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番外編 初春
ユア・ハンズ・オン・マイン 2
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地下への入り口に到着してみると、先に配置についた人たちから、端末に報告があがっていた。みんな、問題なく持ち場にたどり着けたようだ。
車を運転してくれた男性も、別働隊に合流し、エレベーターで下っていった。
我々は、彼が乗ったエレベーターとは別の基に乗り込み、地下を目指した。三人でひとつのポイントを担当する。
ちら、と私は副嶋さんを観察した。さっきから、何かにつけて木下さんの発言に反応する。まだ頬がぴくぴくする程度なので、放っておいても大丈夫だろうが。
割いてもらえた人数は十名程度で、実は木下さんの加勢はとてもありがたいのだが、副嶋さんとはウマが合わなさそうのが、不安要素でもあった。
この仕事を請け負ったときに、班長の鹿瀬さんから、よその部門の人間に副嶋さんの顔を売ってこいと言われて送り出された。まさかその仕事でいざこざを起こすほど、彼も短慮じゃないはず。信用しているよ、と圧を掛けたくなるが我慢する。
それと同時に、この二人と息がピッタリ合うという人がいるなら、ぜひ、今後の参考にさせていただきたいとも思う。円滑な人間関係の構築は、職務遂行能力の一貫として常に興味がある。自分のそれが足りてない自覚もある。
つらつら余計なことを考えながら、私も配置についた。
運動能力からして、捕獲担当の頭数に自分を含めていいか疑問だが、突っ立っていれば壁くらいにはなるだろう。
続けているウォーキングの効果か、階段の昇り降りくらいなら楽にこなせるようになったし、多少の追跡もできるかも。
なんにせよ失敗だけは避けなければ。一度捕獲し損なえば、オパール号は用心深くなるだろうから。
地下の施設は思っていたよりもずっと天井が高く、適度な湿度と気温を保っていて、過ごしやすかった。
打ちっぱなしのコンクリートや、突き出た鉄骨、積まれた建材など、無骨で飾り気のない景色が続いている。
天井や足元を照らすライトが、隅々にわずかな影を残しているせいで、夜の廃墟じみた寂しさと美しさもある。幻想的という言葉があうかも。
その静謐を踏みにじり、私たちは機材を広げた。
「主任。梶本さんから、十分前にアクセスを確認したと連絡が。この地点です」
副嶋さんが端末の地図のその部分にマークを落とした。近い。ここから二百メートルほど先にある捕獲ポイントの半径一キロ以内。
「お、もしかしてこっちに来るのか」
端末を覗き込んだ木下さんは、あからさまにわくわくしている。捕物の気配に血が騒いでいるらしい。
対して副嶋さんは複雑な表情。
私は声を潜めて告げた。
「罠にかかればアラートが鳴りますので、それまでは静かに待機していてください」
「三小田、靴脱いでおけよ」
顔はにやけてるけど、声は真剣。木下さんの指示に従い、私は靴を脱いだ。踵は低めだが音がする可能性はある。ついでに、コートも脱ぐ。その方が動きやすいと判断して。
靴を端に避けて、素足で踏むコンクリートの冷たさに身震いした。すぐに指先の感覚がなくなる。
床は小石や切り粉で思いの外ざりざりしている。ちょっと痛いかも。今履いているこのストッキングは、これでおじゃんだろう。
リビングの床暖房が恋しいと、這い上がる寒さに早くも根を上げそうになった。お風呂に入りたい。温めのお湯にお気に入りの入浴剤を入れて、ぼんやり音楽を聞くのだ。
寒気に大きく身震いしたときだった。
端末が鳴った。アラートだ、罠が作動したという。
誰からともなく駆け出して、目標のポイントに向かった。
角を曲がってすぐに目視できた。ネットを被って、のたうっている黒っぽい影。
頭だけを捕獲用ネットに包み込まれたオパール号が、唸りと高い悲鳴が入り交じった声を上げてもがいていた。今にもネットが外れそうである。
口輪を持って男性二人が一直線に駆けていく。
