貴方たちの悪意は倍にしてお返しします

翡翠と太陽

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43.第三王子リチャード·カイザル②

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 僕は運命の恋人、真実の愛、シャルルアンに再びめぐり逢い、シャルルアンにのめり込んでいった。

 「あぁ、リチャードさまぁ…」

 シャルルアンは僕と再会して、すぐに心も体も僕に委ねてくれた。

 愛し合う僕らが、自然と求め会うこと、それは当然のことだったのだ。

 ユリアナとは真面目で清らかな関係を続けていたが、愛し合う者同士がその愛を確かめ合うことは当たり前の事だと、シャルルアンが教えてくれた。

 僕は驚いた。王子教育では、閨事についても指導される。

 先生は、婚姻式が済むまでは、お互い心身ともに清らかな状態であるようにと言われた。
 婚姻式で女神様に、生涯愛し合うことを誓ってから、愛を交じ合わせるのだと。

 しかし、シャルルアンは、

 「リチャード様と私は、すでに運命で決められた真実の愛なのです。それはもう女神様に認められたものですよぉ」
と言った。

 このシャルルアンらしい、自由で堅苦しく無い可愛らしい発想に、僕はまたシャルルアンへの思いを募らせた。

 「あぁシャルル、愛してる。僕の真実の愛…」

 運命の再会の日から、僕たちは毎日のように愛を確かめ合った。こんなにも夢中になるなんて。

 シャルルを見つめればシャルルのすべてが欲しくなる。どこにいようと抱き締めて、唇を奪い、その下の可愛らしい二つの膨らみを求め、更にその下の甘い花びらに僕の愛欲を注ぐ。

 「シャルル!シャルル!……っ!」

 それは、学院で行動をともにするようになってから毎日のように求め合った。

 医療室、裏庭のガゼボ、図書館など、シャルルが二人きりになりたいと言う場所に行って、愛してると囁き、口づけし、お互いの体の奥深くまで知り尽くした。

 ユリアナと過ごしたあの期間は、ただの幼稚な子供の付き合いだった。

 今のシャルルとの愛のある濃密な時間は、愛し合っている者同士がごく自然と行き着く関係だと知った。 
 これが真実の愛なのだ。

 気が付くとユリアナとまったく会っていなかった。
 執事や教育係に、ユリアナとの定期のお茶会などの約束を守るようにとうるさく言われたが、シャルルとの時間以上に大切なものなどなかった。

 そんな幸せな日々を過ごしていたある時、シャルルが苦痛に顔を歪ませていた。

 「…ユリアナ様から、その、嫌がらせを受けていて……」

 耳を疑った。
 ユリアナが?シャルルに嫌がらせ?

 言い渋るシャルルを説得し、今まで何があったのか話させた。

 聞くに絶えない悪行だった。
 ユリアナを、今すぐ斬り捨ててやりたい衝動を何とか押さえ込んだ。
 なんてことだ、嫉妬に駆られシャルルを害するなんて!

 「リチャードさまぁ、でも私は大丈夫です。たとえユリアナ様が私たちを引き裂いても、私はリチャード様の真実の愛を信じています。リチャード様がまたユリアナ様のもとに戻っても私は、私は…ふぇーん…」

 なんて健気な少女なんだ…!
 こんなにも愛おしくて美しい娘が、僕を信じ、見返りを求めず愛を注いでくれるのだ。手離すことなど出来るわけがない。

 「シャルルアン、僕は君を心の底から愛している。この思いは、誰にも何にも邪魔することは出来ない。僕たちの真実の愛は誰にも邪魔は出来ないよ」

 シャルルアンから話しを聞き、ユリアナに対する怒りがこみ上げ、ユリアナからシャルルアンを守らなくてはならなくなった。

 それからは、今以上にシャルルアンのそばにいることにした。
 そして、ユリアナがシャルルアンを害した時は、すぐに捕縛するよう護衛に指示を出した。

 するとシャルルアンは、
 「ユリアナ様は私が一人の時を狙うので、捕縛するのは無理です。でもリチャード様、私は今、ユリアナ様にされた意地悪の証拠を集めています。なので、証拠が揃ったらリチャード様にお見せします。私ひとりでユリアナ様に証拠を出すのは怖くてできません…グスッ」

 酷いことをされて証拠を集めるなんて怖かっただろう。こんなにか弱い少女なのになんて賢くて勇気があるんだ。あぁ今すぐ抱き締めて慰めてあげたい。

 「わかったよシャルル、君はこんなにも可愛らしいのに、なんて勇気があるんだ。もちろん証拠が揃ったら、僕のするべき事は決まっているよ。何があってもシャルルを守るし、君の味方だ」

 それから、少しずつユリアナがシャルルアンを害している証拠が集まってきた。
 書類を読むと、証人の証言や証拠もきっちり揃っており、証人がいつでも証言すると言う誓約書まであった。

 そして、その頃からシャルルアンに変化が起きてきた。
 なんと聖人の力のような魔力が発現したのだ。

 神殿に連れて行き、神官長にシャルルの魔力を見てもらった。

 神官長は驚き、このよう事はあり得ないと険しい顔をして、シャルルの魔力を否定していたが、やはりシャルルが聖人だったのだ。

 僕が思った通り、こんなにも天使のようなシャルルが、聖人じゃないわけない!

 神官長は自分の判定ミスを認めたくないから、このシャルルの魔力を否定するんだ。

 神殿にはシャルルの力は使わせない。これからは僕がシャルルの魔力を保護し、聖人としての地位を与えるよう父上に進言しよう。

 なんて素晴らしいんだ!
 僕の幼い頃からの運命の人と再会し、それだけでも幸せだったのが、なんとやっぱりこの最愛の人は聖人だったのだ!

 僕は聖人と結婚する役割しかないから、色々と諦めて王子様らしく美しく生きることが僕の人生だと思っていたのに、シャルルと出会って再会して、そのシャルルが実は聖人だったなんて、おとぎ話のようだ!僕は今最高に幸せだ!


 第三王子リチャードは、ユリアナが今現在も婚約者であるのに、自分勝手にその婚約はないものにしていた。

 シャルルアンと結ばれるために、自分勝手な今後の計画を考えていた。



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