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第2章 蜜月

第16話 初めての夜(後編)3※

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 フィオーレはデュランダルの背に腕をまわすと、きゅっと目を瞑った。
 彼女のぬるぬるとした膣口が、液をじわじわと溢れさせる先端に貫かれる。

「ひうっ――っ」

 お腹全体にずんっとした重みがかかった。
 膜を伸ばしながら、みちみちと彼の猛りが先に進んでいく。

「っつ……! いた……い」

「キツイな……フィオ、力抜けるか?」

「ひっ、うぅ……」

 初めての事態に混乱するフィオーレに、デュランダルが優しく口付ける。

「フィオ、大丈夫だから」

 痛みに耐えるフィオーレの目尻に、うっすらと涙がにじむ。
 彼の怒張したものを、彼女の膣口がぎゅうぎゅうと締め付ける。二人の結合部にじわりと血液があふれてきた。

「んんっ、いた……い」

「フィオーレ、もうすぐだ」

 デュランダルが、彼女の目蓋にそっと口付ける。
 フィオーレは、お腹の奥にとんっと何かが触れるのを感じる。

(あ――)

 徐々に痛みの波がひいていくのが、彼女には分かった。



「フィオーレ、目を開けろ」



 デュランダルに柔らかく命じられ、彼女はゆっくり目蓋を持ち上げる。


 彼女の瞳に、額に汗を浮かべた彼の笑顔が映る。


「初めての時は、俺の顔を見たかったんだろ? 入ったぞ」


(あんなに大きいものが、もう入ったの?)

 長かったような、短かったような、不思議な気持ちをフィオーレは感じた。
 彼女はデュランダルにまわした腕をとく。

 そして――。


「デュランダル様のお顔を、私によく見せてください」


 彼女は、彼の顔を両手で包んだ。

 自分と繋がっている相手の顔を、フィオーレはじっと見つめる。

(宝石みたいな紫色の綺麗な瞳……この人が私の旦那様……)

 痛みのピークが去ったフィオーレは、ぼんやりとそんなことを考える。

(「大事にしたい」って言われて、本当に嬉しかった)

 彼女はふんわりとした笑顔をデュランダルに向けた。
 そんな彼女の唇に、彼のそれが優しく重なる。

「ん……」

 もう夜になって何度目か分からない口付けを二人は交わしあった。

 唇が離れた後、デュランダルがフィオーレに向かって話し始める。

「ああ、そうか……女なんて誰でも同じだろってずっと思ってたが、違うんだな……」

 彼の話を聞きたかったが、彼女は初めて男性を受け入れたことで疲れてしまい、眠気に襲われてしまっていた。

(なんだか、すごく眠い――)

 デュランダルは、フィオーレの髪を撫でながら続ける。


「俺は今まで知らなかった――」

 彼の手が、今度は彼女の頬を撫でる。

「繋がるだけで、こんなにも気分が良い相手がいるんだって――こんなにも心が満たされる女が俺にもいたんだって――」

 とろんとした瞳のフィオーレの頬に、デュランダルがそっと口付ける。


「フィオ……お前は俺の――――」


(俺の――?)

 彼の優しい声が、彼女の胸に響く。


 そうしてフィオーレは、デュランダルと繋がったまま眠りに落ちていったのだった――。



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