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44.第三王子リチャード·カイザル③
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シャルルアンとは信じられないくらい幸せな時間を過ごしていた。
このまま二人で永遠に繋がっていたい。愛を囁くと、それ以上の愛を返してくれるシャルルアンを、もう手離すことはできない。
ならば、妻として私の妃として側に置くしかない。
「リチャードさまぁ…、ここは?気持ち良いですかぁ…?あっあん!今は、リチャードさまの、あっ!…あーんっ!」
王宮の私の私室で、週末は二人だけの時間を過ごすようになって3ヶ月となり、外は白い景色となっていた。
私の私室にいる間、服を着ることなく過ごす時間がこの上ない楽しみだった。
食事は部屋に運んでもらい、食事の時間以外はシャルルと愛を確かめ合っていた。
「あぁシャルル…、シャルル、いいよ、気持ちいいよ、あーっぁ!愛してるシャルル!」
お互いの良い場所を愛し合い、夢のような時間を過ごした。
この時間が永遠に続けばいい。シャルルと結婚したい。
ユリアナのような、嫉妬に狂いシャルルを害するような者とは結婚できない。
父上に婚約者を取り替えたいと伝えた。ユリアナの悪行と共に。
それにシャルルは聖人の力があるのだ。本物の聖人はシャルルだ。それなのに、何度説明しても駄目だと言われた。
なぜだ?なんで父上はわからないのだ!
愛する者同士が一生を添い遂げることの何が駄目なんだ!
僕たちの愛は真実の愛なのに!
それならばと、ユリアナとは結婚するが、側妃としてシャルルをそばに置くと伝えると、それも駄目だと言う。
しかも、本当にシャルルの本性を理解しているのか?なんて聞いてきた。
僕が、僕が彼女の一番の理解者だと言ったら、父上は笑っていた。
そして、どうしてもシャルルと結婚したいのなら、身分を捨て平民として生きていけと言った。お前とその女に使う国費は無いと。
父上はなぜシャルルの素晴らしさを理解できないのか。あの美しさを保つのに平民では無理だ。
父上との話しは埒が明かない。
もう実力行使しか無いだろう。そのためには邪魔なものは排除しなければならない。
リチャードは国王陛下と王妃、第一王子レオンハルトのスケジュールを時間単位で把握し、使えそうな人間を思い浮かべた。
そして、その計画を決行する日が決まると、シャルルアンに伝えた。
「シャルル、私はもう君がそばにいないと生きていけない。君と結婚するために、悪人ユリアナは牢に入ってもらう。君に対しての罪を償ってもらうためにだ。そのためには準備が必要だ、わかるね?シャルル」
「はい!リチャードさまぁ!私もリチャードさまとずっとずっと一緒にいたいです!だって私たち運命で結ばれているんですもの。私に出来ることならお手伝いしまぁす。だってユリアナはすごく悪い人だから…怖いです、リチャードさまぁ…!」
リチャードは胸に倒れてきたシャルルアンを抱き締め、深く口づけした。
「…っ、んっ…ああ、シャルル愛してるよ。それじゃあよく聞いて、これはその日まで誰にも話してはいけないよ」
その日は父上と正妃様がいない日だった。二人とも、隣国トルランの更に向こうにあるザイカラル国に、視察という名の休養に行く予定だった。
正妃様の母国にこのタイミングで行ってくれるなんて!
王宮の一番早い国王陛下専用の馬車でも、片道で2週間はかかるはずだ。
そして、レオンハルト兄上は体調を崩してもらおう。
シャルルの侍女で特別な魔法が使える者がいる。この一件が落ち着いたら、この侍女も私たち夫婦の側近としてそばに置くことにしよう。
あとは第二騎士団だ。
アイツらはなぜか聖人を毛嫌いしているから一番動かしやすい。
シャルルの父上、ゴルドー伯爵はフォンベルト侯爵に婚約者を奪われたと言っていたな。
フォンベルト侯爵夫人は必ず生かしておいて、この度シャルルを聖人にした褒賞として、ゴルドー伯爵の第二夫人か愛人にでもすればいい。
あとは禍根が残るから、反逆罪で斬り捨てるように指示しておこう。
ナイジェルは優秀だから僕の右腕にでもなれば良かったのに、頑なにレオンハルト兄上のそばを離れなかったから、アイツもいらないな。
ユリアナを溺愛しているところも気に入らない。
フォンベルト侯爵は領地で問題があって帰って来ないはずだ。急いで戻ったところで間に合わない。裁きは終わっている。
でも万が一を考えて細工はしておこう。
この単純な思い付きのような計画が、本当に上手くいくと誰が思っただろう。
のちに急ぎ王宮に戻った王と王妃は、起こった事の顛末を聞き絶望した。
第三王子リチャードを呼び、問いただそうとすると、そばにいた見慣れぬ赤髪の侍女のような娘が近づいてきた。
その後は、第一王子と同じ、原因不明の病気で国王、王妃ともに寝たきりとなった。
ここまで上手くいくとリチャードは、分不相応な野心が芽生えてくる。
私は聖人シャルルアンを妻に持つのだ。私が国王でもよいではないか!
