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ローズマリア編5.アランが討伐に参加した日
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国王陛下からの要請時のみ、聖人の仕事をするようになってから、ローズマリアの生活は一変した。
同行するのは大型の魔物が出た時、怪我人は重傷のみに対応する。
救護院には、医術魔法師を2名常駐させることになり、軽症の患者で呼ばれることも無くなった。
瘴気が発生した場合、その瘴気から魔物が湧いてくるため早目の対応が必要だか、発生したばかりの瘴気から出て来るのは、魔物でも小物ばかりなので、今までのように夜中に浄化に向かわなくても良くなった。
「今まではなんだったのかしら、信じられないくらいよ。良く眠れるし、学院にも毎日通えるし、授業もついていける。
でも一番はアラン、あなたとの約束を守れることが何より嬉しいわ」
疲労により失っていた顔色も、髪も肌も艶やかとなり、常にあった体の疲労感が抜け、頭はスッキリしている。
「君が倒れてしまわないか心配だったよ。酷い扱いを受けていたと聞いて辛かった。夜中にも呼ばれていたなんて……今はどう?大丈夫?」
「陛下のご配慮で、護衛の騎士も増えたの。第二騎士団と討伐の時に、最近乱暴な感じの騎士が少し増えたけど、すぐに護衛の騎士が助けてくれるから大丈夫よ」
アランはスッと表情を変え、
「魔物より第二騎士団の方が危険なんて聞いたことないよ。絶対に一人きりになってはいけないよ?
必ず誰かに居場所を伝えておくこと。どこに行くでも騎士に同行を頼んでね」
「ええ、約束するわ、アラン」
第二騎士団の一部は処罰され、ローズマリアは人間らしい日常を取り戻してきていた。
ただ、ライエム騎士団長の処分は恐ろしく甘かった。
2週間の自宅謹慎と、3ヶ月分の給金を半分に減額しただけだった。
ライエムの魔物討伐の腕を越える者がいないのだ。
いざ魔物と対峙すると、両手に剣を持ち、凄まじい勢いで魔物をなぎ倒していく様は、騎士10人分の働きをした。
でも、何を考えているのかよくわからなかった。突然、大勢のならず者たちを街から連れてきて、剣の稽古をさせた。
これには滅多に第二騎士団に来ない宰相も見学に来た。
そして、ライエム団長と何かずっと話し合うと、団長の肩を叩いて戻って行った。
そして、次の魔物討伐の時から、ならず者達を最前線に配置したのだ。
聖人の同行要請があり、ローズマリアはいつものように討伐隊の最後尾と救護天幕とのあいだの位置におり、軽症の者はその場で、重傷の者は寝台に寝かせ治癒魔法をかけた。
ならず者たちは剣を奮うだけで、礼儀や秩序など何も知らない者ばかりだった。
治療するローズマリアを、酒場に来た男を相手にする女性のような扱いをした。
「おい姉ちゃん、こっちに来てもっとサービスしろよ!」
治療が終わり元気になると、お礼をするわけでもなく声を掛けてくる。
護衛騎士が付いているので心配ないと無視していると、ライエム団長が
「おいお前!聖人に汚い言葉を掛けるな!」と必ず割って入ってきた。
そして、ローズマリアの方を見て笑顔を見せる。
なんなの?つい最近まで自分があのならず者と同じことをしていたのに。そして、またあの薄気味悪い笑顔。護衛がいるのになぜ先に出てくるのかしら…
しかし、それ以上ローズマリアに何かしてくることもなかった。
以前のように、部下と一緒に理不尽な事を言ったりすることは無くなった。
それだけでもローズマリアの環境は充分だった。
自分のやるべきことに集中できるわ。
それから数年、今のような状態が続いた。
ある年、数年に一度の西の森から大量に魔物が湧く時期となった。
その時は、国内から平民、貴族に問わず、剣を持てる男はすべて討伐に参加するよう、国王陛下からの通達があった。
「アラン、絶対に最前線には出ないでね?もし怪我をしたら、すぐに私のいるところに来て、お願いよ?」
「ローズ、心配ないよ。俺みたいな文官は、とりあえず剣を持って後方に居るだけで良いって言われてるから」
アランのような文官も、かたちだけでも討伐に参加しなければ、罰せられるのだ。
ところがいざ討伐が始まると、何故かアランが最前線にいるのが見えた。
どうして!?一番後方にいるはずなのに!
