婚約破棄はこちらからお願いしたいのですが、創造スキルの何がいけないのでしょう？

反乱

話し合い ジンニック視点

バイヤー領についた時にはもう夜中を回っていた。街灯があまりないところを走ったこともあり、少し時間がかかってしまったが一日で往復することになるとは思っていなかった。

「今日は遅くなってしまったし明日の朝話をしよう。ジンは客間を使ってくれ。」
メイドに指示を出してエドは自分の部屋に戻っていった。精神的にも結構疲れがたまっていることだろう。少しでもゆっくり休めるといいんだが...

部屋で休む前にメレナに手紙を書く。今日の出来事、当分の間実家には手紙を送らないようにすること。そしてもらった万年筆について色々と書き記した。メイドには明日朝一番で手紙を出してもらうようお願いした。邸から送ると足が割れる可能性もあったため、街から送ってもらう。

朝起きて食堂に行くとすでにエドが座って待っている。
「おはよう、ジン。昨日は色々世話になったね。ジンがいてくれて助かったよ。この後昨日のことについて少し話をしたいんだが時間をもらってもいいかい？」

「おはよう、エド。勿論だ。俺も話がしたいと思っていた。朝食後に執務室に向かうよ。」

二人で目の前にある朝食を黙々と食べながら、執務室で話す内容を頭の中でまとめた。


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朝食を食べ終わり、少しゆっくりしてから二人で執務室へ向かう。

「とりあえず、今後について話そうか。」
そう言って昨夜考えた内容を伝えあう。

「勝手に申し訳ないが、今メレナから手紙が実家に届くと足取りをつかまれると思い昨日の夜手紙を送ってもらうよう頼んだんだ。街から送ってもらうよう頼んだから大丈夫だと思う。」

そう伝えると、エドはほっとした面持ちで「助かったよ。」と小さい声で言った。

昼食前まで二人で今後について話し合った結果、一番は婚約の話を早く進めることだった。幸いギムレット公爵家、バイヤー侯爵家皆から許可が出ているため、あとはメレナに伝えるだけだ。本当は手紙を送りあいながら少しずつ距離を縮めていく予定だったが、そうもいっていられなくなったので、早めにギムレット公爵家に向かいメレナに気持ちを伝える必要がある。ここでうまくいかなかったらどうするか...今はまだ考えられないが、メレナに害がでないように動いていきたいと思っている。

そして父上に現状の報告が必要だ。こちらについても早急に対処する必要がある。

「ジン。妹のことをお願いしてもいいかい？こちらのことについては僕に任せてほしいんだ。宰相とオレリーはどうもきな臭い。裏でつながっているよな気もするんだよね。まずはこの二人の関係などを洗い出したいと思っている。そして、国王と王妃についてもだ。おそらく国税を搾取している可能性も高い。王太子については分かりやすいから足取りをつかみやすいが…何か情報をつかんだらすぐに知らせるよ。」

お互いに行わなければいけないことを決め動き出そうとしたとき、バイヤー夫人から手紙が届いた。
手紙には一言、バイヤー侯爵が謀反の罪により捕縛されたということだった。いよいよ本格的に時間が無くなってきた。俺とエドは顔を合わせ覚悟を決めて動き出した。