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42.第三王子リチャード·カイザル①
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幼い頃から、側妃から生まれた第三王子として、特に期待されることもなく育った。
それでも王子として、のちに国王となる異母兄を支えるための教育を受け始めた。
僕はとにかく平均的だった。
勉強も魔法も剣術も、どれかひとつでも突出していれば何かが違ったかもしれない。
王子教育の先生達が話しているのを、こっそり聞いたことがある。
「リチャード殿下は伸び代を感じませんね。隣国の言葉も、まったく習得できませんから、国王の補佐で外交は無理でしょうな。かといって内政も難しい。せめて騎士団に入れるくらいの剣の技術があれば良かったのに、それも無いとは」
「早々に爵位を賜って、あてがわれた領地を維持していければ良いのかと。
それが聞いた話しだと、陛下は聖人との婚約を考えているようですよ。本当は第二王子が相応しいと誰もが提言したようなのですが、陛下はリチャード殿下と聖人を婚約させると譲らなかったそうです」
「あぁ!そういうことですか。聖人のフォンベルト侯爵令嬢はとにかく優秀らしいですよ。第二王子のライナルト殿下と婚姻されたら、第一王子の地位が揺らぎかねない。フォンベルト侯爵が、いっそう力を持つのも恐れたんでしょうな」
「それでリチャード殿下と聖人を結婚させておけば、聖人は国内に留めることができるし、言ってはなんですが、リチャード殿下なら、国王として担ぎ上げる派閥もおらんでしょう。聖人の夫としての役割が出来れば充分ですな。良い落とし所でしょう」
そうか、僕とは関係無いところで、僕の人生はもう決まっているのだ。
それなら、勉強も魔法も頑張らなくて良いのでは…?
王子としてのあるべき姿は自分でも好きだ。品良く優雅に立ち振る舞うのはカッコいいから、マナーの講義は好きだ。
そして、いつかお姫様のような可愛い子と結婚して、美しくエスコートしたい。聖人がお姫様みたいに可愛いかったらいいな。
そう、あの時の、あのお茶会の時に出会った、本から出てきたような女の子。
金色の髪に水色の潤んだ瞳、白い肌はまさにお姫様だった。
そのうえ、とても心のキレイな子だった。
木から落ちた鳥の雛を助けようとして、泣きそうになっていた。
助けられないとわかると涙を流していた。
見た目も美しいお姫様だったけど、心も美しい女の子だった。あんな女の子がこの世にいるなんて。
それにほかの貴族の令嬢は、みんな僕を見るとすぐに近くまで寄って来て、媚びるような表情や言葉をかけてくる。
だけどあの娘は、僕が第三王子だと知っていても、素っ気ない感じで、それがまた僕には新鮮だった。
もう一度会いたい。
あの娘が聖人だったらどんなに幸せだろうか。
あんなに心がキレイなんだ、きっとあの娘が聖人に違いない。
でも、あの娘には会えなくなった。
お茶会に来なくなったのだ。何があったのだろう、心配だった。会えなければ余計に会いたい気持ちが募った。ただ一度きり会えたお姫様、僕の運命の人なんだ。
シャルルアン・ゴルドー伯爵令嬢。
その後、僕と聖人の婚約が決まったが、その相手は運命のあの娘ではなかった。
でも、婚約者の聖人ユリアナ嬢もとても美しかった。
月の色のような美しい髪に菫色の大きな瞳。
知的な表情と所作に年下とは思えないほどだった。
僕はこのお姫様でも、いつか好きになれるだろうと思った。運命のあの娘を思いつつも。
定期的に会ってお茶会をして、たまに街にこっそり遊びに行って買い物をしたり、観劇したりした。護衛が付き、時間通りに行動して、お互い危険が無いように配慮した。
いつでも僕は優雅にユリアナをエスコートした。
