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第4章 子どもたちの戦記

第9話 ロサ・アルバの復讐

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ダリアと、ミモザが苦しんで戦っている。
ロサ・アルバには透視能力を持ち、遠くの場所でも映像をみるように見えた。
大切な仲間たちが戦って傷ついている。医療の部隊に癒してもらいながら、なおも戦い続けている光景を見ながら、ロサ・アルバは今、現場で戦っている戦が早く終わることを願った。
銃弾と爆薬で多くの敵を葬りながら、ロサ・アルバは首脳部や幹部の在処を探し続けた。
不意に、ある場所が特定できた。

聡明そうな男と、女たちが言い争っている。戦力や戦略の情報や、補給隊の補充などを言っている。

ロサ・アルバは、「居た・・。見つけた。首脳部の奴らを・・。」
部隊の仲間にそう伝えた。仲間は目を見開き、そこはどこだと尋ねた。或る特定の場所をいうと、彼らは頷き、他の部隊にテレパシーで伝達した。

シズナ女神の聖域ともいえる施設で育った子どもたちは特殊能力を持っている。

透視能力や、驚異的な記憶能力、遠くの人に伝達できる能力、瞬間移動能力、爆弾や人を運べる能力など、戦士や戦いに有利な能力ばかりだった。

とても優秀な頭脳を持った人も居たが、あまりにも良すぎるとなかなか現世に適応できないケースが多かった。
生き残った僅かな人は、アルと言った。
アルは俺には、生き別れの兄弟がいるんだよ。時々、頭がリンクして、そうだな弟とでもいおうか。そいつはとある国の裏社会で幹部になっているよ。 頭が通じ合うことがあるんだ。

一度も生身であったことはないけど、テレパシーや頭のリンクで通じ合っている。

嗚呼。そいつの名前はアールと言うんだ。 いつか来てくれと言ったんだ。
この美しいセルシーオ・ナミへな。今は奪われたけどな・・。


アルは、膨大なデータを分析して、敵の弱点や、能力を調べ上げた。
惜しむらくはその肉体が脆弱で余命数年ということだ。
頭脳の力で、肉体や精神の力を奪われたのだろうか?

ロサ・アルバはアルの能力に感謝をし、多くの敵を容赦なく屠った。

彼女は、母親たちのためにも、決して負けられぬ戦いへと身を投じた。

最も美しい戦いの女神と彼女は呼ばれるようになった。

ロサ・アルバの苛烈な復讐は、女神のように神々しくも禍々しい嵐を戦場に呼び込んで、血の花を大輪に咲かした。

しかし、敵も天才的な武器の発明家や、シズナの能力を奪った子どもたちが居た。

戦いは互角であり、中々決着がつかなかった。 忌々しい・・!

ロサ・アルバは最高の復讐の女神でもあるが、まだ若かった。早く決着をつけたいと気が逸った。そこに隙があった。その隙を見逃さなかった熟練した敵が、彼女の能力を封印する術を編み出し、そこに彼女をおびき寄せた。

彼女は術の輪に包まれ、捕縛された。彼女の力は無力化され始めてロサ・アルバは無力で追い詰められた獲物になった。恐怖に震えながらも、気丈に彼女は母親たちにテレパシーで、御免なさい。お母様。捕縛されたわ。
いいえ。自殺だけはしない。最後まで抗うわ。

彼女は大人しく連行された。彼女の未来は奴隷か?それとも実験動物として研究者に悍ましい解剖や実験をされるかもしれない。彼女は暗澹たる未来を予想しながらも耐えた。

捕えながらも、彼女の目は鋭く睨み据え、怒れる女神の如く、敵を見据えていた。
その雄々しさを超えた禍々しい目は、敵を怯えさせた。
彼女の全身から復讐の炎が青白く燃え盛っていた。


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