ワン・シッティング
「ワン・シッティング」
作家の世界ではよく聞く言葉で、
一度座ったら、集中が途切れることなく、仕事が終わるまで席を立たないことを言う。
いわゆる、ゾーン状態のことだ。
真剣。本気。マジ。といったところだろうか。
気づいたら、仕事が終わってしまう。
並大抵の人で、こんな状態に陥ることなんて滅多にないことであろう。
そんな自分に疎遠な言葉を知ったのは
新社会人になって半年が過ぎた頃だった。
いつもの職場の帰り道、ふと道草をしたくなった俺は最寄り駅近くにある本屋の前で、立ち止まっていた。
これだ。
一目惚れをするかのごとく、一目でこの本を読もうと手に取った本は、無名の作家が書いた本だった。
タイトルは「ワン・シッティング」
この本との出会いが後の俺の人生を大きく変える転機となるのだ。
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