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2章:王都編

とりあえず、王都へ

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あれから2か月後、王都入口の検問所には、黒の外装にフードを被る2人の男女がいる。
俺とリンだ。 検問所には、混雑時間なのか長蛇の列ができている。

「検問なんて昔あったっけ? ったく、たりーな。」って俺。
「転移で移動してたから、われも知らん。 シュン、今回はなぜ王都の中にしなかった?」
「ああ、俺ら王都の中の地図もねぇーし、知っている奴もいねぇーだろ。 だからよ、見られねぇー場所わかんなくてよ。 しょーがなく王都周辺の森にしたんだ。」

久しぶりの王都だが、時間経過とともに最新の地図はなく、仕方なしに今回は直接ギルドに転移を諦めた。
それにより検問所を通過する事になった。 人生初だな。

ようやく、俺とリンの番となる。
「王都に来た理由と身分証を。 あと、フード取って」

そいう門番の男に、俺とリンはフードを外す。 
俺は、濃紺の髪に紺色の瞳で、片耳にイヤーカフがついていて赤い石がはめてある。
リンは、長い黒髪を二つに纏めて、瞳は紺色。 シュンと同じくリンもイヤーカフを付けていて、紫色の石がはめてある。 シュンとリンの容姿レベルは、中の上または上の下である。
そう、イヤーカフを魔道具にしてあって、それで容姿レベルから髪色などなど変装している。

フードを外した男女の容姿を確認した門番の兵士。 兵士と俺シュンが会話をする。
「2人ともお似合いだね。 恋人同士?」
「はは。 そんな感じだ。 身分証ってのは?」
「身分証は、住民カード、学生証、またはギルドカードのどれかを見せてもらえればいいよ。」

__身分証なんて持ってない。。
「おれら、ド田舎から学園の入学試験のために来たけど、身分証がないんだけど。。」

そんな俺の言葉に、少し驚いた顔をする兵士ではあるが、一応、身分証がない場合の措置はあるみたいだ。
「そうとうのド田舎だね。 そうなると、まず水晶に手をのせて。」
言われるがままに、俺とリンはそれぞれ水晶に手を乗せるが、特に反応はない。

「一応規則でね。 犯罪履歴の確認なんだ。 あと、王都だけ通行税っていうのがあって、ギルドカード保持者や住民以外は、成人1人銀貨1枚だけど払えるか?」
その質問に、俺は外装のポッケから昔の銀貨2枚を取り出し「これ使える?」と聞いた。

「いやー珍しい。 よく持っているね。 使えるけど価値が変わってね、これ1枚で今の銀貨2枚の価値なんだ。 だらか1枚でいいよ。」といわれ、俺の手のひらにおいてある銀貨を1枚をとっていく兵士。
「ギルド、高利貸、または商会に行って今の硬貨に変えてもらったほうがいいよ。 君達みたいな子が、この硬貨をもっていると他店ではだと騙されるから。 この硬貨、純度が高いから人気があってね、結構付加価値がついているんだ。 ギルドが一番適正価格だよ。 身分証もギルドで発行してくれるよ。」

と、兵はなんか親身になっていろいろ教えてくれる。 ちょっとありがたい。

「そうなんだ。 全然しらなかった。 それで、ギルドはどこ?」

兵士は地図を出して開きながら「今、ここね。 でギルドは、商業区のここで、白い5階建ての大きな建物だからすぐわかるよ。 この地図、他の店とか宿とかも書いてあるからあげるよ。」といい地図をくれた。
「ありがとう」というと、「どういたしまして。 王都へようこそ。 受験がんばってね。」と敬礼する兵士。

手を振って兵士とわかれ、フードを被りなおす俺とリン。
少し進んだ所で路地に入って立ち止まり、タバコに火をつけながら一服した。
「なんか、丁寧な門番だったな。 って、認識阻害に齟齬系ばっちりだな。 これなら、フード被らなくてもいけそうだな。」というと、「うん、大丈夫そーだ。」とお互い見あって笑いあう。

「王都もあんまり変わらねぇーような、変わったような感じだな。 んじゃぁ、ギルド行くか?」といって、俺はタバコの火を消して、リンと手をつなぎながらギルドのほうへ向かうことにした。

さっきもふれたけど、俺とリンが、片耳につけているイヤーカフは、今回の学園生活にむけて俺が作った変装用魔道具だ。
この魔道具、髪、瞳の色、それに容姿について認識齟齬や阻害系などさまざまな魔術を付与してある。

俺の魔術だって、魔界に居る間にかなり進歩していると思う。
相変わらず、進歩の仕方は、便利で楽をモットーだけどな。
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