貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

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第四章

気になる魔石

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 ひとしきり手合わせを終え、草の上に寝転がる。出会ったばかりの頃もこんな感じだった。人生は変化がつきものだが、変わらないものもある。これからもずっと大切にしていきたい。

「チョコって、ウォルフの中で最強だったりして」
「ガウ」
「お、自信あるね。私もそう思う。本当に強いよ」

 魔物について詳しくないので、身近なウォルフもどのような位置づけをされているのか知らない。もしかしたらこうして強い個体もいるかもしれないし、いないかもしれない。羽の生えたものはいないとサイは言っていたので、これだけは特殊だろう。勢いで羽を与えてしまったが、チョコが気に入ってくれているのが幸いだ。

 ようやく昼寝を許され、大型布団を敷いて一緒に寝る。波の音をBGMにして寝られるなんて最高の贅沢だ。山では味わえない環境に、別荘を島にしてよかったと思う。

「気候が暖かいっていうのもいいよねぇ」



 陽が傾く前に起きて帰る支度をする。目新しい植物は無かったが、その分様々な魔物と出会えた。魔石も沢山手に入った。これらをギルドに持っていけば金になる。ただ、特に金を稼ぎたいわけではないので、純粋に魔石を何かに使えないか調べたい気持ちもある。

「持ってる魔法書には載ってなかった。ということは、特別な魔法書にしか載っていないか、あるいは魔法には使われないのか……」

 魔法袋を握りしめる。いくつかあるので、一つや二つ開発に使っても構わない。だんだん開発意欲が湧いてきた。

「兄様関連のストレスを開発にぶつけよう」

 今のところ感知器に反応は無い。いつ反応があるか分からない状況は、日にちが経つにつれ神経をすり減らすことになる。それを避けるため、それ以上の興味を無理やりにでも引き出しておいた方がいい。

「こうなったら思いつくもの片っ端から試そう。なんだかんだ暇だし」

 そう、いろいろとアクシデントはあったものの、何にも属さず生活しているので、この日にやらなければならない締め切りが存在しない。だからいつも暇で、しかし何かが起きるといきなり忙しくなるといったところだ。前世を考えれば、この暇が何よりの宝物である。

「明日に怯えない生活っていいよね。明日朝一でやらなきゃいけない仕事が前日二十時に渡されるとかさ……」

 嫌なことを思い出してしまった。首を振って記憶の彼方へ飛ばす。もう過ぎ去った過去をあれこれ考えたところで過去が変わるわけでもない。それならば、今を考えた方が建設的だ。

「チョコ、帰るよ」

 遊び場で暴れていたチョコを呼ぶ。嫌がることなくすぐに駆け寄ってきた。部屋にある魔法陣を使い山に戻ってきたリルは、さっそく本日獲得した魔石を全部机に広げた。

「五個か。全部使ったらまずいから、とりあえず一つ加工してみようかな」
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