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反乱
再会
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ジン様が帰ってから数日後。ジン様から一通の手紙が届いた。宛先がユナリーとなっていたためユナリー宛の手紙かと思っていたが、封を開けてみると私宛の手紙だった。手紙には現在の状況などが簡易に書いてあり、最後には一言、実家への手紙を控えるように書いてあった。
手紙を読みながらため息をついていると、ユナリーが話しかけてきた。
「メレナーデ様。手紙には何と書かれていたんですか?」
「当分実家には手紙を送らないように書かれていたの。何かあったのかしら...」
もしかしたら知らないところで色々ことが動いているのかもしれない。お父様もお母さまも無事だといいんだけど...
少し不安な気持ちはあったが、気分転換もかねて湖のほとりを少し散歩することにした。この辺りは自然が豊かで湖などを歩いていると色々な発想が浮かんできて気持ちも落ち着いてくるのだ。
お祖父様とお祖母様に湖に出かけてくることを伝えてユナリーと一緒に侯爵邸を出た。
そして少し湖を歩いていると、前から見たことある人が歩いてきたのだ。
あちら側も私に気付いたのか手を振りながらこちらに向かって走ってきた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ジンニック視点
話し合いを終えてギムレット公爵邸に向かっていた。勿論途中で一度自分の領地によってからだが、最近馬も走らせすぎているので少し休養してからのほうがいいと思い二日ほど領地でゆっくりしてからギムレット公爵領に向かった。
今回は王都には寄らずそのまま公爵領に向かっていたため、一度湖のほとりで休もうと寄ったら目の前から二人の女性が歩いてくるのが見えた。遠くからだったのもあり、確かではなかったがメレナと侍女のユナリーだった。開いた過ぎて幻覚が見えたのかとすら思ったほどだ。
メレナに手を振りながら近寄っていくと向こうも気づいたのか手を振り返してくれた。ユナリーは気を使ってか少し遠くで見守っていた。公爵邸についてから求婚するのも一つだとは思ったが、せっかくならきれいな景色のところで言いたいと思っていた。
「ジン様。お久しぶりです。お元気でしたか?」
髪を耳にかけながらこちらを向いて声をかけてくるメレナが想像以上にかわいかった。そして髪を耳にかけたことで、万年筆と同じ宝石がキラキラと輝いていて一段と美しかった。
「久しぶりだね。メレナも元気そうでよかったよ。」
メレナの髪を一房手に取りながら笑顔で伝えると、メレナが顔を赤くしながら微笑んでいる。
二人で見つめあっていると、遠くにいるユナリーから早く話しなさいという念が送られてきた気がした。
「実は、メレナに話が合って今日はここまで来たんだ。」
「はい、どうされたんですか?」そう言って首をかしげるメレナ。
「私、ジンニック・ミュール・ブルームーンはメレナーデ・バイヤーのことを以前よりお慕いしておりました。ぜひ私と結婚を前提に婚約していただけないでしょうか。」
片膝をつきながらメレナの前に手を出し目をつぶった。
「私でいいのでしょうか...。先日婚約破棄されたばかりですし、まだ恋がどういったものなのかわかっていません。それでもジン様と一緒にいたいと思っています。それでもいいですか?」
俺の手の上に手を置きながらこちらを見つめるメレナ。確かに今までは王命ということもあり義務感が強かっただろうし、恋愛という恋愛はしてこなかっただろう。だからこそ、俺のことを慕ってくれたら嬉しいと思う。
「もちろん。メレナがいいんだ。その、好きという気持ちについては一緒に探していこう。一生大事にする。」
メレナの指に軽く口づけをした。
「そういえばなぜジン様のお名前にブルームーンがはいっているんですか?」
キョトンとした顔で聞かれ、そういえば説明してなかったなと思い自分が実はブルームーン国の第3王子であることを伝えた。目を大きく開きながら吃驚していたメレナがとても印象的だ。
そしてもうひとつ。
遠くでユナリーがガッツポーズをしていたのが目から離れないのはここだけの話だ。
手紙を読みながらため息をついていると、ユナリーが話しかけてきた。
「メレナーデ様。手紙には何と書かれていたんですか?」
「当分実家には手紙を送らないように書かれていたの。何かあったのかしら...」
もしかしたら知らないところで色々ことが動いているのかもしれない。お父様もお母さまも無事だといいんだけど...
少し不安な気持ちはあったが、気分転換もかねて湖のほとりを少し散歩することにした。この辺りは自然が豊かで湖などを歩いていると色々な発想が浮かんできて気持ちも落ち着いてくるのだ。
お祖父様とお祖母様に湖に出かけてくることを伝えてユナリーと一緒に侯爵邸を出た。
そして少し湖を歩いていると、前から見たことある人が歩いてきたのだ。
あちら側も私に気付いたのか手を振りながらこちらに向かって走ってきた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ジンニック視点
話し合いを終えてギムレット公爵邸に向かっていた。勿論途中で一度自分の領地によってからだが、最近馬も走らせすぎているので少し休養してからのほうがいいと思い二日ほど領地でゆっくりしてからギムレット公爵領に向かった。
今回は王都には寄らずそのまま公爵領に向かっていたため、一度湖のほとりで休もうと寄ったら目の前から二人の女性が歩いてくるのが見えた。遠くからだったのもあり、確かではなかったがメレナと侍女のユナリーだった。開いた過ぎて幻覚が見えたのかとすら思ったほどだ。
メレナに手を振りながら近寄っていくと向こうも気づいたのか手を振り返してくれた。ユナリーは気を使ってか少し遠くで見守っていた。公爵邸についてから求婚するのも一つだとは思ったが、せっかくならきれいな景色のところで言いたいと思っていた。
「ジン様。お久しぶりです。お元気でしたか?」
髪を耳にかけながらこちらを向いて声をかけてくるメレナが想像以上にかわいかった。そして髪を耳にかけたことで、万年筆と同じ宝石がキラキラと輝いていて一段と美しかった。
「久しぶりだね。メレナも元気そうでよかったよ。」
メレナの髪を一房手に取りながら笑顔で伝えると、メレナが顔を赤くしながら微笑んでいる。
二人で見つめあっていると、遠くにいるユナリーから早く話しなさいという念が送られてきた気がした。
「実は、メレナに話が合って今日はここまで来たんだ。」
「はい、どうされたんですか?」そう言って首をかしげるメレナ。
「私、ジンニック・ミュール・ブルームーンはメレナーデ・バイヤーのことを以前よりお慕いしておりました。ぜひ私と結婚を前提に婚約していただけないでしょうか。」
片膝をつきながらメレナの前に手を出し目をつぶった。
「私でいいのでしょうか...。先日婚約破棄されたばかりですし、まだ恋がどういったものなのかわかっていません。それでもジン様と一緒にいたいと思っています。それでもいいですか?」
俺の手の上に手を置きながらこちらを見つめるメレナ。確かに今までは王命ということもあり義務感が強かっただろうし、恋愛という恋愛はしてこなかっただろう。だからこそ、俺のことを慕ってくれたら嬉しいと思う。
「もちろん。メレナがいいんだ。その、好きという気持ちについては一緒に探していこう。一生大事にする。」
メレナの指に軽く口づけをした。
「そういえばなぜジン様のお名前にブルームーンがはいっているんですか?」
キョトンとした顔で聞かれ、そういえば説明してなかったなと思い自分が実はブルームーン国の第3王子であることを伝えた。目を大きく開きながら吃驚していたメレナがとても印象的だ。
そしてもうひとつ。
遠くでユナリーがガッツポーズをしていたのが目から離れないのはここだけの話だ。
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