無限に湧いてくる魔物の浄化に、アランの行く方を追うことが出来ない。
そして、その視界を遮るように第二騎士団が、私とアランを取り囲む。
「アラン!すぐにそっちに行くわ!」
アランにたどり着いた時には、絶望するほど変わり果てた姿のアランがいた。
私は意識が無くなるほど、アランに魔力を注いだ。
しかしその後、生涯アランの声を聞くことも、温かい手を握ることも出来なかった。
同行するのは大型の魔物が出た時、怪我人は重傷のみに対応する。
救護院には、医術魔法師を2名常駐させることになり、軽症の患者で呼ばれることも無くなった。
瘴気が発生した場合、その瘴気から魔物が湧いてくるため早目の対応が必要だか、発生したばかりの瘴気から出て来るのは、魔物でも小物ばかりなので、今までのように夜中に浄化に向かわなくても良くなった。
「今まではなんだったのかしら、信じられないくらいよ。良く眠れるし、学院にも毎日通えるし、授業もついていける。
でも一番はアラン、あなたとの約束を守れることが何より嬉しいわ」
疲労により失っていた顔色も、髪も肌も艶やかとなり、常にあった体の疲労感が抜け、頭はスッキリしている。
「君が倒れてしまわないか心配だったよ。酷い扱いを受けていたと聞いて辛かった。夜中にも呼ばれていたなんて……今はどう?大丈夫?」
「陛下のご配慮で、護衛の騎士も増えたの。第二騎士団と討伐の時に、最近乱暴な感じの騎士が少し増えたけど、すぐに護衛の騎士が助けてくれるから大丈夫よ」
アランはスッと表情を変え、
「魔物より第二騎士団の方が危険なんて聞いたことないよ。絶対に一人きりになってはいけないよ?
必ず誰かに居場所を伝えておくこと。どこに行くでも騎士に同行を頼んでね」
「ええ、約束するわ、アラン」
第二騎士団の一部は処罰され、ローズマリアは人間らしい日常を取り戻してきていた。
ただ、ライエム騎士団長の処分は恐ろしく甘かった。
2週間の自宅謹慎と、3ヶ月分の給金を半分に減額しただけだった。
ライエムの魔物討伐の腕を越える者がいないのだ。
いざ魔物と対峙すると、両手に剣を持ち、凄まじい勢いで魔物をなぎ倒していく様は、騎士10人分の働きをした。
でも、何を考えているのかよくわからなかった。突然、大勢のならず者たちを街から連れてきて、剣の稽古をさせた。
これには滅多に第二騎士団に来ない宰相も見学に来た。
そして、ライエム団長と何かずっと話し合うと、団長の肩を叩いて戻って行った。
そして、次の魔物討伐の時から、ならず者達を最前線に配置したのだ。
聖人の同行要請があり、ローズマリアはいつものように討伐隊の最後尾と救護天幕とのあいだの位置におり、軽症の者はその場で、重傷の者は寝台に寝かせ治癒魔法をかけた。
ならず者たちは剣を奮うだけで、礼儀や秩序など何も知らない者ばかりだった。
治療するローズマリアを、酒場に来た男を相手にする女性のような扱いをした。
「おい姉ちゃん、こっちに来てもっとサービスしろよ!」
治療が終わり元気になると、お礼をするわけでもなく声を掛けてくる。
護衛騎士が付いているので心配ないと無視していると、ライエム団長が
「おいお前!聖人に汚い言葉を掛けるな!」と必ず割って入ってきた。
そして、ローズマリアの方を見て笑顔を見せる。
なんなの?つい最近まで自分があのならず者と同じことをしていたのに。そして、またあの薄気味悪い笑顔。護衛がいるのになぜ先に出てくるのかしら…
しかし、それ以上ローズマリアに何かしてくることもなかった。
以前のように、部下と一緒に理不尽な事を言ったりすることは無くなった。
それだけでもローズマリアの環境は充分だった。
自分のやるべきことに集中できるわ。
それから数年、今のような状態が続いた。
ある年、数年に一度の西の森から大量に魔物が湧く時期となった。
その時は、国内から平民、貴族に問わず、剣を持てる男はすべて討伐に参加するよう、国王陛下からの通達があった。
「アラン、絶対に最前線には出ないでね?もし怪我をしたら、すぐに私のいるところに来て、お願いよ?」
「ローズ、心配ないよ。俺みたいな文官は、とりあえず剣を持って後方に居るだけで良いって言われてるから」
アランのような文官も、かたちだけでも討伐に参加しなければ、罰せられるのだ。
ところがいざ討伐が始まると、何故かアランが最前線にいるのが見えた。
どうして!?一番後方にいるはずなのに!
無限に湧いてくる魔物の浄化に、アランの行く方を追うことが出来ない。
そして、その視界を遮るように第二騎士団が、私とアランを取り囲む。
「アラン!すぐにそっちに行くわ!」
アランにたどり着いた時には、絶望するほど変わり果てた姿のアランがいた。
私は意識が無くなるほど、アランに魔力を注いだ。
しかしその後、生涯アランの声を聞くことも、温かい手を握ることも出来なかった。
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