誕生日にはセンスの良い贈り物を持って侯爵邸を訪問し、何かあれば手紙を書き、花を贈り、公務で他の領地に行けば必ずお土産を買って届けた。
聖人として厳しい環境で頑張っているユリアナを労った。
紳士としての振る舞いは完璧だった。そんな自分が誇らしかった。
ユリアナも会うたびに少しずつ表情が和らいでいき、1年もすると僕に懐いてきた。
会って僕の顔を見ると、嬉しそうに頬を染めてたくさん話しをした。
ただユリアナの話しは、魔物や瘴気が無くなるにはどうしたら良いかとか、そのために国として他にどのような方法を考えれば良いか、被害にあった国民を救う対策についてとか、少し面倒な話しが多かった。
美しい王子様とお姫様はそんなことは考えないで、国民の憧れでいればいいんだ。
ましてやユリアナは聖人という、この世界に唯一の美しい存在なんだから。
そう言うとユリアナは、更に頬を染めて俯いた。
僕は美しい王子様という役割を、紳士という役割を優雅にこなし、ユリアナの婚約者として過ごしていった。
でも、心の片隅にはいつもあの娘がいた。
ユリアナをエスコートする時も、もしこれがあの娘だったらと思う時があった。
あの娘のあの潤んだ瞳で見つめられたら、あの時の小さな指にまた触れることができたら。
僕はその時、冷静でいられるだろうか。
その数年後、その時はやってきた。
「あっ、申し訳ありません…私少し気分が…」
僕を見上げたその瞳は、あの時のあの瞳だった。
潤んだ水色の瞳、金色のふわふわした髪。
あの時のままのお姫様が目の前に現れた。
信じられなかった。夢かと思った。
また会えるなんて!
僕の運命のお姫様!
あぁ、か弱い君をこの腕に抱き締めて、僕が一生守ってあげたい。
「体調が悪いようだね、僕が医療室まで案内するよ」
護衛は怪訝な表情をしていたが、ユリアナはなんの反応も見せなかった。
大丈夫だ、僕が紳士だから、いつでも誰にでもスマートな対応をしていることを知っている。
運命のあの娘だ、あぁ、この心も姿も美しいこの娘が、今僕の隣にいて、肩を抱いている!
夢のようだ…!
やはりあの時のシャルルアン嬢だった。
しかも、シャルルアンも僕をずっと思っていたなんて!これはもう真実の愛だ!
ああ、女神様、いつも頑張っていた僕に、最大のご褒美をありがとうございます。
それからは、もう僕の目にも心にも生活にも、シャルルしか存在しなくなった。
それでも王子として、のちに国王となる異母兄を支えるための教育を受け始めた。
僕はとにかく平均的だった。
勉強も魔法も剣術も、どれかひとつでも突出していれば何かが違ったかもしれない。
王子教育の先生達が話しているのを、こっそり聞いたことがある。
「リチャード殿下は伸び代を感じませんね。隣国の言葉も、まったく習得できませんから、国王の補佐で外交は無理でしょうな。かといって内政も難しい。せめて騎士団に入れるくらいの剣の技術があれば良かったのに、それも無いとは」
「早々に爵位を賜って、あてがわれた領地を維持していければ良いのかと。
それが聞いた話しだと、陛下は聖人との婚約を考えているようですよ。本当は第二王子が相応しいと誰もが提言したようなのですが、陛下はリチャード殿下と聖人を婚約させると譲らなかったそうです」
「あぁ!そういうことですか。聖人のフォンベルト侯爵令嬢はとにかく優秀らしいですよ。第二王子のライナルト殿下と婚姻されたら、第一王子の地位が揺らぎかねない。フォンベルト侯爵が、いっそう力を持つのも恐れたんでしょうな」
「それでリチャード殿下と聖人を結婚させておけば、聖人は国内に留めることができるし、言ってはなんですが、リチャード殿下なら、国王として担ぎ上げる派閥もおらんでしょう。聖人の夫としての役割が出来れば充分ですな。良い落とし所でしょう」
そうか、僕とは関係無いところで、僕の人生はもう決まっているのだ。
それなら、勉強も魔法も頑張らなくて良いのでは…?
