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第二章
決着
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一方その頃、リルは焦っていた。
「早く戻らなくちゃ。私ってバレなかったよね」
またキースから何かあるかは分からないけれども、軍事で敵わないと知った今、他のことで接触する可能性の方が高い。政治であればもうリルが出る必要もない。これでまた平和なスローライフが戻ってくる。
昨日最後の一つと取っておいたおにぎりを口に放り込む。不恰好ながら気持ちが詰まっていてとても美味しい。彼女にも早く知らせて安心してもらわなければ。
急いだおかげでかなり早く山にたどり着いた。地面に下りると、アミルが家からバタバタと出てきた。
「おかえりなさい! 貴方が無事ということは、オトラ軍は」
「うん。キース軍を打ち負かしましたよ」
「よかった……」
その場にへなへなと倒れ込むアミルを抱き止める。すると、顔を真っ赤にされてしまった。
「申し訳ありません。安心したら力が抜けてしまって」
「いえ全然。良かったですね、戦争にならなくて」
「ええ、本当に。先ほど遠くから大きな爆発音が聞こえたので心配で心配で」
──ああ、それは私が犯人のやつだ。
やや気まずく思いながら、庭に設置してある椅子に二人で腰掛けた。
「まあそれは問題ありません。朝食は食べました?」
「はい。美味しくいただきました」
「私もおにぎりを。美味しかったです」
感想を伝えたら、また顔を赤くされた。風邪かなとリルは思った。
まだお腹が空いていたので、追加で家の常備食を食べたあとは二人と一匹で畑の水撒きをした。
そろそろお昼という頃になって、喧騒が届いた。リルが空を飛んで山の麓を確認する。
「げっ」
ルッツが数人の兵士を連れて山を登っていた。見つかる前に家へと戻る。
きっと報告に来たのだ。なんとなく気まずい。姿を消して会わないようにしようか考えたが、そちらの方があとあと面倒な気もする。
仕方なく庭で待っていたら、二十分程で彼らが到着した。
「リル、アミル。只今帰還した」
「おかえりなさいませ。ご無事で何よりです」
「うむ」
「おかえりなさい」
ルッツから離れたところで答えたら、ルッツがぐるんと体を向けた。顔の圧に逃げ出したくなる。
全身から汗を吹き出させながら苦笑いをしていたら、ルッツが何やらロンズと会話し出した。
「やはりそうなのか?」
「間違いありません」
「なるほど分かった」
せっかくルッツの視線から逃れられたと思っていたのに、今度はズンズン近づいてきて言った。
「リル。キース軍を倒してくれたのは君だな」
「な、何のことだか!?」
いきなり核心をつかれて声が上擦る。あれだけ上手く変化したのだ。雑そうなルッツに一発でバレるはずはない。
やけに爽やかな笑顔が怖いロンズがルッツの横に立ち、一度頭を下げてから右手を差し出した。
「そちらのチョコ様をお連れになっていたでしょう。魔法士は男性でしたが、上級魔法士が変化魔法を使えるのは存じております」
「あ」
思わずチョコと顔を見合わせる。自分にばかり気を取られてチョコを変化させていなかった。羽のあるウォルフはチョコしかいない。
「わはは、素晴らしい。感謝する。国を救ってくれたのだから、それ相応の礼をしなければならん。ところで、王宮魔法士にはならないか?」
「ぜっったいになりません!!」
リルの叫びが山全体に木霊した。
「早く戻らなくちゃ。私ってバレなかったよね」
またキースから何かあるかは分からないけれども、軍事で敵わないと知った今、他のことで接触する可能性の方が高い。政治であればもうリルが出る必要もない。これでまた平和なスローライフが戻ってくる。
昨日最後の一つと取っておいたおにぎりを口に放り込む。不恰好ながら気持ちが詰まっていてとても美味しい。彼女にも早く知らせて安心してもらわなければ。
急いだおかげでかなり早く山にたどり着いた。地面に下りると、アミルが家からバタバタと出てきた。
「おかえりなさい! 貴方が無事ということは、オトラ軍は」
「うん。キース軍を打ち負かしましたよ」
「よかった……」
その場にへなへなと倒れ込むアミルを抱き止める。すると、顔を真っ赤にされてしまった。
「申し訳ありません。安心したら力が抜けてしまって」
「いえ全然。良かったですね、戦争にならなくて」
「ええ、本当に。先ほど遠くから大きな爆発音が聞こえたので心配で心配で」
──ああ、それは私が犯人のやつだ。
やや気まずく思いながら、庭に設置してある椅子に二人で腰掛けた。
「まあそれは問題ありません。朝食は食べました?」
「はい。美味しくいただきました」
「私もおにぎりを。美味しかったです」
感想を伝えたら、また顔を赤くされた。風邪かなとリルは思った。
まだお腹が空いていたので、追加で家の常備食を食べたあとは二人と一匹で畑の水撒きをした。
そろそろお昼という頃になって、喧騒が届いた。リルが空を飛んで山の麓を確認する。
「げっ」
ルッツが数人の兵士を連れて山を登っていた。見つかる前に家へと戻る。
きっと報告に来たのだ。なんとなく気まずい。姿を消して会わないようにしようか考えたが、そちらの方があとあと面倒な気もする。
仕方なく庭で待っていたら、二十分程で彼らが到着した。
「リル、アミル。只今帰還した」
「おかえりなさいませ。ご無事で何よりです」
「うむ」
「おかえりなさい」
ルッツから離れたところで答えたら、ルッツがぐるんと体を向けた。顔の圧に逃げ出したくなる。
全身から汗を吹き出させながら苦笑いをしていたら、ルッツが何やらロンズと会話し出した。
「やはりそうなのか?」
「間違いありません」
「なるほど分かった」
せっかくルッツの視線から逃れられたと思っていたのに、今度はズンズン近づいてきて言った。
「リル。キース軍を倒してくれたのは君だな」
「な、何のことだか!?」
いきなり核心をつかれて声が上擦る。あれだけ上手く変化したのだ。雑そうなルッツに一発でバレるはずはない。
やけに爽やかな笑顔が怖いロンズがルッツの横に立ち、一度頭を下げてから右手を差し出した。
「そちらのチョコ様をお連れになっていたでしょう。魔法士は男性でしたが、上級魔法士が変化魔法を使えるのは存じております」
「あ」
思わずチョコと顔を見合わせる。自分にばかり気を取られてチョコを変化させていなかった。羽のあるウォルフはチョコしかいない。
「わはは、素晴らしい。感謝する。国を救ってくれたのだから、それ相応の礼をしなければならん。ところで、王宮魔法士にはならないか?」
「ぜっったいになりません!!」
リルの叫びが山全体に木霊した。
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