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107.仕組まれた罠
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薄暗く静まり返った室内に、密やかな乱れた呼吸だけが響く。
鍵を掛けた部屋の扉を背にして凭れ掛かり、この日も美羽は、類からの責め苦に必死に耐えていた。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」
お願い、類! やめ、て……
執拗な類の愛撫に美羽の呼吸が荒くなり、全身から湯気が立ちそうなほど熱くなり、腰が痙攣し、脚がガクガクする。今にも膝から崩れ落ちそうだった。
硬く立ち上がった真っ赤な胸の尖りがきつく摘まれ、踵が上がり、膣がキュンキュンと締め付けられる。しとどに溢れた蜜は、擦り合わせた内腿だけでなく、絨毯にも零れ落ちて色を変えていた。
「ングッ!!」
向かいの部屋の義昭に声が聞かれないよう、口を手で蓋して必死に耐える。
さざ波のように押し寄せる快感の波に、絶頂に達したいと痙攣する花芽が、蠢く肉襞が美羽の理性を切り崩していく。
耐えなきゃ……正気を保たないと。
瀬戸際まで追い詰められながら、美羽は必死に耐えた。
『じゃ、これは?』
妖艶な類の囁きが脳裏に響いたかと思うと、背中を羽で撫でるようにスルリとなぞられた。
「ンッッ!!」
予想外だった刺激に美羽の背中が大きくしなった。
ガタン!!
大きな音をたてて、美羽の躰が扉にぶつかる。
ど、どうしよう……
美羽の顔が一気に蒼白になる。
緊張で全身を強張らせていると、
「お、おい大丈夫か?」
扉越しにくぐもった義昭の声が聞こえてきて、鼓動が速くなる。
「だ、大丈夫……なんでも、ないの」
「そうか」
自分の声さえも聞こえなくなるぐらい大きな鼓動を感じながら次の言葉を待っていたが、義昭にそれ以上問いただされることはなかった。
美羽の全身から、へなへなと力が抜けていく。類からの愛撫がぴたりと止み、美羽は大きく息を吐いた。
扉に凭れてるとかえって義昭さんに怪しまれてしまう可能性がある。
あの日以来、類に部屋に行ってもいいかと尋ねられることもなければ、部屋に入ってくることもない。
これからは部屋に鍵をかけて、ベッドに横たわっていよう。
そしたら、何かあっても誤魔化せるから……
まだバクバクと心臓の音が打ち鳴らす中、美羽は暫く類の様子を窺うようにじっとしていたが、やがて何もしてこないことが分かると、ようやくベッドへと戻った。
美羽の部屋の扉の反対側の廊下。
ーーそこには、類のスマホが置かれていた。
パソコンの画面で美羽が眠りについているのを確認した類は、自分の部屋を出るとそっと階段を上った。慎重に顔を覗き、誰もいないことを確認すると、足音を立てないように四足歩行でそろりそろりと美羽と義昭の部屋がある側の廊下を進んでいく。
義昭には睡眠薬入りのワインを飲ませたので、深い眠りについているはずだ。耳を澄ますと、彼の部屋からイビキが聞こえてきた。
美羽の部屋の前に置かれたスマホに手を伸ばして回収すると、再び音を立てないように慎重にその場を離れた。階段を下りきった瞬間、全身から硬さが抜け、緊張していたことに気づく。
部屋に入って鍵をかけると、息を吐く。パスワードを押してスマホをスライドさせると、ボイスレコーダーアプリの画面が開いていた。
最初は小型のICレコーダーを置こうかと考えたが、もし美羽や義昭に見られたら不審がられることは間違いない。スマホであれば見つかった時にも落としたと言い逃れが出来るし、ロックが掛かっているので画面を見られる心配もない。
鍵を掛けた部屋の扉を背にして凭れ掛かり、この日も美羽は、類からの責め苦に必死に耐えていた。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」
お願い、類! やめ、て……
執拗な類の愛撫に美羽の呼吸が荒くなり、全身から湯気が立ちそうなほど熱くなり、腰が痙攣し、脚がガクガクする。今にも膝から崩れ落ちそうだった。
硬く立ち上がった真っ赤な胸の尖りがきつく摘まれ、踵が上がり、膣がキュンキュンと締め付けられる。しとどに溢れた蜜は、擦り合わせた内腿だけでなく、絨毯にも零れ落ちて色を変えていた。
「ングッ!!」
向かいの部屋の義昭に声が聞かれないよう、口を手で蓋して必死に耐える。
さざ波のように押し寄せる快感の波に、絶頂に達したいと痙攣する花芽が、蠢く肉襞が美羽の理性を切り崩していく。
耐えなきゃ……正気を保たないと。
瀬戸際まで追い詰められながら、美羽は必死に耐えた。
『じゃ、これは?』
妖艶な類の囁きが脳裏に響いたかと思うと、背中を羽で撫でるようにスルリとなぞられた。
「ンッッ!!」
予想外だった刺激に美羽の背中が大きくしなった。
ガタン!!
大きな音をたてて、美羽の躰が扉にぶつかる。
ど、どうしよう……
美羽の顔が一気に蒼白になる。
緊張で全身を強張らせていると、
「お、おい大丈夫か?」
扉越しにくぐもった義昭の声が聞こえてきて、鼓動が速くなる。
「だ、大丈夫……なんでも、ないの」
「そうか」
自分の声さえも聞こえなくなるぐらい大きな鼓動を感じながら次の言葉を待っていたが、義昭にそれ以上問いただされることはなかった。
美羽の全身から、へなへなと力が抜けていく。類からの愛撫がぴたりと止み、美羽は大きく息を吐いた。
扉に凭れてるとかえって義昭さんに怪しまれてしまう可能性がある。
あの日以来、類に部屋に行ってもいいかと尋ねられることもなければ、部屋に入ってくることもない。
これからは部屋に鍵をかけて、ベッドに横たわっていよう。
そしたら、何かあっても誤魔化せるから……
まだバクバクと心臓の音が打ち鳴らす中、美羽は暫く類の様子を窺うようにじっとしていたが、やがて何もしてこないことが分かると、ようやくベッドへと戻った。
美羽の部屋の扉の反対側の廊下。
ーーそこには、類のスマホが置かれていた。
パソコンの画面で美羽が眠りについているのを確認した類は、自分の部屋を出るとそっと階段を上った。慎重に顔を覗き、誰もいないことを確認すると、足音を立てないように四足歩行でそろりそろりと美羽と義昭の部屋がある側の廊下を進んでいく。
義昭には睡眠薬入りのワインを飲ませたので、深い眠りについているはずだ。耳を澄ますと、彼の部屋からイビキが聞こえてきた。
美羽の部屋の前に置かれたスマホに手を伸ばして回収すると、再び音を立てないように慎重にその場を離れた。階段を下りきった瞬間、全身から硬さが抜け、緊張していたことに気づく。
部屋に入って鍵をかけると、息を吐く。パスワードを押してスマホをスライドさせると、ボイスレコーダーアプリの画面が開いていた。
最初は小型のICレコーダーを置こうかと考えたが、もし美羽や義昭に見られたら不審がられることは間違いない。スマホであれば見つかった時にも落としたと言い逃れが出来るし、ロックが掛かっているので画面を見られる心配もない。
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