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第2章 キメラ狩りへ
第24話 フルーツ屋
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「よし、着いたな」
「ピィ」
俺達は王都に着くと、王都の大通りを進んでいた。
「リゼ、一先ずは王都を散策するか? 此処に来るの初めてだよな?」
「ピッ!? ピピィ!!」
ゼルは今回初めて此処に来たリゼの為、此処を散策する事に決め、歩き出す。
「ピピッ!!」
「お、何だ? アレ食べたいのか?」
リゼの羽が指している先には、フルーツが売ってあるお店があった。
「いらっしゃい。あら! 凄~い! 何この子? 凄い綺麗な子ね!!」
「ピィッ!」
お店の40代ぐらいの女性がリゼを見て、驚きの声を上げる。それにリゼは元気に返事をして、羽を上げ反応する。
「リゼって言うんです」
「リゼちゃんかい! 可愛いねぇ~!」
そう言われ、リゼは頭を撫でられる。
「ピィ♪」
機嫌良さそうに返事をするリゼ。
「うっ…可愛い…」
その反応を見た店員さんは、頬を赤らめ胸を抑えている。
分かる。リゼは可愛いからな。
ゼルは1人で頷く。
「リ、リゼちゃんは何を食べたいんだい?」
店員にどもりながらも言われたリゼは、店のフルーツの入っているカゴの縁に立つと、店のフルーツを見て回る。
「…ピィッ!」
そして1つのフルーツへと羽を指した。
「モモックかい! リゼちゃんいい目してるねぇ!!」
「ピィッ!!」
胸を張って偉そうにするリゼ。
モモックの見た目は、薄いピンク色でいい色彩をしている。見た目が食べ物にしては華やかで目を惹く。形も独特で、中心には鋭い切れ込みが入っている。
美味しそうだ。俺も1個買うかと思っていると、
「モモックは王都の人じゃ一度は食べた事があるフルーツさ! 1個500ゴールドだよ!」
(うっ…500ゴールドか。中々痛い出費だな…)
俺は一瞬、顔を顰める。
「ピィ…」
すると、それを見てたリゼが上目遣いで此方を見つめる。
可愛い。
「買います」
「毎度あり! これは可愛いリゼちゃんにオマケだよ!」
そう言って、店員さんは袋に何個か色んなフルーツを入れると此方に渡してきた。
「え、こんなに良いんですか?」
「良いの良いの! 随分無理して買ってくれたみたいだからね!」
店員さんはウインクして、笑顔で此方を見た。
どうやらバレていた様だ。ゼルは引き攣らせながら笑うと、礼をして立ち去った。
「美味しい? リゼ」
「ピィ!!」
しばらくしてベンチを見つけると、俺はベンチへと座り、リゼに果物を上げる。
思ってた以上に喜んでくれている様で、リゼはルンルンとフルーツを頬張る。
村ではフルーツの種類が少ないからな。嬉しいのかもしれない。それに村にあるフルーツはあまり美味しくないし。元気は出るけど…。
「ピュ~ッ」
食べ終わった様で、俺の膝の上に座るリゼ。
まぁ、これだけ食べれば満足だろう。
俺は久しぶりのリゼとの再会に、気分良くリゼの頭を撫でる。
その時、リゼが鳴く。
「…ピィ」
「……はぁ、物騒だなぁ」
俺は小さく呟きリゼを抱えると、裏路地へと入って行った。
*
「んー…はっ!」
サーラは勢いよく飛び起きる。
急いで周りを見渡すと、そこは暗く、ジメジメとした牢屋の中だった。
(…攫われてしまいましたか)
サーラは冷静に、最後にあった記憶を思い出し、自分がどんな状況なのか大体把握する。
周りにはただの石造りの壁と、鉄柵のみ。何も置かれていない。鉄柵の先は暗くてよく見えないが、どうやらそちらも石造りで整備されており、何処かの建物内だと予想が出来た。
しかし、攫われたのは王都の中ではない。
つまり、森の何処かに建物を作っていたとしたら、トマスが此処を見つけるのはほぼ不可能に近いという事だ。
「…どうしますかね」
「どうもする事は出来ないから、大人しくそこにいろよ」
サーラが1人で呟いていると、暗闇の中から1人男の声をした者が現れる。全貌は黒いローブを頭まで被っていて見えない。
「…貴方は?」
「…もう少しそこに居たら外に出してやるさ」
男はそう言って、サーラから離れて行った。
私の質問には頑なに答えないって言う訳ですか。
サーラは牢屋の隅で膝を抱え、座り込む。
一瞬見えた口元は、口が裂けているのではないかという程に口角が上がっていた。
