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第1章(1)アカリside
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【4月/アルバート別荘の中庭】
暖かい春風に吹かれて桜が舞う季節。
私は子供達を連れて、久々に祖父アルバートの別荘を訪れていた。
「えっ?!
プロポーズされた、ですって~ッ?!」
「!っ……し~っ!!
モニカッ!声が大きいよ~!!」
その予定に合わせて遊びに来ていた、親戚であり親友のモニカは、久し振りに会った私の告白を聞いて驚きの声を上げる。
私はそんなモニカの口を慌てて手で押さえながら、辺りを見渡した。
中庭の奥の方では、私の子供達とモニカの娘のジェシカちゃんがアルバート様と使用人達と遊んでいる。
とっても楽しそうにしていて、モニカの叫び声には気付かなかった様だ。
私はホッと一安心すると、ゆっくりモニカの口から手を離した。
「……ふ~ん。
で、どうするんですの?アカリ」
思わず立ち上がった休憩スペースの椅子にもう一度腰掛けると、目の前のテーブルに頬杖を着いたモニカはニヤニヤと笑みを浮かべながら見つめてくる。
「……分かん、ないよ。
だって、ユウさんの事。そんな風に考えた事、なかったし……」
そう答えて私は少し顔を伏せた。
ユウさんは私にとって幼馴染であり、ずっとお兄さんのような存在だった。
そして、今は私が働くパン屋さんの上司。
ヒカルを産んで1年位経った頃。
前に少し働いていたパン屋さんに久し振りに行ったら、「もう一度一緒に働かないか?」って、店長になったユウさんは私に声を掛けてくれた。
1人で子供を育てている私に色々考慮してくれたり、相談に乗ってくれたり。
休みの日には子供達の遊び相手をしてくれる、優しいユウさん。
そんなユウさんはもうすぐ新しく出来るお店に移動が決まって、先月の私の誕生日にその報告とプロポーズをしてくれた。
「一緒に、新しい街へ行かないか?」って言われた時は冗談かと思ったけど、その後のプロポーズがあまりにも真剣な瞳だったから……驚いた。
暖かい春風に吹かれて桜が舞う季節。
私は子供達を連れて、久々に祖父アルバートの別荘を訪れていた。
「えっ?!
プロポーズされた、ですって~ッ?!」
「!っ……し~っ!!
モニカッ!声が大きいよ~!!」
その予定に合わせて遊びに来ていた、親戚であり親友のモニカは、久し振りに会った私の告白を聞いて驚きの声を上げる。
私はそんなモニカの口を慌てて手で押さえながら、辺りを見渡した。
中庭の奥の方では、私の子供達とモニカの娘のジェシカちゃんがアルバート様と使用人達と遊んでいる。
とっても楽しそうにしていて、モニカの叫び声には気付かなかった様だ。
私はホッと一安心すると、ゆっくりモニカの口から手を離した。
「……ふ~ん。
で、どうするんですの?アカリ」
思わず立ち上がった休憩スペースの椅子にもう一度腰掛けると、目の前のテーブルに頬杖を着いたモニカはニヤニヤと笑みを浮かべながら見つめてくる。
「……分かん、ないよ。
だって、ユウさんの事。そんな風に考えた事、なかったし……」
そう答えて私は少し顔を伏せた。
ユウさんは私にとって幼馴染であり、ずっとお兄さんのような存在だった。
そして、今は私が働くパン屋さんの上司。
ヒカルを産んで1年位経った頃。
前に少し働いていたパン屋さんに久し振りに行ったら、「もう一度一緒に働かないか?」って、店長になったユウさんは私に声を掛けてくれた。
1人で子供を育てている私に色々考慮してくれたり、相談に乗ってくれたり。
休みの日には子供達の遊び相手をしてくれる、優しいユウさん。
そんなユウさんはもうすぐ新しく出来るお店に移動が決まって、先月の私の誕生日にその報告とプロポーズをしてくれた。
「一緒に、新しい街へ行かないか?」って言われた時は冗談かと思ったけど、その後のプロポーズがあまりにも真剣な瞳だったから……驚いた。
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