彼が恋した華の名は:3

亜衣藍

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後日談

Eternal-14

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「まぁ、奴らの事だ。叩けば他にも色々出て来るだろう。精子や卵子の提供者を監禁していた疑いもあるし、代理母にしたってそうだ。暴行罪を立件できれば、脱税の他に科料する事も不可能じゃない」

「ヤクザの、戸籍売買はどうなんですか?」

「それがねぇ……十五年前じゃあ、もう時効になっているんだよ。でも本人・・は贖罪の為か、今回だいぶ骨を折ってくれたね。ジンこと新くんの戸籍問題を解決するための弁護士費用も、捻出する約束をしてくれたし」

 そう締めると、綾瀬は大きく伸びをした。

「うぅ~ん、今日は朝っぱらからアクティブに動きすぎだよ。疲れたなぁ――」

「同感です。こんなに忙しい思いをしたのは、この仕事に就いて初めてですよ」

 嘆息しながら席を立った佐々木に、綾瀬は声を掛ける。

「あ、ついでにコーヒー頼む。濃い目ね」

「はいはい」

「……まぁ何だかんだで金も入ったし。久しぶりに、慰安旅行にでも行くかね?」

 そう声を掛けられた佐々木は、ニンマリと微笑んだ。

   ◇

 史郎はサンドイッチの乗った皿とシャンパンを持って、寝室へ戻ってきた。

 ベッドには、聖がぐったりとした様子で身を横たえている。

 そんな聖を満足そうに見下ろしながら、史郎は愉快そうに声を掛けた。

「おいおい、まだ寝るには早いんじゃねーのか?」

「……」

「腹が減っただろう? ルームサービスを頼んだ」

「……」

「お前は、シンプルな玉子サンドが好物だったよな。ほら、食えよ」

 上機嫌のまま食事を勧める史郎に、聖はゆっくりと首を巡らし、気だるげな眼差しを向けた。

「――――あんたは、どうしてそんなに元気なんだ?」

 ベッドの周りには、使用済みのコンドームが投げ捨てられていた。
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