兄ちゃん、これって普通?

ジャム

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兄ちゃんのが・・っ僕の中に這入ってくる・・!
粘ついた体液が、少しずつ少しずつ塗り込まれていく様を想像して、全身の血液が急激に下腹に集中するのがわかった。

挿れられる・・んだ・・?
ここに・・兄ちゃんのを、挿れられて・・?
それで・・?
あの動画みたいに・・僕も喘ぐんだろうか・・?

「痛くないか?」
何度、兄ちゃんにそう聞かれただろう。
僕は、その度に考え、痛いと言おうかどうしようかと迷った。
痛いと言えば、きっと兄ちゃんは止めてくれる。
そう思っても、いざとなると口に出せない。
兄ちゃんの手も唇も、どこまでも優しくて、恥ずかしくなるくらい丁寧で、自分よりも僕を気持ち良くさせようとしてるのが、苦しい程に伝わってきた。
すでに前戯の時点で2回もイってる。
下半身がぐちゃぐちゃに濡れているのも、そのせいだ。
怖い。
だけど、興奮してる。
うつ伏せに腰を高く上げさせられ、グチュグチュに広げられた穴の中で指を動かされると、気持ち良さに堪らなく腰が揺らめいた。
「ダイキ・・」
兄ちゃんの声が溜め息混じりに僕の名前を呼んだ。
指が抜き去られ、空虚にもどかしくなる肉の狭間へ、熱いモノが押し当てられた。
入り口より大きな肉の塊が肉襞を掻き分けるようにそこで左右に揺れる。
開かされた濡れた肉の輪が柔らかく男性器を咥え込む。
丸呑みにされたカリが一度引っかかり、兄ちゃんは動きを止めて、長い溜め息を吐いた。
「にいちゃ・・っ」
「ダイキ・・っ」
兄ちゃんの手に力が這入った。
僕の腰を強く掴むと、同時に。
「好きだ、ダイキ」
灼熱の塊が僕の中、細い肉襞の間を滑り抜けて来た。
「ひあっっ・・・っにいちゃっにいちゃ・・っにいちゃん!!」
必死にシーツを握り締め、熱い肉棒に貫かれる衝撃に耐えた。
いや、耐え切れてはいなかった。
兄を受け入れた瞬間、濡れた粘膜が肉棒を逃すまいと吸着し、兄の勃起を捕らえると、その形を僕にまざまざと知らしめてきた。
打ち震えていたのは中だけでは無い。
外気に晒された陰茎は絶えず濁った粘液を蜜口から垂らし続けて、男性器の挿入のショックについに弾け、ビクビクと痙攣しながら所構わず精液を撒き散らせていた。
「ダイキ・・っダイキ・・っ」
食いしばるように名前を呼びながら、兄が動き出す。
止めどなく溢れる快感に、頭の奥がシビレていく。

熱くてイタイ・・っ
受け入れたソコが兄ちゃんの形に広がっても、兄の硬さがわかるだけで、殆ど違和感は無かった。
擦り上げられれば、自分から腰を突き出してしまう程に気持ちがよかったし、『セックスをしている』と思うと更に気持ちが昂って、神経は過敏なのに、痛みには鈍感になっていった。
貫かれる悦びさえ感じ、兄が自分の中で堪えきれず悶絶する様子には、心臓が痛くなる程に嬉しかった。

ただ。
兄弟でセックスしているという事実に、僕はどうしても理性を手放せない。
痛い。
これは痛いことだ。
だから言うんだ・・!
痛いって言うんだ・・!
こんな事、イケナイ。
やめなきゃ、イケナイ。
兄ちゃんとセックスしちゃ、イケナイんだから・・!
何度も頭の中で繰り返し、口を開いた。が、零れるのは甘い溜め息と、自分の声と思えないような嬌声だけだった。