第三王子リチャードが国王となると、国はあっという間に乱れた。
妻に迎えた聖人を名乗るゴルドー伯爵令嬢は、その力に対価を求め、気分が乗らなければ聖人としての仕事は何一つしなかった。
したことと言えば、宝石を買い漁り、あり得ない数のドレスを作らせ、そのドレスを使い捨てにして、ありとあらゆる贅沢をし、豪遊していた。
魔物は街中に出没し、瘴気が漂う。
早々に他国に逃げた一部の国民は難を逃れたが、隣国の結界に弾かれ、国内に留まるしかない国民は、誰一人生き延びることは出来なかった。
リチャードは、愚王として国を混乱させたことで、第一騎士団と官僚達によるクーデターで、数日かけて魔物に喰われるという方法で処刑された。
国民に紛れて隣国に逃げた者の中にシャルルアンがいた。
赤髪の侍女を引き連れ、聖人を名乗り、体に残った最後の魔力を振り絞りその力を見せた。
しかし、そのあとには、ユリアナから奪える魔力もなく、力を使うことができず偽物であるとされ、魔物と瘴気が渦巻く結界の向こう側に戻された。
赤髪の侍女は、隣国の鑑定魔法師に魔術使いと断定され、禍を持ち込んだとして処刑された。
こうしてカイザル国は、一年経つ頃には王都中に魔物と瘴気が溢れ、人の力でどうにかなる状況をとうに過ぎ、周囲の国からは虫一匹すら通さない強力な結界を張られ、翌年に国は滅んだ。
人々は結界の中で、王家を、第三王子とその妻シャルルアンを、激しく恨み、呪ってやると叫びながら絶命した。
このまま二人で永遠に繋がっていたい。愛を囁くと、それ以上の愛を返してくれるシャルルアンを、もう手離すことはできない。
ならば、妻として私の妃として側に置くしかない。
「リチャードさまぁ…、ここは?気持ち良いですかぁ…?あっあん!今は、リチャードさまの、あっ!…あーんっ!」
王宮の私の私室で、週末は二人だけの時間を過ごすようになって3ヶ月となり、外は白い景色となっていた。
私の私室にいる間、服を着ることなく過ごす時間がこの上ない楽しみだった。
食事は部屋に運んでもらい、食事の時間以外はシャルルと愛を確かめ合っていた。
「あぁシャルル…、シャルル、いいよ、気持ちいいよ、あーっぁ!愛してるシャルル!」
お互いの良い場所を愛し合い、夢のような時間を過ごした。
この時間が永遠に続けばいい。シャルルと結婚したい。
ユリアナのような、嫉妬に狂いシャルルを害するような者とは結婚できない。
父上に婚約者を取り替えたいと伝えた。ユリアナの悪行と共に。
それにシャルルは聖人の力があるのだ。本物の聖人はシャルルだ。それなのに、何度説明しても駄目だと言われた。
なぜだ?なんで父上はわからないのだ!
愛する者同士が一生を添い遂げることの何が駄目なんだ!
僕たちの愛は真実の愛なのに!