「私の悪運も遂に無くなったって訳ですかね…」
サーラは1人真っ暗闇の中、石造りな天井を見上げながら呟いた。
「ピィ」
俺達は王都に着くと、王都の大通りを進んでいた。
「リゼ、一先ずは王都を散策するか? 此処に来るの初めてだよな?」
「ピッ!? ピピィ!!」
ゼルは今回初めて此処に来たリゼの為、此処を散策する事に決め、歩き出す。
「ピピッ!!」
「お、何だ? アレ食べたいのか?」
リゼの羽が指している先には、フルーツが売ってあるお店があった。
「いらっしゃい。あら! 凄~い! 何この子? 凄い綺麗な子ね!!」
「ピィッ!」
お店の40代ぐらいの女性がリゼを見て、驚きの声を上げる。それにリゼは元気に返事をして、羽を上げ反応する。
「リゼって言うんです」
「リゼちゃんかい! 可愛いねぇ~!」
そう言われ、リゼは頭を撫でられる。
「ピィ♪」
機嫌良さそうに返事をするリゼ。
「うっ…可愛い…」
その反応を見た店員さんは、頬を赤らめ胸を抑えている。
分かる。リゼは可愛いからな。
ゼルは1人で頷く。
「リ、リゼちゃんは何を食べたいんだい?」
店員にどもりながらも言われたリゼは、店のフルーツの入っているカゴの縁に立つと、店のフルーツを見て回る。
「…ピィッ!」
そして1つのフルーツへと羽を指した。
「モモックかい! リゼちゃんいい目してるねぇ!!」
「ピィッ!!」
胸を張って偉そうにするリゼ。
モモックの見た目は、薄いピンク色でいい色彩をしている。見た目が食べ物にしては華やかで目を惹く。形も独特で、中心には鋭い切れ込みが入っている。
美味しそうだ。俺も1個買うかと思っていると、
「モモックは王都の人じゃ一度は食べた事があるフルーツさ! 1個500ゴールドだよ!」
(うっ…500ゴールドか。中々痛い出費だな…)
俺は一瞬、顔を顰める。
「ピィ…」
すると、それを見てたリゼが上目遣いで此方を見つめる。
可愛い。
「買います」
「毎度あり! これは可愛いリゼちゃんにオマケだよ!」
そう言って、店員さんは袋に何個か色んなフルーツを入れると此方に渡してきた。
「え、こんなに良いんですか?」
「良いの良いの! 随分無理して買ってくれたみたいだからね!」
店員さんはウインクして、笑顔で此方を見た。
どうやらバレていた様だ。ゼルは引き攣らせながら笑うと、礼をして立ち去った。
「美味しい? リゼ」
「ピィ!!」
しばらくしてベンチを見つけると、俺はベンチへと座り、リゼに果物を上げる。
思ってた以上に喜んでくれている様で、リゼはルンルンとフルーツを頬張る。
村ではフルーツの種類が少ないからな。嬉しいのかもしれない。それに村にあるフルーツはあまり美味しくないし。元気は出るけど…。
「ピュ~ッ」
食べ終わった様で、俺の膝の上に座るリゼ。
まぁ、これだけ食べれば満足だろう。
俺は久しぶりのリゼとの再会に、気分良くリゼの頭を撫でる。
その時、リゼが鳴く。
「…ピィ」
「……はぁ、物騒だなぁ」
俺は小さく呟きリゼを抱えると、裏路地へと入って行った。
*
「んー…はっ!」
サーラは勢いよく飛び起きる。
急いで周りを見渡すと、そこは暗く、ジメジメとした牢屋の中だった。
(…攫われてしまいましたか)
サーラは冷静に、最後にあった記憶を思い出し、自分がどんな状況なのか大体把握する。
周りにはただの石造りの壁と、鉄柵のみ。何も置かれていない。鉄柵の先は暗くてよく見えないが、どうやらそちらも石造りで整備されており、何処かの建物内だと予想が出来た。
しかし、攫われたのは王都の中ではない。
つまり、森の何処かに建物を作っていたとしたら、トマスが此処を見つけるのはほぼ不可能に近いという事だ。
「…どうしますかね」
「どうもする事は出来ないから、大人しくそこにいろよ」
サーラが1人で呟いていると、暗闇の中から1人男の声をした者が現れる。全貌は黒いローブを頭まで被っていて見えない。
「…貴方は?」
「…もう少しそこに居たら外に出してやるさ」
男はそう言って、サーラから離れて行った。
私の質問には頑なに答えないって言う訳ですか。
サーラは牢屋の隅で膝を抱え、座り込む。
一瞬見えた口元は、口が裂けているのではないかという程に口角が上がっていた。
「私の悪運も遂に無くなったって訳ですかね…」
サーラは1人真っ暗闇の中、石造りな天井を見上げながら呟いた。
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