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番外編
午餐のあとで①※
…午餐の会が終わったのち、ナシェルはふらつく体を王に支えられ、王の居室に辿りついた。
寝台へ近づき両手を置くも、自力であがることができない。
膝から床へ崩れ落ちかけたところへ、脇の下に手を差し入れられ、寝台の上に引きずり上げられた。
ナシェルはうつ伏せでもがくように寝台上の敷布をたぐりよせる。
のぼせた浅い呼吸と、額をながれ落ちる汗を吸わせた。
……気分が悪い。異物に苛まれているにも関わらず二時間強に亙ってフルコースの食事に付き合わされたからだ。
どの皿も数口しか味わっていない。どんなものを食べたのかもあまり覚えていなかった。
背後から、王が覆い被さってくる。
「大丈夫か……ナシェル?」
労わりの言葉が耳に吹き込まれる。こんな思いをさせたのは自分だろうに。
「辛いどころじゃないです……もう……限界……意地悪!」
身をよじり抗議と催促の意を込めて睨み上げると、心得た王がその顎を掴み、唇にこの上なく濃厚な口づけを施した。
侵入してきた舌に中までかき回されて、甘い痺れが脳天を衝く。たちまち、じぃんと、股の間の肉が熱を取り戻す。
熱いものでも食すかのように、はふはふと淫らな呼吸音を立ててキスに没頭した。
息継ぎの合間に、ん、父上、と切なげな声で甘えるのも忘れない。
うつ伏せのナシェルの体に廻された手が、とりわけゆっくりと、胸の釦を探る。
さんざんこの体を弄んで、準備万端にさせておいて、その上『おあずけ』もさせて。 もう王とて早くナシェルの中に自身を埋めてしまいたいだろうに、この期に及んでもまだ焦らそうとするのだ。
ナシェルは早く脱がせて欲しくて、キスを続けながら王の指を掴み、釦はココ、と誘う。
もう気が狂いそうなほど焦らされているのだ。とにかく早く遂げたい。イきたくてたまらない。それこそ『一巻の終わり』と錯覚するほどにグサリとこの体を、その大きな剱で奥まで突いて欲しい……。
しかし王のほうは、まだナシェルを追いたてる余裕があるらしい。
優しい指がやっとのことで釦を探りあて、ひとつ外し、ふたつ外し。……しかし三つめのボタンは外さずに、隙間から胸元へ手を差し入れてきた。胸のつぼみの片方を、温かい掌で覆い、ゆっくりと掌全体で円を描くように揉みしだく。
「ん、はぅ……」
もどかしくて切なくて、甘い声が漏れた。いつもなら指先でぎゅっと捻って虐めたり、歯や爪を立ててひどく追い詰めたりするのに、そんな風に緩く揉むだけだとかえって刺激が足りなくて歯痒い。
「少し触れただけで、こんなに硬く膨らんで……」
王は唇を離し、乳首の敏感さを耳元で論う。
「下も、触れてなくとももう涎を垂らしているのだろう……淫らな子だね」
「……私を、こういう体になるように育てたのは、貴方の方でしょ」
浅い呼吸の合間にナシェルは力のない反論をする。否定はしない。先ほどからはりつめた尖端のくぼみに、淫らな水分が滲み出てくるのを感じていた。
疼きすぎて、体がどうにかなりそうだった。
上体を反転させ、ナシェルはしどけなく誘う視線で王を見上げる。愛撫が欲しくて、猫撫で声になった。
「それに、こんなになっちゃうのは、貴方の指だからですよ……貴方の指だけ」
「本当に? 自分でするときは、こんな風にイケナイ乳首にならないの?」
「ならない。自分でしても気持ちよくないから。貴方だけ……。ココも、下も、ずっと貴方に触って欲しくて……待ち遠しかった……。ね、だから、もう良いでしょう? 父上……」
「そう? だがそなたは、食事の席でおりこうにしていなかったからね……」
「行儀よくしましたよ。誰にも分からないように貴方にだけ『好き、好き』って10回は目で合図したし」
「テーブルの下でいたずらして来ただろう?」
「だって……だって。貴方が意地悪だから、お返しです。あんなの、早く終わらせて欲しかったのに……」
ナシェルは鼻をすする。欲しがって甘える様子に王は満足げに微笑み、ナシェルの首筋にゆっくりと唇を落とす。
所有の証のようにひとつふたつと、鎖骨の上に赤いしるしを刻んでゆく。
「ん……」
肌の薄い部分をきつく吸い上げられて、ナシェルの腰が快感に揺れ動く。
硬くしこるナシェルの乳首を、王は二本の指で挟んで丁寧に扱きあげる。
中指と親指で摘み、人差し指を滑らせて、ねっとりと何度も、しつこく。
同時に唇で首元の弱い所を的確に攻め、わざと音を立てて耳朶を舐り、ナシェルを追い詰めてゆく。
「…ふっ、ッああ、」
身悶えるたび、自身の茎が存在を主張するようにビクンと痙攣する。後ろまでもが期待にヒクつく。すると否応なしにその奥の異物を、意識せざるを得なくなる。
「全然、足りない。もっと欲しい。上だけじゃなく、下もして……」
うわごとのように、欲望が口を衝いて出た。
「もっと具体的に言ってごらん」
乳蕾をこねられて、ナシェルはがくがくと震えながら懇願した。
「あうっ、もう……早く、…うしろの、変なのを取って下さい」
「取って、どうするの。その後は?」
「……父上のを、……大きいのを、挿れて」
「ほう。挿れて、そのあとは?」
熟れた突起を嬲っていた手が、ようやく他のボタンを外しにかかる。
「そのあとって、云われても」
慣れた手つきで衣装がゆっくりと、剥ぎ取られてゆく。
「挿れるだけでいいのか?」
「いいえ……」
「では、どうすればいい?」
「あの、…え……、奥まで深く突いて……」
「突いて? それで?」
「え……と……、あとは、いつもみたいに」
「もっと詳しく云ってごらん、」
「……中をぐちゃぐちゃって、掻き回して……それで」
全裸にされてゆきながら、ナシェルは被虐的な言葉を探して視線を彷徨わせる。上目遣いになったその耳元で、王が催促する。
「ほらきちんとおねだりしてごらん……」
「ああ……父上、もう限界です。早く欲しくてたまらない。めちゃくちゃに汚して、いっぱい犯して、泣いても絶対に許さないで、気絶するまで何回もイかせて。それで……、父上の濃いやつを、ココに、あふれるぐらい欲しいです」
ナシェルは羞恥を隠したくて、視線を避けるように、王の首に取り縋った。
「濃いやつって? 何を欲しいの」
「も、……ッ!」
ナシェルはイライラが沸点に達し、とうとう王の肩にがぢりと噛みついた。王は笑い出しながらナシェルの髪を撫でる。ナシェルは手懐けられた獣のように、くっきりついた歯型を舐め上げた。
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