マガイモノ

亜衣藍

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「幸い、私は医者だよ。外科が専門だが、泌尿器科も診ている。誰よりもこいつの扱いは上手だよ」

 ニッコリと笑い、鈴置の反応を観察する。

 鈴置は嫌がるどころか、期待で明らかにアドレナリンが上昇しているようだ。

 精悍な顔は赤くなり、逞しい胸筋と腹筋はぴくぴくと痙攣しているし、股間のモノは全く萎える様子もない。

 それどころか、余程興奮しているのかそこからは先走りが滴っている。

 その様子をじっくりと眺め、李は天使のように微笑む。

「さぁどうする? 止めるか? やるか? 」

「ど、どっちにしろ、あんたはヤルんだろう! なら、さっさとぶち込めよ! 」

「へぇ~そんな口を叩く? 」

 李はそう言うと、さっとケースを閉じて踵を返そうとした。

 その背中へ、慌てたように声が掛けられる。

「ま、待ってくれ! ……頼むからっ」

「ん? 」

 背中越しに振り返り、李は次の言葉を待つ。

 すると、根負けしたように鈴置は口を開いた。

「……頼むから、そいつでオレのを、タップリなぶって……ください」

 完全降伏したように、鈴置はそう嘆願した。

 誰もが一目置くような、逞しくて頼もしい兄貴分を気取ってはいるが……実は、李の言う通り、鈴置はドMなのだ。

 だから、何だかんだと言っては、ついついここへ足を向けてしまう。

 李の、無茶苦茶なようで、ちゃんと相手の身体を考えて行うS責めが最高なものだから。

「じつはネットで買っていたんだ……でも、怖くてまだ試してない。だから、その……」
すると李は、鈴置の態度に満足したように微笑むと、身にまとっていた白衣を脱ぎ捨てた。

「――! 」

「プジーで遊んだら、次は私のコレでとことん楽しもうじゃないか」

 自分と同じく全裸となった、李の引き締まった身体を前にして、鈴置は……まだ何もしていないのに、つい興奮のあまりに絶頂してしまったのだった。
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