それならばと、ユリアナとは結婚するが、側妃としてシャルルをそばに置くと伝えると、それも駄目だと言う。
しかも、本当にシャルルの本性を理解しているのか?なんて聞いてきた。
僕が、僕が彼女の一番の理解者だと言ったら、父上は笑っていた。
そして、どうしてもシャルルと結婚したいのなら、身分を捨て平民として生きていけと言った。お前とその女に使う国費は無いと。
父上はなぜシャルルの素晴らしさを理解できないのか。あの美しさを保つのに平民では無理だ。
父上との話しは埒が明かない。
もう実力行使しか無いだろう。そのためには邪魔なものは排除しなければならない。
リチャードは国王陛下と王妃、第一王子レオンハルトのスケジュールを時間単位で把握し、使えそうな人間を思い浮かべた。
そして、その計画を決行する日が決まると、シャルルアンに伝えた。
「シャルル、私はもう君がそばにいないと生きていけない。君と結婚するために、悪人ユリアナは牢に入ってもらう。君に対しての罪を償ってもらうためにだ。そのためには準備が必要だ、わかるね?シャルル」
「はい!リチャードさまぁ!私もリチャードさまとずっとずっと一緒にいたいです!だって私たち運命で結ばれているんですもの。私に出来ることならお手伝いしまぁす。だってユリアナはすごく悪い人だから…怖いです、リチャードさまぁ…!」
リチャードは胸に倒れてきたシャルルアンを抱き締め、深く口づけした。
「…っ、んっ…ああ、シャルル愛してるよ。それじゃあよく聞いて、これはその日まで誰にも話してはいけないよ」
その日は父上と正妃様がいない日だった。二人とも、隣国トルランの更に向こうにあるザイカラル国に、視察という名の休養に行く予定だった。
正妃様の母国にこのタイミングで行ってくれるなんて!
王宮の一番早い国王陛下専用の馬車でも、片道で2週間はかかるはずだ。
そして、レオンハルト兄上は体調を崩してもらおう。
シャルルの侍女で特別な魔法が使える者がいる。この一件が落ち着いたら、この侍女も私たち夫婦の側近としてそばに置くことにしよう。
あとは第二騎士団だ。
アイツらはなぜか聖人を毛嫌いしているから一番動かしやすい。
シャルルの父上、ゴルドー伯爵はフォンベルト侯爵に婚約者を奪われたと言っていたな。
フォンベルト侯爵夫人は必ず生かしておいて、この度シャルルを聖人にした褒賞として、ゴルドー伯爵の第二夫人か愛人にでもすればいい。
あとは禍根が残るから、反逆罪で斬り捨てるように指示しておこう。
ナイジェルは優秀だから僕の右腕にでもなれば良かったのに、頑なにレオンハルト兄上のそばを離れなかったから、アイツもいらないな。
ユリアナを溺愛しているところも気に入らない。
フォンベルト侯爵は領地で問題があって帰って来ないはずだ。急いで戻ったところで間に合わない。裁きは終わっている。
でも万が一を考えて細工はしておこう。
この単純な思い付きのような計画が、本当に上手くいくと誰が思っただろう。
のちに急ぎ王宮に戻った王と王妃は、起こった事の顛末を聞き絶望した。
第三王子リチャードを呼び、問いただそうとすると、そばにいた見慣れぬ赤髪の侍女のような娘が近づいてきた。
その後は、第一王子と同じ、原因不明の病気で国王、王妃ともに寝たきりとなった。
ここまで上手くいくとリチャードは、分不相応な野心が芽生えてくる。
私は聖人シャルルアンを妻に持つのだ。私が国王でもよいではないか!
第三王子リチャードが国王となると、国はあっという間に乱れた。
妻に迎えた聖人を名乗るゴルドー伯爵令嬢は、その力に対価を求め、気分が乗らなければ聖人としての仕事は何一つしなかった。
したことと言えば、宝石を買い漁り、あり得ない数のドレスを作らせ、そのドレスを使い捨てにして、ありとあらゆる贅沢をし、豪遊していた。
魔物は街中に出没し、瘴気が漂う。
早々に他国に逃げた一部の国民は難を逃れたが、隣国の結界に弾かれ、国内に留まるしかない国民は、誰一人生き延びることは出来なかった。
リチャードは、愚王として国を混乱させたことで、第一騎士団と官僚達によるクーデターで、数日かけて魔物に喰われるという方法で処刑された。
国民に紛れて隣国に逃げた者の中にシャルルアンがいた。
赤髪の侍女を引き連れ、聖人を名乗り、体に残った最後の魔力を振り絞りその力を見せた。
しかし、そのあとには、ユリアナから奪える魔力もなく、力を使うことができず偽物であるとされ、魔物と瘴気が渦巻く結界の向こう側に戻された。
赤髪の侍女は、隣国の鑑定魔法師に魔術使いと断定され、禍を持ち込んだとして処刑された。
こうしてカイザル国は、一年経つ頃には王都中に魔物と瘴気が溢れ、人の力でどうにかなる状況をとうに過ぎ、周囲の国からは虫一匹すら通さない強力な結界を張られ、翌年に国は滅んだ。
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