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第二話「呪われた動画配信者」
01-3.
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演出の予定がない行動をする理由は見当たらない。
周囲をわざとらしく見渡す正樹に釣られるように彰も周囲を伺うものの、やはり、なにも見つけられなかった。
「んん? ランラン、意外とビビり?」
正樹は話題を見つけたと言わんばかりの顔をした。
「その見た目で? ギャップ萌えってやつ?」
彰は呆れたような声を上げた。視聴率が跳ね上がるような出来事を期待していたのだろう。
「ありだな。俺的には」
正樹は彰の考えに気づくことなく、のんきなことを言っていた。
その会話の最中も、蘭の視線は正樹の背後に向けられている。
「や、やだ。こっちに来ないで!!」
蘭は声を上げた。
体は震えており、目には大粒の涙が溜まっている。冷や汗が止まらない。顔色は恐怖により青白くなっていく。
演技ではないだろう。
誰が見ても、蘭の目にはなにかが見えていることは明らかだった。
「ひぃっ」
蘭は数歩下がる。
それから視線を自身の左腕に向けた。
「離して!」
怯えきった声を上げる。
何かを振り切るような仕草をするものの、そこになにがあるのか、蘭以外の誰の目にも認識できなかった。ただ、悪ふざけをしているわけではないというのは理解をしてしまう。
「いやっ!」
蘭の左腕がなにかに引っ張られる。
抵抗をしようとしてみるのものの、その力は凄まじく、蘭の体は左前方に引き寄せられていく。
「な、なんということでしょう!」
正樹は声を上げた。
視聴者が見ていることを思い出したのだろう。
「ランランが得体のしれないものに引き寄せられているように見えませんか!?」
「バカ! そんなこと言ってる場合か!」
太一は反射的に声を上げる。
撮影をしている場合ではないと判断をしたのだろう。
周囲をわざとらしく見渡す正樹に釣られるように彰も周囲を伺うものの、やはり、なにも見つけられなかった。
「んん? ランラン、意外とビビり?」
正樹は話題を見つけたと言わんばかりの顔をした。
「その見た目で? ギャップ萌えってやつ?」
彰は呆れたような声を上げた。視聴率が跳ね上がるような出来事を期待していたのだろう。
「ありだな。俺的には」
正樹は彰の考えに気づくことなく、のんきなことを言っていた。
その会話の最中も、蘭の視線は正樹の背後に向けられている。
「や、やだ。こっちに来ないで!!」
蘭は声を上げた。
体は震えており、目には大粒の涙が溜まっている。冷や汗が止まらない。顔色は恐怖により青白くなっていく。
演技ではないだろう。
誰が見ても、蘭の目にはなにかが見えていることは明らかだった。
「ひぃっ」
蘭は数歩下がる。
それから視線を自身の左腕に向けた。
「離して!」
怯えきった声を上げる。
何かを振り切るような仕草をするものの、そこになにがあるのか、蘭以外の誰の目にも認識できなかった。ただ、悪ふざけをしているわけではないというのは理解をしてしまう。
「いやっ!」
蘭の左腕がなにかに引っ張られる。
抵抗をしようとしてみるのものの、その力は凄まじく、蘭の体は左前方に引き寄せられていく。
「な、なんということでしょう!」
正樹は声を上げた。
視聴者が見ていることを思い出したのだろう。
「ランランが得体のしれないものに引き寄せられているように見えませんか!?」
「バカ! そんなこと言ってる場合か!」
太一は反射的に声を上げる。
撮影をしている場合ではないと判断をしたのだろう。
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