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第11章~強くなるために~
第68話
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「ぴー」
外からピピの鳴き声が聞こえた気がして、アクセルは庭に目を向けた。
山から帰って随分時間が経ったので、もう外は夜である。誰かが庭にいるはずもない。
――ヤバい……幻聴まで聞こえるようになってしまった……。
いよいよ重症だ、早く寝て頭を切り替えなければ……と、急いで寝る準備をしようとしたら、今度はもっと大きく「ぴー!」と鳴き声が聞こえた。
あれ? と思っていると、兄がぽんぽんと背中を叩いてきた。
「これピピちゃんの鳴き声でしょ。帰って来てくれたんじゃない?」
「えっ……?」
「ほら、ちゃんと出迎えてあげなくちゃ」
言われて、アクセルは庭に飛び出した。明るい室内から急に暗い庭に出たので、真っ暗で何も見えなかった。
念のために呼びかけてみようとした途端、横から柔らかくて大きなものに突進された。
「ぴー!」
「どわ!」
受け身も取り損ない、思いっきり地面に転倒してしまう。
突然の攻撃に戸惑っていたら、大きなうさぎが前足でペシペシこちらを叩いてきた。少し怒っているようだった。
「ぴー!」
「ピピ!? どうしてここに……何で帰ってきたんだ!?」
「ここ、ピピのおうち。ピピがかえるの、ここ」
「えっ……? でもピピ、山で家族見つけたよな? そっちはいいのか?」
うん、と頷いてくるピピ。
怪訝に思って、アクセルは身体を起こした。せっかく会えた家族と離れるなんて、どういうことなのか理解できなかった。
外からピピの鳴き声が聞こえた気がして、アクセルは庭に目を向けた。
山から帰って随分時間が経ったので、もう外は夜である。誰かが庭にいるはずもない。
――ヤバい……幻聴まで聞こえるようになってしまった……。
いよいよ重症だ、早く寝て頭を切り替えなければ……と、急いで寝る準備をしようとしたら、今度はもっと大きく「ぴー!」と鳴き声が聞こえた。
あれ? と思っていると、兄がぽんぽんと背中を叩いてきた。
「これピピちゃんの鳴き声でしょ。帰って来てくれたんじゃない?」
「えっ……?」
「ほら、ちゃんと出迎えてあげなくちゃ」
言われて、アクセルは庭に飛び出した。明るい室内から急に暗い庭に出たので、真っ暗で何も見えなかった。
念のために呼びかけてみようとした途端、横から柔らかくて大きなものに突進された。
「ぴー!」
「どわ!」
受け身も取り損ない、思いっきり地面に転倒してしまう。
突然の攻撃に戸惑っていたら、大きなうさぎが前足でペシペシこちらを叩いてきた。少し怒っているようだった。
「ぴー!」
「ピピ!? どうしてここに……何で帰ってきたんだ!?」
「ここ、ピピのおうち。ピピがかえるの、ここ」
「えっ……? でもピピ、山で家族見つけたよな? そっちはいいのか?」
うん、と頷いてくるピピ。
怪訝に思って、アクセルは身体を起こした。せっかく会えた家族と離れるなんて、どういうことなのか理解できなかった。
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