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女の子同士のエッチって、どうすればいいの!?
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袋から出し、やよいに見せる。
「ねぇ、これ読んでいい?」
「だ、ダメ!絶対にダメです!!」
やよいは思いっきり首をブンブン振った。
「じゃあ、なんでここに仕舞ってあるの?
いつか渡したいから、捨てられなくてとっといたんじゃないの?」
やよいは俯き、正座だった足を崩すと体操座りになった。
「美来先輩に渡すつもりは全然なくて……ただ、あの頃の私の気持ちをここに封印しておきたかったっていうか……」
ますます体を縮こませ、顔を膝に埋めたやよいの耳が真っ赤になってる。
ちょ……可愛、過ぎるんですけど。
「……やよいのラブレター、読みたい」
「駄目……恥ずかしくて、死にます」
顔を埋めたまま、やよいは小さく首を振った。いつもならそこで、やよいの気持ちを尊重して諦めるけど、今日は引き下がりたくなかった。
「やよいのあの頃の気持ち、私知りたい。あの頃受け止められなかった気持ちを、今の私で受け止めたいの」
一過性の熱病みたいな恋心じゃない。
私、やよいのことが心から好きだって分かった。
だから、今のやよいの気持ちだけじゃなく、あの頃のやよいの気持ちだって独占したくなる。
「開けるね」
「えっっ!!」
やよいがガバッと顔を上げる。
「だって私宛だし、これ」
はっきりと告げた私に、やよいはもう抵抗する気をなくしていた。
「恥ずかしいから私は……見ませんよ」
やよいは再び体操座りになると、顔を膝に埋めた。
薄いピンクの花柄の封筒から手紙を取り出すと、おそろいの柄が見える。小さくて少し丸っこい、可愛い女の子の字が並んでる。
『佐藤 美来様
初めまして、1年A組の萩原やよいです。突然のお手紙でびっくりされたことと思います。
私は、ずっと先輩のことが好きでした。先輩が卒業する前に、ただ私の気持ちを知ってもらいたくて手紙を書きました。
卒業、おめでとうございます。これから大学に入り、色々と大変かもしれませんが頑張って下さい。応援しています。
萩原 やよい』
もっと、可愛い恋心の詰まった内容だと思っていた私は、正直肩透かしというか……驚いた。
今までもらったラブレターは、『好きです、付き合って下さい!』とか『美来先輩のかっこよくてバスケが上手なところが大好きです!』とか『先輩のこと、ずっとずっと見てました!!私のことを彼女にしてください!!』とか……熱い感じのラブレターが多かったから。
でも、よく考えてみたら……やよいらしい、ラブレターだと思った。
きっと、この手紙に辿り着くまでに何度も何度も何を書くか迷ったんだろうな。それで結局、気持ちを伝えることだけにしようと、私に負担をかけないようにしようと気遣ってくれたのだろう。
でも……それさえも叶わずに、やよいのラブレターは私が手にすることなく、封印されてしまったんだ。
心の奥から、熱いものが湧き出してくる。
「ねぇ、これ読んでいい?」
「だ、ダメ!絶対にダメです!!」
やよいは思いっきり首をブンブン振った。
「じゃあ、なんでここに仕舞ってあるの?
いつか渡したいから、捨てられなくてとっといたんじゃないの?」
やよいは俯き、正座だった足を崩すと体操座りになった。
「美来先輩に渡すつもりは全然なくて……ただ、あの頃の私の気持ちをここに封印しておきたかったっていうか……」
ますます体を縮こませ、顔を膝に埋めたやよいの耳が真っ赤になってる。
ちょ……可愛、過ぎるんですけど。
「……やよいのラブレター、読みたい」
「駄目……恥ずかしくて、死にます」
顔を埋めたまま、やよいは小さく首を振った。いつもならそこで、やよいの気持ちを尊重して諦めるけど、今日は引き下がりたくなかった。
「やよいのあの頃の気持ち、私知りたい。あの頃受け止められなかった気持ちを、今の私で受け止めたいの」
一過性の熱病みたいな恋心じゃない。
私、やよいのことが心から好きだって分かった。
だから、今のやよいの気持ちだけじゃなく、あの頃のやよいの気持ちだって独占したくなる。
「開けるね」
「えっっ!!」
やよいがガバッと顔を上げる。
「だって私宛だし、これ」
はっきりと告げた私に、やよいはもう抵抗する気をなくしていた。
「恥ずかしいから私は……見ませんよ」
やよいは再び体操座りになると、顔を膝に埋めた。
薄いピンクの花柄の封筒から手紙を取り出すと、おそろいの柄が見える。小さくて少し丸っこい、可愛い女の子の字が並んでる。
『佐藤 美来様
初めまして、1年A組の萩原やよいです。突然のお手紙でびっくりされたことと思います。
私は、ずっと先輩のことが好きでした。先輩が卒業する前に、ただ私の気持ちを知ってもらいたくて手紙を書きました。
卒業、おめでとうございます。これから大学に入り、色々と大変かもしれませんが頑張って下さい。応援しています。
萩原 やよい』
もっと、可愛い恋心の詰まった内容だと思っていた私は、正直肩透かしというか……驚いた。
今までもらったラブレターは、『好きです、付き合って下さい!』とか『美来先輩のかっこよくてバスケが上手なところが大好きです!』とか『先輩のこと、ずっとずっと見てました!!私のことを彼女にしてください!!』とか……熱い感じのラブレターが多かったから。
でも、よく考えてみたら……やよいらしい、ラブレターだと思った。
きっと、この手紙に辿り着くまでに何度も何度も何を書くか迷ったんだろうな。それで結局、気持ちを伝えることだけにしようと、私に負担をかけないようにしようと気遣ってくれたのだろう。
でも……それさえも叶わずに、やよいのラブレターは私が手にすることなく、封印されてしまったんだ。
心の奥から、熱いものが湧き出してくる。
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