学園祭で侯爵令息にいきなり婚約破棄されました!

ルイス

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10話

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「ヨシュア、リッカ共に相応の罰を受けることが確定してよかったな」

「え、ええ……そうですね」


 その後のチェスター王子殿下の行動は流石としか言いようがなかった。あの二人……ヨシュアとリッカの二人を王家を通して罪を償わせたのだ。その結果、二人は放校処分になった。


「まさかあの二人が退学になるとは……思ってなかったですけど」

「少しやり過ぎたかもしれないが、こういうのは加減をしない方が優しさだからな」

「優しさ……ですか、なるほど……」

「しかし、これでエスメラルダに対する態度……周囲の態度は戻るだろう。むしろいじめなんてする気が起きないだろうな」



 確かに王子殿下の言っていることは正しかった。ヨシュアとリッカの放校処分の後、私に対するいじめは完全になくなったし……それどころか、遠慮している人間までいるほどだ。下手をしたら舎弟が誕生してもおかしくない。

 お姉さまと呼ばせてください! って言って来る学生もいたくらいだし。なぜだか知らないけれど、同姓からラブレターまで貰った。いや、流石に私にそっちの気はないわよ?

「確かにチェスター王子殿下のおかげで、私の学園生活は安定的なものになりそうです」

「そうか、それなら良かったよ。それができなければ意味がないからな。いじめというのは復讐が怖い部分でもある。復讐なんてする気も起きない程に相手を叩きのめすのも重要なんだよ」

「あはは……そうですね……」


 流石はチェスター王子殿下だった。なんだか説得力があるわ。おそらく、王家の中で汚いものを見続けた上での今があるんでしょうね。この頼りがいはそういうところから来ているんだろう。

 なんだか1人の男性として意識してしまいそうな……。


「格好いいです! 王子殿下!」

「ん? シャリー?」


 私の隣に立っているシャリーが王子殿下をキラキラした目で見ていた。あれ……?


「王子殿下って恋人はいないんですよね? ね?」

「ん? まあ、今は募集中かな」

「募集中ですか! なるほど……よ~し、頑張っちゃいます!」

「……」


 私だけでなくシャリーもチェスター王子殿下を狙っているようだった。ちょっと待ってよ……きっと特別区画にはもっと狙っている人はいるだろうし……ライバルは思いの外、多いかもしれないわね。

「でも……負けないわよ」

 私だって王子殿下の隣に立ちたいと思うようになっているし……これはこれで楽しんだ者勝ちなんだと思うことにした。私の明日は明るい……のかな?


 おわり
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