学生時代、短距離走をやっていたという副嶋さんは速く、木下さんをぐんぐん引き離す。まず腿の上げ方が違う。
木下さんだって速い方。
私はもちろん鈍足なので、彼らよりだいぶ遅れる形で追いかける。
副嶋さんが暴れるオパール号を後ろからホールドした。そして木下さんが口輪をかけようとする。
私は走りながら他の班への応援要請を出す。近くのポイントに、獣医師が控えているのだ。すぐに来てもらって、対応してほしい。
獣の必死の声がひときわ大きくなった。まるで断末魔の叫び。
はっとした。パニックのためか、犬は失禁していた。死に物狂いで拘束から逃れようとしている。口の端から泡を吐いて。
唾液が、苦くなった気がした。それを無理やり嚥下し、加勢のため、私も係留用のハーネスを持ち上げる。
「うお、あぶねっ」
木下さんの怒号が聞こえた。
ネットが外れたオパール号の牙が、木下さんの喉笛と紙一重の位置で、がちりと合わさった。彼が身を引くのが一瞬遅れたら、噛みつかれていた。
全身をバネのように反発させた犬が、副嶋さんの腕から跳び出した。
オパール号が向かってくるのはこちら。
犬の爪の立てるちゃかちゃかという音が、やたらリズミカルだと、変なことに気付く。
血走った白目までむき出しにした犬の、耳の後ろにはちぎれたコードがぶら下がっている。これを接続し、試験用データベースにアクセスさせた途端、オパール号はパニックになって、梶本の腕を噛み逃走したと聞く。
恐ろしかったはずだ。わけもわからないうちに頭の中に大量の情報をねじこまれて。その嫌な実験を、毎日毎日繰り返されれば逃げたくもなる。
ごめんね、と場違いなことを思った。妙に余裕のある思考スピード。これには経験があった。
大型犬の容赦ない突撃を受けて、私はもんどり打って背中から倒れた。頭部に衝撃が走り、目の前が真っ赤になる。瞼をきつく閉じ、遅れてやって来た激痛を受け止める。
壁際に立てかけてあった建材に後頭部をぶつけたらしいが、確認している余裕はなかった。生臭い犬の息が眼前に迫っている。噛みつかれないように、目をつぶったまま腕を首の前に掲げた。
だが、追撃はなかった。かわりにがらんという重たい音を聞いた。
目を開けると、ちかちかする視界がぐんと暗くなっていく瞬間だった。
金属のシャフトが倒れてくる。何本も。それらは私の腕くらいの太さがある。きっと、私には持ち上げるのも困難な重さだ。
――うえ、これ死ぬやつか。
突如やって来た死の予感に、ぽかんと頭の中がクリアになった。
考えるのは、今日の夜ケーキ買って帰る予定だったのに、などという間抜けなことだ。
ぎゅっと目をつぶり顔を背け、痛みを覚悟した。
足首に強い圧迫感。
一拍遅れで背中が灼熱感に見舞われた。
「いっ……」
呻いて身を捻る。ごんと鈍くて大きな音が鼻先で響いた。頭上でも、何度も。前髪が風圧でふわりと揺れたのを感じた。
……あれ。
背中は焼けるようだが、他は痛くない。
そろそろと目を開けると、鼻先三センチくらいのところに、金属シャフトの先端があった。研磨されたその表面に、歪んだ自分の顔が映り込んでいる。
視線を足に向けた。
「セーフっ! 感謝しろよ三小田!」
木下さんが笑っていた。その頬は緊張して引きつっていたけど。
彼が足首を掴んで思いっきり引っ張ってくれたおかげで、下敷きになるのを免れたのだ、とようやく理解する。どっと嫌な汗がでてきた。遅れて心臓がばくばくしだす。
「あ、ありがとう、ございます……いったぁ……」
引っ張られたはずみで上着もシャツもまくれ上がって、床の細かなゴミで肌を擦ってしまったらしい。打ち付けた腰も、今になりじんとしてくる。
よたよた身を起こした。
離れたところに、オパール号に口輪とハーネスを装着した副嶋さんが、その犬を抱き込む姿勢でしゃがんでいた。雷に打たれたような顔をして、こっちを見つめている。
「おい三小田、後輩はちゃんと躾けておけよ。オレも危うく噛まれるところだったぜ」
木下さんは急に不機嫌になり鼻を鳴らして、副嶋さんの横を素通りし、荷物の方へ歩いていった。さっきまでの得意げな顔はどこかにやってしまって。
応援で呼んだ人たちが駆けてくる足音が、反響し聞こえてくる。