王子としてのあるべき姿は自分でも好きだ。品良く優雅に立ち振る舞うのはカッコいいから、マナーの講義は好きだ。
そして、いつかお姫様のような可愛い子と結婚して、美しくエスコートしたい。聖人がお姫様みたいに可愛いかったらいいな。
そう、あの時の、あのお茶会の時に出会った、本から出てきたような女の子。
金色の髪に水色の潤んだ瞳、白い肌はまさにお姫様だった。
そのうえ、とても心のキレイな子だった。
木から落ちた鳥の雛を助けようとして、泣きそうになっていた。
助けられないとわかると涙を流していた。
見た目も美しいお姫様だったけど、心も美しい女の子だった。あんな女の子がこの世にいるなんて。
それにほかの貴族の令嬢は、みんな僕を見るとすぐに近くまで寄って来て、媚びるような表情や言葉をかけてくる。
だけどあの娘は、僕が第三王子だと知っていても、素っ気ない感じで、それがまた僕には新鮮だった。
もう一度会いたい。
あの娘が聖人だったらどんなに幸せだろうか。
あんなに心がキレイなんだ、きっとあの娘が聖人に違いない。
でも、あの娘には会えなくなった。
お茶会に来なくなったのだ。何があったのだろう、心配だった。会えなければ余計に会いたい気持ちが募った。ただ一度きり会えたお姫様、僕の運命の人なんだ。
シャルルアン・ゴルドー伯爵令嬢。
その後、僕と聖人の婚約が決まったが、その相手は運命のあの娘ではなかった。
でも、婚約者の聖人ユリアナ嬢もとても美しかった。
月の色のような美しい髪に菫色の大きな瞳。
知的な表情と所作に年下とは思えないほどだった。
僕はこのお姫様でも、いつか好きになれるだろうと思った。運命のあの娘を思いつつも。
定期的に会ってお茶会をして、たまに街にこっそり遊びに行って買い物をしたり、観劇したりした。護衛が付き、時間通りに行動して、お互い危険が無いように配慮した。
いつでも僕は優雅にユリアナをエスコートした。
誕生日にはセンスの良い贈り物を持って侯爵邸を訪問し、何かあれば手紙を書き、花を贈り、公務で他の領地に行けば必ずお土産を買って届けた。
聖人として厳しい環境で頑張っているユリアナを労った。
紳士としての振る舞いは完璧だった。そんな自分が誇らしかった。
ユリアナも会うたびに少しずつ表情が和らいでいき、1年もすると僕に懐いてきた。
会って僕の顔を見ると、嬉しそうに頬を染めてたくさん話しをした。
ただユリアナの話しは、魔物や瘴気が無くなるにはどうしたら良いかとか、そのために国として他にどのような方法を考えれば良いか、被害にあった国民を救う対策についてとか、少し面倒な話しが多かった。
美しい王子様とお姫様はそんなことは考えないで、国民の憧れでいればいいんだ。
ましてやユリアナは聖人という、この世界に唯一の美しい存在なんだから。
そう言うとユリアナは、更に頬を染めて俯いた。
僕は美しい王子様という役割を、紳士という役割を優雅にこなし、ユリアナの婚約者として過ごしていった。
でも、心の片隅にはいつもあの娘がいた。
ユリアナをエスコートする時も、もしこれがあの娘だったらと思う時があった。
あの娘のあの潤んだ瞳で見つめられたら、あの時の小さな指にまた触れることができたら。
僕はその時、冷静でいられるだろうか。
その数年後、その時はやってきた。
「あっ、申し訳ありません…私少し気分が…」
僕を見上げたその瞳は、あの時のあの瞳だった。
潤んだ水色の瞳、金色のふわふわした髪。
あの時のままのお姫様が目の前に現れた。
信じられなかった。夢かと思った。
また会えるなんて!
僕の運命のお姫様!
あぁ、か弱い君をこの腕に抱き締めて、僕が一生守ってあげたい。
「体調が悪いようだね、僕が医療室まで案内するよ」
護衛は怪訝な表情をしていたが、ユリアナはなんの反応も見せなかった。
大丈夫だ、僕が紳士だから、いつでも誰にでもスマートな対応をしていることを知っている。
運命のあの娘だ、あぁ、この心も姿も美しいこの娘が、今僕の隣にいて、肩を抱いている!
夢のようだ…!
やはりあの時のシャルルアン嬢だった。
しかも、シャルルアンも僕をずっと思っていたなんて!これはもう真実の愛だ!
ああ、女神様、いつも頑張っていた僕に、最大のご褒美をありがとうございます。
それからは、もう僕の目にも心にも生活にも、シャルルしか存在しなくなった。
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