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精霊たち井戸端会議
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珍しく夢を見たんだ。
昔の、まだ、小さな頃の夢を。
何時もは暗闇の悪夢か、皆といる幸福の夢だったのに。
当時、両親を魔獣の被害で亡くし、生き倒れていた頃、数少ない魔導具技師の師匠に拾ってもらった。
「師匠」
「お前はこんな簡単なこともできんのか!」
「ごめんなさい。ごめんなさい」
スパルタで、すぐ手を上げて、ひたすら短期での技能習得をさせられていた。
今となっては物珍しいと言われる職業だが、師匠の居た村は魔導具技師を生み出す村だったそうだ。
だから身寄りのない子を引取っては専門の魔導具技師へと育て上げていたそうだ。
大体一家族に一人から二人とその村では決まっていた。
「こんな簡単なことも出来んなんて、今日は飯抜きだ」
そう言って家を追い出されたこともしばしば。
特に師匠は厳しい人で、子供は脱走することも後を立たなかったそうだが、それでも一番素晴らしい技術者であったのは確かだった。
そんな中で駆け落ちしたという珍しい一組の夫婦は、そんな師弟であるルーンティルを気遣っていた。
産まれたばかりの赤ん坊がいるからと年の近いルーンティルを呼んではご飯抜きの日には必ず食事をご馳走してくれた。
師匠に殴られた傷の手当をしてくれた。
それに対して師は知ってか知らずか、夜遅く、ルーンティルがベッドで寝ている頃を見計らってこっそり迎えに来ては背負って、連れて帰っていた。
時々背中で、飯代だ。助かった。や、そうやって優しく接したらいいのにと夫婦との会話を聞いた気もする。
その夫婦の親がサジタリスの親だった。
サジタリスが物心付き、大きくなる頃、森へと素材集めや、師匠に怒られて逃げることもしばしば。
ウルカと契約したのその頃だ。
当時、魔導具技師の精霊使いは珍しいので褒めてくれるかと思えば、くだらんと一周された。
自慢などするなと言われて、村の人間以外の前でも滅多に出すことはなかった。
ウルカとはサジタリスを含めて遊ぶ程度だった。
正直ウルカが精霊であったことや契約したことは残念ながら、数年後に長老に言われるまで全く気づかなかった。
師匠に自慢するなと言われてそんなもんかと思っていた。
サジタリスは自分が師匠に殴られたり怒鳴られたりするところを見ると必ず守ってくれていた。
だが師匠に怒鳴られ、必ず泣きだしていたのは可愛い思い出。
何時からか背丈も伸びて泣かず立ち向かうようになった頃。
師匠の具合があまりよくないのかと村長や夫婦と話していた。
咳き込むことが多くなり、顔色も悪かった。
そんな日々の中で、王国軍が乗り込んできて、村一番の技術者を出せと言い出した。
なんでも今後の兵器開発をしたいからと。
いの一番に飛び出したのは師匠で、金さえくれれば何でもすると申し立てた。
ただし、準備もあるからと数日の時間を置いてくれと願い出た。
夜明け前、自分を含む、見習いや子供たちは裏山へ隠れるよういわれていた。
そして、村は、残された大人が虐殺の上、無くなった。
後の師や大人たちが隠しておいてあった手記によれば、技術者を数人確保した後、虐殺するという恐ろしい計画を知っていたと言う。
国軍所属以外の技術者は必要ないという、そんな理由で。
子供たちは何時しか大人たちの遺産を分けて、散り散りに逃げた。
ルーンティルはサジタリスが後を追いかけてくる形で放浪した。
サジタリスはメキメキと力を付けていった。
そして、ルーンティルとサジタリスはたまたま見かけた遺跡探索中、現在の国へと来ることとなった。
昔の、まだ、小さな頃の夢を。
何時もは暗闇の悪夢か、皆といる幸福の夢だったのに。
当時、両親を魔獣の被害で亡くし、生き倒れていた頃、数少ない魔導具技師の師匠に拾ってもらった。
「師匠」
「お前はこんな簡単なこともできんのか!」
「ごめんなさい。ごめんなさい」
スパルタで、すぐ手を上げて、ひたすら短期での技能習得をさせられていた。
今となっては物珍しいと言われる職業だが、師匠の居た村は魔導具技師を生み出す村だったそうだ。
だから身寄りのない子を引取っては専門の魔導具技師へと育て上げていたそうだ。
大体一家族に一人から二人とその村では決まっていた。
「こんな簡単なことも出来んなんて、今日は飯抜きだ」
そう言って家を追い出されたこともしばしば。
特に師匠は厳しい人で、子供は脱走することも後を立たなかったそうだが、それでも一番素晴らしい技術者であったのは確かだった。
そんな中で駆け落ちしたという珍しい一組の夫婦は、そんな師弟であるルーンティルを気遣っていた。
産まれたばかりの赤ん坊がいるからと年の近いルーンティルを呼んではご飯抜きの日には必ず食事をご馳走してくれた。
師匠に殴られた傷の手当をしてくれた。
それに対して師は知ってか知らずか、夜遅く、ルーンティルがベッドで寝ている頃を見計らってこっそり迎えに来ては背負って、連れて帰っていた。
時々背中で、飯代だ。助かった。や、そうやって優しく接したらいいのにと夫婦との会話を聞いた気もする。
その夫婦の親がサジタリスの親だった。
サジタリスが物心付き、大きくなる頃、森へと素材集めや、師匠に怒られて逃げることもしばしば。
ウルカと契約したのその頃だ。
当時、魔導具技師の精霊使いは珍しいので褒めてくれるかと思えば、くだらんと一周された。
自慢などするなと言われて、村の人間以外の前でも滅多に出すことはなかった。
ウルカとはサジタリスを含めて遊ぶ程度だった。
正直ウルカが精霊であったことや契約したことは残念ながら、数年後に長老に言われるまで全く気づかなかった。
師匠に自慢するなと言われてそんなもんかと思っていた。
サジタリスは自分が師匠に殴られたり怒鳴られたりするところを見ると必ず守ってくれていた。
だが師匠に怒鳴られ、必ず泣きだしていたのは可愛い思い出。
何時からか背丈も伸びて泣かず立ち向かうようになった頃。
師匠の具合があまりよくないのかと村長や夫婦と話していた。
咳き込むことが多くなり、顔色も悪かった。
そんな日々の中で、王国軍が乗り込んできて、村一番の技術者を出せと言い出した。
なんでも今後の兵器開発をしたいからと。
いの一番に飛び出したのは師匠で、金さえくれれば何でもすると申し立てた。
ただし、準備もあるからと数日の時間を置いてくれと願い出た。
夜明け前、自分を含む、見習いや子供たちは裏山へ隠れるよういわれていた。
そして、村は、残された大人が虐殺の上、無くなった。
後の師や大人たちが隠しておいてあった手記によれば、技術者を数人確保した後、虐殺するという恐ろしい計画を知っていたと言う。
国軍所属以外の技術者は必要ないという、そんな理由で。
子供たちは何時しか大人たちの遺産を分けて、散り散りに逃げた。
ルーンティルはサジタリスが後を追いかけてくる形で放浪した。
サジタリスはメキメキと力を付けていった。
そして、ルーンティルとサジタリスはたまたま見かけた遺跡探索中、現在の国へと来ることとなった。
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