副嶋さんは、私が目を合わせた途端に俯いた。捕獲されて尻尾を脚の間に巻き込んでいるオパール号と同じ顔。
私はため息をぐっとこらえた。
車を運転してくれた男性も、別働隊に合流し、エレベーターで下っていった。
我々は、彼が乗ったエレベーターとは別の基に乗り込み、地下を目指した。三人でひとつのポイントを担当する。
ちら、と私は副嶋さんを観察した。さっきから、何かにつけて木下さんの発言に反応する。まだ頬がぴくぴくする程度なので、放っておいても大丈夫だろうが。
割いてもらえた人数は十名程度で、実は木下さんの加勢はとてもありがたいのだが、副嶋さんとはウマが合わなさそうのが、不安要素でもあった。
この仕事を請け負ったときに、班長の鹿瀬さんから、よその部門の人間に副嶋さんの顔を売ってこいと言われて送り出された。まさかその仕事でいざこざを起こすほど、彼も短慮じゃないはず。信用しているよ、と圧を掛けたくなるが我慢する。
それと同時に、この二人と息がピッタリ合うという人がいるなら、ぜひ、今後の参考にさせていただきたいとも思う。円滑な人間関係の構築は、職務遂行能力の一貫として常に興味がある。自分のそれが足りてない自覚もある。
つらつら余計なことを考えながら、私も配置についた。
運動能力からして、捕獲担当の頭数に自分を含めていいか疑問だが、突っ立っていれば壁くらいにはなるだろう。
続けているウォーキングの効果か、階段の昇り降りくらいなら楽にこなせるようになったし、多少の追跡もできるかも。
なんにせよ失敗だけは避けなければ。一度捕獲し損なえば、オパール号は用心深くなるだろうから。
地下の施設は思っていたよりもずっと天井が高く、適度な湿度と気温を保っていて、過ごしやすかった。
打ちっぱなしのコンクリートや、突き出た鉄骨、積まれた建材など、無骨で飾り気のない景色が続いている。
天井や足元を照らすライトが、隅々にわずかな影を残しているせいで、夜の廃墟じみた寂しさと美しさもある。幻想的という言葉があうかも。
その静謐を踏みにじり、私たちは機材を広げた。
「主任。梶本さんから、十分前にアクセスを確認したと連絡が。この地点です」
副嶋さんが端末の地図のその部分にマークを落とした。近い。ここから二百メートルほど先にある捕獲ポイントの半径一キロ以内。
「お、もしかしてこっちに来るのか」
端末を覗き込んだ木下さんは、あからさまにわくわくしている。捕物の気配に血が騒いでいるらしい。
対して副嶋さんは複雑な表情。
私は声を潜めて告げた。
「罠にかかればアラートが鳴りますので、それまでは静かに待機していてください」
「三小田、靴脱いでおけよ」
顔はにやけてるけど、声は真剣。木下さんの指示に従い、私は靴を脱いだ。踵は低めだが音がする可能性はある。ついでに、コートも脱ぐ。その方が動きやすいと判断して。
靴を端に避けて、素足で踏むコンクリートの冷たさに身震いした。すぐに指先の感覚がなくなる。
床は小石や切り粉で思いの外ざりざりしている。ちょっと痛いかも。今履いているこのストッキングは、これでおじゃんだろう。
リビングの床暖房が恋しいと、這い上がる寒さに早くも根を上げそうになった。お風呂に入りたい。温めのお湯にお気に入りの入浴剤を入れて、ぼんやり音楽を聞くのだ。
寒気に大きく身震いしたときだった。
端末が鳴った。アラートだ、罠が作動したという。
誰からともなく駆け出して、目標のポイントに向かった。
角を曲がってすぐに目視できた。ネットを被って、のたうっている黒っぽい影。
頭だけを捕獲用ネットに包み込まれたオパール号が、唸りと高い悲鳴が入り交じった声を上げてもがいていた。今にもネットが外れそうである。
口輪を持って男性二人が一直線に駆けていく。
学生時代、短距離走をやっていたという副嶋さんは速く、木下さんをぐんぐん引き離す。まず腿の上げ方が違う。
木下さんだって速い方。
私はもちろん鈍足なので、彼らよりだいぶ遅れる形で追いかける。
副嶋さんが暴れるオパール号を後ろからホールドした。そして木下さんが口輪をかけようとする。
