。
私は不思議に思いつつも馬車を降りると、そこはまだソル国の前ではなく、砂漠が広がっているだけの殺風景なところだった。
そんな殺風景な場所で一際目を惹く女が居た。
そう、それはルーナ・マルティネス。
真っ赤な布に黒の刺繍が施されたドレスを身に纏い、艶やかな銀髪をハーフアップにしている。化粧のせいか、以前よりも大人っぽく見える。
口元に笑みを携え、こちらを見据えるルーナはとても美しい。『美女』という言葉がこんなにも似合う女性は恐らくルーナだけだろう。
「ライアン陛下が私に用があってソル国へ向かっていると風の噂で聞いたものですから、お迎えにあがりました」
鈴の鳴るような声がスッと耳に入ってくる。
久しぶりに聞いたルーナの声は以前と変わらず、耳障りが良い。
その美声にほうっと惚けてしまいそうになるが、それを寸前でグッと堪えた。
危ない...!ルーナのペースに乗せられるところだった!
やはり、この女は危険だ!
「ルーナ、出迎えご苦労。だが、貴様がここに居るのならソル国へ向かう必要はない。ここで話をしようじゃないか」
「私はそれでも構いませんよ。それで話というのは?」
「ふん!そんなの決まっているであろう!?貴様を殺しに来たのだ!この宝刀エクスカリバーで貴様をあの世へ送ってくれる!」
腰から剣を抜き、その場で構えた。
私の発言と行動にフェガロフォス国の貴族達は唖然としている。
ふはははっ!のこのこ付いてきたお前達が悪い!さっさと剣を抜いて戦闘体勢に入ることだな!
ニヤッと不敵な笑みを浮かべる私をルーナは眉一つ動かすことなく、見つめていた。
ようやくお目当ての国────ソル国が見えてきた。
ここ三日間は地獄のような日々だった。
魔物に襲われたり、食糧が足りなくなったりと散々だ。おまけにこの私が野宿だなんて.....。
だが、その地獄のような生活がようやく終わるのかと思うと胸に達成感と解放感が沸き上がる。
ルーナを倒せば、きっとソル国の連中は私に媚びを売り始める。私をもてなしてくれることだろう。
そして、帰りはソル国の連中に転移の魔法でも何でも使わせれば良い。
ふはははっ!完璧な計画だ!さすがは私!
腰に差してある剣にそっと触れた。
エクスカリバー!これがあれば、私は無敵だ!
ルーナを倒し、フェガロフォス国を立て直したあと、この大陸の支配者になるのも良いかもしれんな!
いや、大陸と言わずこの世界の支配者に....!
世界征服か...エクスカリバーを手にする私ならば可能だろう。
頬がだらしなく緩む。
まあ、フェガロフォス国一の美形である私ならば緩みきった表情も絵になることだろう。
荷物の中から手鏡を取り出そうとしたとき、徐々に馬車が減速していき、ついに止まった。
なんだ?もう着いたのか?
あと30分は時間がかかると思っていたが...。
そのとき、コンコンと馬車の扉を控えめにノックする音が聞こえた。
「ライアン陛下、その....ルーナ様が...」
「ルーナ?」
『ソル国に到着しました』という報告をしに来るのだろうと思っていたが、どうやらそうではないらしい。
私は不思議に思いつつも馬車を降りると、そこはまだソル国の前ではなく、砂漠が広がっているだけの殺風景なところだった。
そんな殺風景な場所で一際目を惹く女が居た。
そう、それはルーナ・マルティネス。
真っ赤な布に黒の刺繍が施されたドレスを身に纏い、艶やかな銀髪をハーフアップにしている。化粧のせいか、以前よりも大人っぽく見える。
口元に笑みを携え、こちらを見据えるルーナはとても美しい。『美女』という言葉がこんなにも似合う女性は恐らくルーナだけだろう。
「ライアン陛下が私に用があってソル国へ向かっていると風の噂で聞いたものですから、お迎えにあがりました」
鈴の鳴るような声がスッと耳に入ってくる。
久しぶりに聞いたルーナの声は以前と変わらず、耳障りが良い。
その美声にほうっと惚けてしまいそうになるが、それを寸前でグッと堪えた。
危ない...!ルーナのペースに乗せられるところだった!
やはり、この女は危険だ!
「ルーナ、出迎えご苦労。だが、貴様がここに居るのならソル国へ向かう必要はない。ここで話をしようじゃないか」
「私はそれでも構いませんよ。それで話というのは?」
「ふん!そんなの決まっているであろう!?貴様を殺しに来たのだ!この宝刀エクスカリバーで貴様をあの世へ送ってくれる!」
腰から剣を抜き、その場で構えた。
私の発言と行動にフェガロフォス国の貴族達は唖然としている。
ふはははっ!のこのこ付いてきたお前達が悪い!さっさと剣を抜いて戦闘体勢に入ることだな!
ニヤッと不敵な笑みを浮かべる私をルーナは眉一つ動かすことなく、見つめていた。
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