「あ、あ、あ、・・・んーーーッ・・ヤアッ・・ハアッハアッにいちゃ・・っ」
頭の中が真っ赤に染まる。
熱くて、自分の身体の感覚よりも、自分の中にある兄ちゃんの勃起に神経が集中してしまう。
「また、イッタのか?・・ダイキ?・・なあ、顔見せろ・・」
兄ちゃんがこれ以上は無いくらいに僕の中に根元まで食い込ませ、僕の髪を後ろへと掻き上げた。
僕はうつ伏せてた顔を横に向け、兄ちゃんを目で探した。
至近距離で、兄ちゃんの目と合う。
「ダイキ」
と、開いた唇が僕の唇と重なった。
熱い、吸い付くような粘膜同士を合わせて、キスをする。
唇の内側を合わせ、やさしく噛むような口付けを交わし、兄ちゃんがゆっくりと動き出した。
舌を絡ませ合い、僕の最奥を深く長く打ち付ける。
「にいちゃあ・・っ」
もう何度目かわからない飛沫。
身体が動く限り、兄は朝まで僕を抱き続けた。

やっと目が覚めたのは、昼だった。
自分を背中から抱いている兄の手が僕の胸の前で交差している。
ゆっくりと振り返ると、そこには、あどけない顔の兄の姿。

すっきりした顔しちゃって・・。

そう思うと、なんだか笑えてきた。
兄ちゃんの腕の中で身体の向きを変えて、薄く開いた兄ちゃんの唇にキスをする。
それでも、反応の無い様子に、僕は兄ちゃんの首筋を食むように唇を押し付けた。
すると、ビクリと肩を竦めた兄ちゃんの目が瞬く。
「・・・だいき・・?」
「兄ちゃん、起きようよ。腹減った」
「なんだよ、お前さ~・・せっかくチューで、起こしてくれたのに・・だいき、デリカシー・・ねえ・・」
「だって、もう昼だよ?兄ちゃん」
もう一度、寝起きの悪い兄ちゃんの唇を吸ってやる。
「・・・昼!?」
昼と聞いて、突然兄ちゃんが飛び起きた。
驚いた僕はベッドに寝たまま、兄ちゃんを見上げる。
すると、急に兄ちゃんが自分の身体を手で摩る。
全身を確かめるように摩って、ハッとしたように僕の方を見た。
「ダイキ・・っお前、そのカッコ・・!」
「え?」
「え!?」
「え!?」
真っ青になる兄の顔に、僕の身体からも一気に血の気が引いた。
「オレ・・もしかして・・・お前とヤっちゃったのか・・?」
そう言われた瞬間、僕の中で何かがガラガラと音を立てて崩れた。
兄ちゃんは覚えて、ないんだ・・?
昨日のこと、覚えてないんだ・・?
「・・ヤってない。ヤってないから。兄ちゃんとなんかヤってないっ」
涙が出そうになるのを歯を食いしばって堪えて、僕はベッドから立ち上がった。
けど、その瞬間、弛み切ってる尻からポタポタッと雫が落ちた。
それは、静かにねっとりと溢れ出ると、内股をゆっくりと滴り落ちていく。
兄ちゃんに見られてないワケが無かった。
けど、僕はサッと手でそれを拭い「ヤッてないから」と、素っ裸のまま兄ちゃんの部屋を飛び出した。

悔しい・・!
兄ちゃんは、何にも覚えてないっ
さんざん酔っ払って、その勢いで、一晩中僕を犯したくせに、そのことを何にも覚えてない・・!

あんなに、やさしくしてくれたのに。
あんなに好きだって言ってくれたのに。
全部、何一つ、兄ちゃんは覚えてなかったんだ・・!

そう思うと涙が溢れて止まらなかった。

もう、シない。
兄ちゃんと、キスもセックスも、もうシない。
絶対、させてヤラない・・!

そう、僕と兄ちゃんは兄弟なんだから。
こんな事は、本当は間違ってるんだから。
だから、兄ちゃんは、あんなに驚いた顔をしたんだ。
本当は、僕とセックスする気なんかなかったんだから・・!

部屋で、身体の汚れを拭き取って、素早く服を身に着けた。
自分の部屋に居たらダメだ。
いつ兄が入ってくるかわからないから、父の居るリビングへと下りた。
父と一緒なら、兄は僕に手を出さないだろうから。
切り刻まれたように心が痛んだけど、それを隠してでも、兄を拒みたかった。

僕達は、間違っているんだから。
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