私は走りながら他の班への応援要請を出す。近くのポイントに、獣医師が控えているのだ。すぐに来てもらって、対応してほしい。
獣の必死の声がひときわ大きくなった。まるで断末魔の叫び。
はっとした。パニックのためか、犬は失禁していた。死に物狂いで拘束から逃れようとしている。口の端から泡を吐いて。
唾液が、苦くなった気がした。それを無理やり嚥下し、加勢のため、私も係留用のハーネスを持ち上げる。
「うお、あぶねっ」
木下さんの怒号が聞こえた。
ネットが外れたオパール号の牙が、木下さんの喉笛と紙一重の位置で、がちりと合わさった。彼が身を引くのが一瞬遅れたら、噛みつかれていた。
全身をバネのように反発させた犬が、副嶋さんの腕から跳び出した。
オパール号が向かってくるのはこちら。
犬の爪の立てるちゃかちゃかという音が、やたらリズミカルだと、変なことに気付く。
血走った白目までむき出しにした犬の、耳の後ろにはちぎれたコードがぶら下がっている。これを接続し、試験用データベースにアクセスさせた途端、オパール号はパニックになって、梶本の腕を噛み逃走したと聞く。
恐ろしかったはずだ。わけもわからないうちに頭の中に大量の情報をねじこまれて。その嫌な実験を、毎日毎日繰り返されれば逃げたくもなる。
ごめんね、と場違いなことを思った。妙に余裕のある思考スピード。これには経験があった。
大型犬の容赦ない突撃を受けて、私はもんどり打って背中から倒れた。頭部に衝撃が走り、目の前が真っ赤になる。瞼をきつく閉じ、遅れてやって来た激痛を受け止める。
壁際に立てかけてあった建材に後頭部をぶつけたらしいが、確認している余裕はなかった。生臭い犬の息が眼前に迫っている。噛みつかれないように、目をつぶったまま腕を首の前に掲げた。
だが、追撃はなかった。かわりにがらんという重たい音を聞いた。
目を開けると、ちかちかする視界がぐんと暗くなっていく瞬間だった。
金属のシャフトが倒れてくる。何本も。それらは私の腕くらいの太さがある。きっと、私には持ち上げるのも困難な重さだ。
――うえ、これ死ぬやつか。
突如やって来た死の予感に、ぽかんと頭の中がクリアになった。
考えるのは、今日の夜ケーキ買って帰る予定だったのに、などという間抜けなことだ。
ぎゅっと目をつぶり顔を背け、痛みを覚悟した。
足首に強い圧迫感。
一拍遅れで背中が灼熱感に見舞われた。
「いっ……」
呻いて身を捻る。ごんと鈍くて大きな音が鼻先で響いた。頭上でも、何度も。前髪が風圧でふわりと揺れたのを感じた。
……あれ。
背中は焼けるようだが、他は痛くない。
そろそろと目を開けると、鼻先三センチくらいのところに、金属シャフトの先端があった。研磨されたその表面に、歪んだ自分の顔が映り込んでいる。
視線を足に向けた。
「セーフっ! 感謝しろよ三小田!」
木下さんが笑っていた。その頬は緊張して引きつっていたけど。
彼が足首を掴んで思いっきり引っ張ってくれたおかげで、下敷きになるのを免れたのだ、とようやく理解する。どっと嫌な汗がでてきた。遅れて心臓がばくばくしだす。
「あ、ありがとう、ございます……いったぁ……」
引っ張られたはずみで上着もシャツもまくれ上がって、床の細かなゴミで肌を擦ってしまったらしい。打ち付けた腰も、今になりじんとしてくる。
よたよた身を起こした。
離れたところに、オパール号に口輪とハーネスを装着した副嶋さんが、その犬を抱き込む姿勢でしゃがんでいた。雷に打たれたような顔をして、こっちを見つめている。
「おい三小田、後輩はちゃんと躾けておけよ。オレも危うく噛まれるところだったぜ」
木下さんは急に不機嫌になり鼻を鳴らして、副嶋さんの横を素通りし、荷物の方へ歩いていった。さっきまでの得意げな顔はどこかにやってしまって。
応援で呼んだ人たちが駆けてくる足音が、反響し聞こえてくる。
副嶋さんは、私が目を合わせた途端に俯いた。捕獲されて尻尾を脚の間に巻き込んでいるオパール号と同じ顔。
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