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終章
エピローグ
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────それから、数年後。
私は小さい頃交した約束通り、終焉を招く精霊王 サナトスと結婚した。
今は『時間』という概念がない精霊界で、夫婦二人ゆったりと暮らしている。
「僕の可愛いアリス、何を考えているんだい?」
「数年前のあの事件のことよ。もう何年も前のことなのに、なかなか忘れられなくて····」
「まあ、確かにあの忌々しい事件は未だに忘れられないね。今思い出しても、本当に腹が立つ······あの国、滅ぼして来てもいい?」
綺麗な顔を歪め、突拍子もないことを言い出すサナトス。
きっと、彼は私が『いいよ』と言えば、今すぐにでもあの国を闇で呑み込んでしまうだろう。
当時の彼は平静を装っていたが、内心はかなり苛立っていたから······。
私の旦那様は本当に物騒ね。
「ダメよ。王太子が王位についてから、あの国は今、安定しているんだから。滅ぼすのが勿体ないわ」
「はぁ······僕のアリスはとことん甘いね。まあ、そこがまた可愛いんだけど······」
チュッと私の頬にキスを落とすサナトスは甘い笑みを零す。
結婚してから、更に甘さが増した彼はとにかく私にベッタリだった。
「ねぇ、本当に滅ぼさなくていいのかい?頼んでくれれば、直ぐに滅ぼして来るよ」
よっぽど、あの国が目障りなのかサナトスは再度私に問う。
殺意でギラついた金色の瞳を見つめ返しながら、私は首を横に振った。
「滅ぼさなくて良いわ。私は別にそこまで望んでいないもの。それに────この子のためにも、今はサナトスに側にいて欲しいの」
そう言って、私は僅かに膨らんだお腹を撫でる。
そう────私は今、サナトスとの子を妊娠中なのだ。
記念すべき第一子である。
「初めての妊娠だし、この子は精霊と人間のハーフでしょう?だから、凄く不安で·····サナトスには片時も離れず、側にいて欲しいの。ダメかしら?」
コテンと首を傾げ、あざとくお強請りすれば、サナトスはギュッと私を抱き締めた。
「全っ然ダメじゃないよ!むしろ、ウェルカム!」
「うふふっ。それは良かったわ」
「僕がずっと側に居るから安心してね!この子もアリスも僕が絶対守るから!」
「それは頼もしいわ」
サナトスはお腹の子を潰さないよう気をつけながら、私を強く抱き締める。
彼の頭の中にはもう数年前の事件のことも、あの国のことも無くなっていた。
溺愛が止まらない旦那様を見つめながら、私はふと考える。
私、今すごく幸せだ。
私を愛してくれる素敵な旦那様が居て、愛しくて堪らない我が子がお腹の中に居て·····これほど幸せなことはない。
満ち足りた毎日と幸溢れる未来を思い浮かべ、私はフッと頬を緩める。
「愛してるわ、サナトス」
普段『愛してる』なんて絶対言わない私が愛の言葉を口にすれば、サナトスは驚いたように目を見開く。
でも、直ぐに嬉しそうに笑った。
「ふふっ。僕もだよ。心の底からアリスのことを愛してる。絶対君の側から離れない」
惜しげも無く愛の言葉をくれるサナトスは愛しげに私を見つめる。
そして────どちらとでもなく目を瞑り、私達は甘い口付けを交わした。
【END】
※最後までお読み頂き、ありがとうございました。
また、ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません。もっと書き方や設定を考えるべきでした。
(『息抜き作品だから』と特に深く考えず、投稿してしまいました。ご気分を害された方が居たら、本当に申し訳ありません)
私は小さい頃交した約束通り、終焉を招く精霊王 サナトスと結婚した。
今は『時間』という概念がない精霊界で、夫婦二人ゆったりと暮らしている。
「僕の可愛いアリス、何を考えているんだい?」
「数年前のあの事件のことよ。もう何年も前のことなのに、なかなか忘れられなくて····」
「まあ、確かにあの忌々しい事件は未だに忘れられないね。今思い出しても、本当に腹が立つ······あの国、滅ぼして来てもいい?」
綺麗な顔を歪め、突拍子もないことを言い出すサナトス。
きっと、彼は私が『いいよ』と言えば、今すぐにでもあの国を闇で呑み込んでしまうだろう。
当時の彼は平静を装っていたが、内心はかなり苛立っていたから······。
私の旦那様は本当に物騒ね。
「ダメよ。王太子が王位についてから、あの国は今、安定しているんだから。滅ぼすのが勿体ないわ」
「はぁ······僕のアリスはとことん甘いね。まあ、そこがまた可愛いんだけど······」
チュッと私の頬にキスを落とすサナトスは甘い笑みを零す。
結婚してから、更に甘さが増した彼はとにかく私にベッタリだった。
「ねぇ、本当に滅ぼさなくていいのかい?頼んでくれれば、直ぐに滅ぼして来るよ」
よっぽど、あの国が目障りなのかサナトスは再度私に問う。
殺意でギラついた金色の瞳を見つめ返しながら、私は首を横に振った。
「滅ぼさなくて良いわ。私は別にそこまで望んでいないもの。それに────この子のためにも、今はサナトスに側にいて欲しいの」
そう言って、私は僅かに膨らんだお腹を撫でる。
そう────私は今、サナトスとの子を妊娠中なのだ。
記念すべき第一子である。
「初めての妊娠だし、この子は精霊と人間のハーフでしょう?だから、凄く不安で·····サナトスには片時も離れず、側にいて欲しいの。ダメかしら?」
コテンと首を傾げ、あざとくお強請りすれば、サナトスはギュッと私を抱き締めた。
「全っ然ダメじゃないよ!むしろ、ウェルカム!」
「うふふっ。それは良かったわ」
「僕がずっと側に居るから安心してね!この子もアリスも僕が絶対守るから!」
「それは頼もしいわ」
サナトスはお腹の子を潰さないよう気をつけながら、私を強く抱き締める。
彼の頭の中にはもう数年前の事件のことも、あの国のことも無くなっていた。
溺愛が止まらない旦那様を見つめながら、私はふと考える。
私、今すごく幸せだ。
私を愛してくれる素敵な旦那様が居て、愛しくて堪らない我が子がお腹の中に居て·····これほど幸せなことはない。
満ち足りた毎日と幸溢れる未来を思い浮かべ、私はフッと頬を緩める。
「愛してるわ、サナトス」
普段『愛してる』なんて絶対言わない私が愛の言葉を口にすれば、サナトスは驚いたように目を見開く。
でも、直ぐに嬉しそうに笑った。
「ふふっ。僕もだよ。心の底からアリスのことを愛してる。絶対君の側から離れない」
惜しげも無く愛の言葉をくれるサナトスは愛しげに私を見つめる。
そして────どちらとでもなく目を瞑り、私達は甘い口付けを交わした。
【END】
※最後までお読み頂き、ありがとうございました。
また、ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません。もっと書き方や設定を考えるべきでした。
(『息抜き作品だから』と特に深く考えず、投稿してしまいました。ご気分を害された方が居たら、本当に申し訳ありません)
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